高校受験失敗→狐の学校に潜入も…「チョロい!人生なんとかなるもんだ!」不条理シュールコメディ漫画『こんづくし』作者インタビュー

『こんづくし』第1巻書影

人型に化ける狐と人間とが共存する世界で暮らすごく普通の人間・逆茂木いばら。本命の高校受験に失敗し、“狐”が通う学校に飛び込んだものの、校長からは「身バレは即刻退学」と告げられる。狐のクラスメイトたちの中で人間だとバレずにひっそり過ごすはずが、入学初日からクラスメイトの枯尾花ススキに人間だと見抜かれてしまう――!

森長あやみさんがウルトラジャンプ(集英社)で連載中の漫画『こんづくし』は、狐づくしの学校で人間のいばらが巻き起こす不条理な日常シュールコメディ。一筋縄ではいかないクラスメイトや教師、そして狐すら化かしてみせるいばらが巻き起こす予測不能な展開が笑いを誘う作品だ。2025年11月19日に待望のコミックス第1巻が発売された同作について、作者の森長さんに作品の舞台裏をインタビューした。

『こんづくし』第1話


「チョロい!人生なんとかなるもんだ!」たくましくも笑える、いばらの生存戦略


――『こんづくし』を描きはじめるにあたって、森長さんが「これは描きたい」と思ったポイントは?

【森長あやみ】化け狐が全く隠れていない世界です。一般的にフィクションの化け狐は人間社会に隠れた存在であるか、希少で神秘的なキャラクターであることが多いので、狐が一つの種族として普通に存在する社会を描いてみたいと思いました。それに、狐がそこらじゅうにゴロゴロいた方が絵面としても面白いですからね。


――クラスメイトを時に翻弄するいばらの行動や発想に驚かされます。当初のアイデアから変わってきた点はありますか?

【森長あやみ】描く前から、“人間”というマジョリティが“狐”という少数集団に飛び込む構図にしようとは決めていました。そして少数集団に飛び込んだことで、こんどは自分が集団内のマイノリティになる―――その逆転によってドラマが始まるようにと、そう考えました。

最初は単純に主人公のいばらちゃんが狐の学校に転校するだけだったのですが、そこに正体を隠す、潜入の要素を加えたほうが面白いなと。結果的に、主人公の行動原理が明確化されてストーリー展開しやすくなりました。


――描かれた中で、「このシーンは特に印象深い」と思う箇所があれば教えてください。

【森長あやみ】恥ずかしながら、描いた端から内容を忘れていくので実はあまり覚えてないんですよね……。しかしながら、いばらちゃんの「チョロい!人生なんとかなるもんだ!」という精神は忘れずにいたいです。慎重に思い悩むことも大事ですが、どこかで楽観主義にベットしないと人生は前に進みませんから。

――この作品を通じて、読者に伝えたいことは?

【森長あやみ】人間、追い詰められても悪あがきすればなんとかなるというところでしょうか。最後まであきらめないことが大事。


――本作に込めた、作家としての挑戦や実験があれば教えてください。

【森長あやみ】“生存”ですね。生きることは大変です。主人公と同じです。

――最後に、本作品をどんな人に読んで欲しいですか?

【森長あやみ】人間、狐、そして生きとし生けるものすべてに読んでほしいですね。


作:森長あやみ

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