【0.1カ月分のボーナス】「一回しか言わないから」教育係はパワハラ気味、みなし残業…「やってられない」と辞めていく同僚たち!220人いて5年で160人やめた会社【作者に聞く】
かっぱ子(@kappacooooo)さんの『220人の会社に5年居て160人辞めた話』がついに書籍化!今回は160ページもの描き下ろしを含めた見どころを聞く。
理不尽な納期、雀の涙のボーナス、そして次々と辞めていく同僚たち…

入社初日、念願の企画部に配属され、「一生懸命頑張ろう!」と意気込んでいたかっぱ子さん。部署の先輩に挨拶をすると、突然「いらない」と言われフリーズしてしまう。しかし、仕事内容を自分で見つけるというスタンスは、曖昧すぎて入社したばかりの社員には難しい…。そして、優しい上司はいつも定時上がり。ボーナスは0.1ヵ月分と雀の涙、次々と辞めていく同僚たち…。「正直当時はブラックっぽいなとは思わなかったんですよね。悲しかったり辛かったりしても、結局自分の心持ち次第なので、ただ自分の心が弱いだけなんだなぁと…」と、先輩の「1回しか教えないから」という厳しい指導にも前向きに取り組んでいた。

本作は、ブログ連載していたものが書籍になる。「ブログやSNSで趣味として描いていたときは、ほぼ起こった出来事だけを描いていたのですが、今作は新入社員の当時の気持ちに向き合って描きました。なので新入社員のかっぱ子がどう思っていたのかがわかる、SNSとはまた違った雰囲気になっていると思います」と、描き下ろしの見どころを話す。

また、キャラクターにも注目してほしい。「勧善懲悪のスカッと物語ではない現実を描いているので、すべての登場人物に人間味があり、共感できるように描きました」と、さらなる見どころを語る。白イルカ部長は「会社のためにやれることは基本なんでもやる」というスタンスで若い子のアイデアに期待。バリバリ仕事をこなすネコ美先輩は、かっぱ子さんの教育係となり、ビシバシ鍛えられる。

一番大変だったことを聞くと、「おまけ漫画のダイジェストにも描いてありますが、社会人3年目のときに先輩と上司が引き継ぎなしで退職し、後輩が3人入ってきたときです。上司や後輩、他部署や得意先…。とにかくいろんな方面からいろいろな意見を言われ、何が正しいのか、どうしたらみんなが気持ちよく働けるのか、いい先輩でありたい、など自分自身に求めすぎて大変な時期が大変でした」という。

かっぱ子さんが勤めていた会社は、退職者があとを絶たない。新卒入社してから1年で同期や先輩は次々と退職。主な理由は、「みなし残業付きで定時に帰りにくい」「ボーナスが少ない」「無茶なノルマに理不尽な納期」など、あげればきりがない。理不尽な上司の対応にどのように接していくのがベストなのか?そのたびに立ちふさがる上司たちとの闘い。これから社会人になる学生には、ぜひ参考にしてほしい。かっぱ子さんは、常に考えながら行動を起こし、「今年も暑いので頭の皿が乾かないように水分取ってください」と笑う。
取材協力:かっぱ子@ゆるブラック企業漫画(@kappacooooo)
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