【実話】夫と姑から長年『お前』と呼ばれ続け、人格を否定される!?余命3カ月の妻が人生最期に本当の自分を取り戻す【著者に聞く】

子どものころから漫画が好きで、ユーモア溢れる漫画を描いている宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さん。X(旧Twitter)にて公開された『夜逃げ屋日記』は、DV被害などに遭う依頼者を夜逃げさせた実話を基に描かれた人気漫画だ。今回は、以前ウォーカープラスでお届けした『夜逃げ屋日記』の48~50話を紹介するとともに、著者に夜逃げの移転先選びについてもインタビューした。

夜逃げ屋の仕事には「移転先選び」があり、加害者の実家などとの距離を踏まえたうえで、依頼者の意見を取り入れて決めていく。今回の依頼者・ミツコさんの条件は、海に近いところだという。

この家に嫁いでから50年もの間、一度も海を見ていないというミツコさん。長崎生まれのミツコさんにとって海は特別な場所で、独身のときに母が亡くなると、近くの浜辺で心を落ち着かせていたこともあった。

そして余命3カ月のミツコさんは、突然『夜逃げを中断してください』と言い出す。すると社長は『旦那と義母から普段なんて呼ばれてる?』と質問をする。ミツコさんは動揺するも、2人から『お前』呼ばわりされていたことを思い出す。

社長はミツコさんに手鏡を渡すと、『自分の顔ちゃんと見て』と優しく言う。一番親しい人に長い間名前を呼ばれていなかったせいで、ミツコさんは自分が誰なのかハッキリしなくなっていたのだ。

ミツコさんは鏡で自分の顔を見ると、『ミツコ、ミツコ』と自分の名前を呼ぶ。そして年老いた自分の姿を見て、涙を流す。

ミツコさんは海に近いところへ移転し、余生を過ごしたという。妹さん曰く、病床で50年の結婚生活にはほとんど触れず、移転先での話や幼少期の思い出話をずっとしていたようだ。

彼女にとって人生最後の1カ月半は、きっとかけがいのないものになっただろう。
――今回の移転先選びは「海に近いところ」でしたが、移転先選びが難しいケースは時々あるのでしょうか?
車椅子の夜逃げの時もありましたが、この条件だけは!という依頼者さんからのお願いはあります。ただ、お互いにとって都合のいい場所が、タイミングよくすぐ見つかるわけでもなく、社長が苦心している姿をよく目にします。
『夜逃げ屋日記』は待望の第4巻が発売され、著者と夜逃げ屋の社長との対談(
前編
/
後編
)も実現。夜逃げ屋に興味や関心がある人は、この機会にぜひ一度読んでほしい!
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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