「産まなきゃよかった」思っても言わないで…親の言葉はずっと縛り続けてしまうから。大人になっても消えない「愛されたかった」思い【インタビュー】
「産まなきゃよかった」と親から言われた。子どもながら言われた言葉にショックを受け、「私は望まれていないんだ」「生まれてきちゃダメだったんだ…」と、自分の存在を否定する日々を過ごした。そんな過去を描く、尾持トモ(@o0omotitomo0o)さんの『産まなきゃよかった』を紹介するとともに、制作の思いを聞く。※本作にはセンシティブな表現が含まれています。閲覧にはご注意ください。
毒親と離れても「生まれてこなければよかったのかもしれない」と、自分を責めてしまう日が大人になっても襲ってくる
尾持さんが漫画を描き始めたのは、「幼少期から抱えてきた家庭環境の傷」に対して、「大人になっても過去の傷がふと疼き『いい歳して、まだこんなことで病んでいるなんて…』と、自分を責め続ける日々がありました。でも、きっと同じように“もういい大人なのに、幼少期受けた親の言葉を引きずってしまう自分”を責めている人は、他にもいると思ったんです。そんな方に『あなただけじゃない』と伝えたくて、描き始めました」と話す。
毒親育ちの子どもは、大人になっても親に言われた言葉や態度を引きずってしまう。尾持さんもそうだった。「時折、『生まれてこなければよかったのかもしれない』『お父さんお母さん、私なんかが生まれてしまってごめん』と、思ってしまうことがあります」と話す。「じゃあ、なんで私を産んだの?」と涙した夜もあった。「長い間そう思ってきました。この漫画には、“生まれてきてよかったと言える日が来てほしい”“子どもも大人も守られる世の中であってほしい”という思いを込めています」と尾持さんは、同じ人が抱える闇に焦点を当ててメッセージを送る。
作品を描くまでに葛藤もあったという。「作品にすること自体が、私にとってもひとつの解毒作業でした。『いつまで幼少期のことを言っているの?』『甘えるな』そんな言葉を向けられるのではないかと怖かった気持ちもあって、正直、とても迷いました。でも、同じように苦しんでいる方々が確実にいて、その人たちに届いてほしいという気持ちが勝ちました」
漫画を投稿した結果、「予想より多くの、優しいコメントやDMをいただきました。『私も同じ経験をした』という声も本当に多かったです」と、読者からの声が励みになったという。「もちろん、想像していたようなつらいコメントもありました。でも、そんな中である読者さんが『生まれてきてごめんなさい、と親に思うあなたは、それだけで優しすぎる。生きる価値がある人間です』と伝えてくださったんです。その言葉が胸に強く残りました。私が頂いたこの言葉を、今まさに『生まれてこなければよかった』と苦しんでいる人にも届けたい。“あなたは生きていていい人なんだ”ということを、作品とともに共有したいと思っています」
尾持さんのパートナーもまた同じ境遇で、ある日「親に愛されたかった」と、涙する場面も。忘れたくても、いつまで忘れられない親の言葉。「大人になっても心は傷だらけのままなんだ…」そう気づかされた尾持さんは、漫画を通して少しづつ前を向いて歩く姿を描く。
取材協力:尾持トモ(@o0omotitomo0o)
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