【TGS2026】「スト6」Red Bull Revenge全4戦レポート!名勝負再現もリベンジ達成はBig Bird選手のみ、3人が返り討ちに成功
目次
2026年9月17~21日に開催された東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)の最終日に『ストリートファイター6(スト6)』のエキシビションマッチであるRed Bull Revenge(以下、RBR)が開催された。本来であれば、TGS2026の会期中で有観客による開催だったが、TGS2026が荒天のため21日の開催を中止した。その余波でRBRも開催の危機を迎えたが、RBRをはじめとするステージイベントはオンライン配信での対応となり、開催にいたった。
名勝負を再現する全4戦、ブラインドピック1キャラの5先で決着
RBRは、『ストリートファイター』シリーズで繰り広げられた名勝負を再現すべく、8選手を招聘し、全4戦のマッチアップを用意した。当時の対戦で敗北した選手はリベンジの機会を与えられ、勝利した選手は時を経て再度、勝利をもぎ取れるのか。ルールはお互いにブラインドピックした1キャラのみで5マッチ先取(BO9)で行われる。
Big Bird選手がC.ヴァイパーの火力でリベンジ達成、5-1でボンちゃん選手を圧倒
第1試合はBig Bird選手(リベンジャー)対ボンちゃん選手(勝利者)。ふたりはRed Bullアスリートとして活動する仲間でもあり、『ストリートファイターIV』から戦いを繰り返している。再戦される一戦はEVO2019 グランドファイナル。対戦したタイトルは『ストリートファイターV(SFV)』で、Big Bird選手はラシード、ボンちゃん選手はかりんを使用。今回はBig Bird選手がC.ヴァイパー、ボンちゃん選手がサガットを使用する。
終始ゲームを支配するBig Bird選手。C.ヴァイパーの高い火力を存分に生かし切り、ボンちゃんサガットを追い立てる。ボンちゃん選手も中盤からペースを取り戻すも、Big Bird選手の勢いは止められず5-1でBig Bird選手がリベンジを果たした。
試合後の談話:Big Bird選手
――リベンジを達成し、本日の試合を振り返って感想をお聞かせください。
【Big Bird選手】EVOの優勝者という強敵に勝つことができ、本当にうれしいです。
――今回の対戦に向け、対策したことは何でしょうか。
【Big Bird選手】ボンちゃん選手の使用キャラクターはサガットであるため、丁寧にキャラクター対策をし、徹底した練習を重ねてきました。私は人読みを重視するタイプではなく、キャラクター対策を詰めるタイプなので、そこをしっかりしていれば、このマッチアップは勝てると思っていました。
――ボンちゃん選手へコメントをお願いします。
【Big Bird選手】ボンちゃん選手は長い実績と歴史を持つプレイヤーで、深く尊敬しています。『ストIV』時代から彼の試合をたくさん観てきました。その当時に対戦したこともありますし、『SFV』を経て、今回『スト6』のナンバリングでも大きな舞台で再び対戦できたことはうれしく思っています。ボンちゃん選手は、私をはじめ、多くのプレイヤーに情熱を与え続けた存在です。今までも変わらず、心からリスペクトしています。
MenaRD選手の読みが冴える、ときど選手を5-2で退ける
第2試合はときど選手(リベンジャー)対MenaRD選手(勝利者)。再戦される一戦はCAPCOM CUP2017のグランドファイナル。CAPCOM CUP2017ではときど選手とMenaRD選手は3度対戦しており、ウイナーズファイナルではMenaRD選手が、グランドファイナルではときど選手が、グランドファイナルリセットではMenaRD選手が勝利している。対戦したタイトルは『SFV』。ときど選手は豪鬼、MenaRD選手はバーディーを使用。今回はときど選手がJP、MenaRD選手がブランカを使用する。
MenaRD選手の読みの鋭さに後手後手の対応を迫られたときど選手。お互いにSA2の性能の高いキャラクターだが、MenaRD選手のブランカのほうが効果的に使用できたこともあり、5-2でMenaRD選手がときど選手を返り討ちにした。
試合後の談話:MenaRD選手
――本日の試合を振り返って感想をお聞かせください。
【MenaRD選手】相手が誰であろうと恐れることなく、落ち着いてプレイすることができました。試合をご覧いただいた通り、相手がどのような仕掛けをしてきても、動揺せずに一つひとつ対応することができました。私も非常に楽しみながらプレイできましたし、視聴者の皆さんにも楽しんでもらえたならうれしいです。素晴らしい試合でした。
――今回の対戦に向け、対策したことは何でしょうか。
【MenaRD選手】正直なところ、今回の試合のためだけに特別な何かを用意してきたわけではありません。ときど選手は普段から私がもっとも研究してきた選手のひとりであり、彼の癖や傾向は熟知しています。たとえば、起き攻めの特定のシチュエーションや、試合中にジャンプを多用する傾向があることを理解しています。そのため、ブランカのローリングアタックに対して相手がジャンプで対策してくることを見越して、あらかじめ弱パンチを置いて、対空のバーチカルローリングで落とすといった一点読みの対策を用意していました。日頃からの対策を重ねていたおかげで、今日の対戦でも精度高く立ち回ることができました。
――ときど選手へコメントをお願いします。
【MenaRD選手】素晴らしい試合をありがとうございました。ときどさんもこの試合を楽しんでくれたならうれしいです。私にとっても大きなモチベーションになる相手であり、彼のような素晴らしい選手と対戦できることは一番の誇りです。5本先取でも10本先取でもどのような形式、セッティングであれ、ときど選手がまた対戦をしたいと思ってくれるのであれば、いつでも喜んで応じます。
さはら選手がジェイミーの薬湯を封殺、Blaz選手のCC12リベンジならず
第3試合はBlaz選手(リベンジャー)対さはら選手(勝利者)。どちらも『スト6』から活躍している若き新星。それゆえに再戦される一戦こそ唯一の一戦。しかも記憶に新しいCAPCOM CUP12のセミファイナル。Blaz選手はリュウ、さはら選手はエドを使用した。CAPCOM CUP11でいきなり現れたチリの15歳の勢いはまさに主人公ルート。そこに立ちはだかったのがさはら選手。今回はBlaz選手がジェイミー、さはら選手がリュウを使用する。
Blaz選手のジェイミーは薬湯を飲む毎に攻撃力が上がり、使える技も増えるキャラクター。4杯飲めば見違えるほど強くなる。Blaz選手は4杯まで飲めたときはさはら選手を圧倒していたが、さはら選手はBlaz選手にその薬湯を極力飲ませない立ち回りで多くの試合を支配。最後までそのペースを崩さず、さはら選手が5-2で返り討ちにした。
試合後の談話:さはら選手
――本日の試合を振り返って感想をお聞かせください。
【さはら選手】練習どおり、自分がやりたかったプレイ、立ち回りができた試合でした。
――今回の対戦に向け、対策したことは何でしょうか。
【さはら選手】ジェイミー自体の対策はそこまで詰めず、自分が使うリュウの基礎的な動き、操作の精度を高めることに重きを置いて練習しました。海外大会でのAngryBird選手の試合が自分の立ち回りを見直すきっかけになりました。それまでは勝つにしろ、負けるにしろ、早い決着で終わることが多かったんですが、AngryBird選手は99秒をフルに使って、相手をしっかり観察しながら戦うスタイルでした。そのスタイルを自分の立ち回りに取り入れたところ、非常にしっくりきていい感覚でプレイできるようになりました。
――リベンジマッチを返り討ちしたわけですが、再びBlaz選手から挑戦される機会があれば、挑戦は受けますか。
【さはら選手】もちろん受けます。なんならBlaz選手とはCAPCOM CUP(CC)の決勝という舞台で対戦したいと思っています。「CC決勝でやろうぜ」とお互いに高め合いたい気持ちです。
――Blaz選手へコメントをお願いします。
【さはら選手】彼は南米(チリ)という、日本ほど対戦環境や通信環境が恵まれていない地域でプレイしているにもかかわらず、これほどの強さを誇っているのは本当にすごいですし、心からリスペクトしています。これからもよろしくお願いします。
カワノ選手が豪鬼の間合いを支配、LeShar選手を5-1で返り討ち
第4試合はLeShar選手(リベンジャー)対カワノ選手(勝利者)。2024年のストリートファイターリーグ:Pro-JP グランドファイナルでの戦い。LeShar選手はエドを使い、Division Fで最高獲得ポイント140ポイントを稼ぎ、Yogibo REJECTのDivision優勝の立役者として活躍。グランドファイナルもエースとして活躍が見込まれていた。そこに立ちはだかったのがカワノ選手の豪鬼。2巡目アウェイの大将で出場したLeShar選手にカワノ選手が挑戦。フルセット・フルラウンドの末、最後はリーサルのコンボ選択ミスによりカワノ選手が勝利した。さらに3巡目で大将に鎮座するカワノ選手にリベンジとばかりLeShar選手が登場するも、カワノ選手が返り討ちにして勝利。G8Sの日本一に貢献した。
今回はLeShar選手がエド、カワノ選手が豪鬼と再戦前の組み合わせと一緒。両選手とも選択したキャラクターは使用していないわけではないが、メインは変えている。LeShar選手はリュウや豪鬼、カワノ選手はルークがメインだ。それだけに再戦される一戦と同じキャラクターなのはお互いのプライドのぶつかり合いがすでに始まっていることを示唆している。差し返しや逆択のOD昇龍拳などが決まり、カワノ選手は終始、豪鬼の間合いをキープした。LeShar選手も精度の高い新ドリームを決められれば、ラウンドを取ることはできたが、なかなかペースをつかめず。5-1でカワノ選手が返り討ちに成功した。
試合後の談話:カワノ選手
――本日の試合を振り返って感想をお聞かせください。
【カワノ選手】これまで公式大会やリーグ戦など数々の場面で対戦してきましたが、勝ち負けを繰り返してきたライバル関係でした。今回の試合では、以前、豪鬼やエドを使っていた頃のようないい感覚が戻り、かなり理想的な立ち回りができたので、非常に満足しています。
――今回の対戦に向け、対策したことは何でしょうか。
【カワノ選手】最近はルークを選ぶこともありましたが、今回の対戦を通じて「やっぱり豪鬼がいいな」と再認識しました。自らキャラクターをしっかりと信じ切ってプレイできたことが、今回の結果につながったと思います。
――LeShar選手へコメントをお願いします。
【カワノ選手】LeShar選手という存在のおかげで、自分自身が上達できた部分が数え切れないほどあります。現在は少し距離が遠くなってしまいましたが、本当に感謝しています。ぜひ、また対戦したいです。
リベンジ成功は1戦のみ、TGSの恒例イベント化にも期待
終わってみれば、リベンジ、返り討ち、返り討ち、返り討ちという結果に。リベンジャーとしてみれば、次のリベンジの機会を虎視眈々と狙っていくことだろう。返り討ちをした勝利者側は当時と条件が大きく変わる部分がありながら、しっかりと対応したことはさすがのひと言だ。
トーナメントやリーグ戦など、偶発的に起きるマッチメイクではなく、対戦する理由、価値を見いだしたRed Bull Revengeは4試合とも見応えのある一戦となった。まだまだ、再戦を見たい一戦があり、再戦を果たしたい選手もいるはず。次回の対戦も期待したい。なんなら、TGSの恒例イベントとして定着してほしいところだ。
著者プロフィール・岡安学
ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。イベント取材をはじめ、法律問題、マーケットなど、多角的な切り口でeスポーツを取り上げる。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『ゲームビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)、『みんなが知りたかった 最新eスポーツの教科書』(秀和システム)などがある。
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がないものは税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。










