【漫画】「あいつは過労死してなんぼ」と言われ『退職代行』の利用を決意、「つらくて死ぬ前に退職代行という“選択肢”を知ってほしい」

2020年11月18日 05:20更新

東京ウォーカー(全国版)

Twitterで
シェア
Facebookで
シェア

ウォーカープラスの新企画「ウォーカービズ」では、さまざまな業種で働くビジネスパーソンにインタビューを行い、成長の分岐点となったエピソードや、人生の明暗を分けた決断の舞台裏を紹介していく。

画像提供:日常かんぱにー(@TenyaWanya_tsun)


今回紹介するのは、パワハラ・モラハラが横行する異常な職場環境で働き、心も体も壊れかけたところ、「退職代行」によって救われた経験を持つ“日常かんぱにー”さん(@TenyaWanya_tsun)。この体験を実録漫画としてSNSで発表した理由や、“退職代行という選択肢”を持つことの意義を聞いた。

知らないうちにマインドコントロール?「“逃げた”と思われるよりは“迷惑をかけること”が怖かった」

画像提供:日常かんぱにー(@TenyaWanya_tsun)

画像提供:日常かんぱにー(@TenyaWanya_tsun)


――「退職代行」は、パワハラ・モラハラが横行する異常な職場環境の下で“退職の意思表示すらできない”ときに利用するケースが多いようです。日常かんぱにーさんは漫画で「当時、生きているのか死んでいるのかわからないくらい疲労困憊」と描かれていますが、具体的にどのような勤務形態だったのでしょうか?

「当時の職場はギフトを中心に扱っていた会社で、“父の日”が近かったこともあり大繁忙期でした。このころの私は2カ月ほど連勤していました。その職場の社風は少し古く、上司より遅く出社すると『お前みたいな下っ端がなぜ先輩より遅くくる?』と言われ、上司より先に退社すると『先輩が頑張っているのにお前はやれないのか』と言われました。シフト制でしたので、休日に休んでいると出勤している先輩から『社会人として成長したいなら今日はくるよな?』と電話がかかってきました。私は新卒だったので、そうあることが正しいんだと思っていて、基本は朝7時に出勤して23時に退勤。イレギュラーが起きれば深夜2時に出勤し、次の日の0時ごろに退勤していました」

――それは過酷すぎますね。

「過酷なように見えますが、仕事自体はなぜか楽しく思えて『頑張ろう』と日々出社していました。もしかしたら“マインドコントロール”のようなものをどこかで受けていたかもしれないですね」

――実際に辞めようと決断したのは?

「私を心配してくださった派遣の方が上司に『日常かんぱにーさん死んでしまいますよ』と言ってくださったのに対し、『あいつは過労死してなんぼだから』と言われたときです」

――怒りがわいてきますね。周りからも心配されていたようですが、体の不調などはありましたか?

「体調不良はあまり感じませんでしたが、会社から帰宅している最中に何が悲しいのかわからない状態で涙がずっと出ていました。今でも当時なぜ泣いていたかわからないのですが、毎日うちに帰って横になり声をあげて泣き続けていました。おそらく心と体が知らないうちに壊れていたんだと思います」

――家族に「退職代行」を使うことをすすめられて、どのように思いましたか?

「私が負けず嫌いという性格もあり、このような形で逃げてしまってよいのだろうか?と一番最初に思い浮かびました。“逃げた”と思われるよりは“迷惑をかけること”が怖かったんです。父が後押ししてくれなければ、もしかしたら未だにあの会社で働いていたかもしれません」

■「こういう手段(退職代行)がある」ということを知っておくだけで“生きやすくなる”

画像提供:日常かんぱにー(@TenyaWanya_tsun)

画像提供:日常かんぱにー(@TenyaWanya_tsun)


――漫画では、退職代行への依頼後も「会社に迷惑がかかるのでは…」と思い悩む姿が多く描かれています。そうした気持ちに区切りをつけられたきっかけは?

「区切りは未だについた感覚はないのですが、徐々に落ち着いてきた感じです。父がドライブへ連れて行ってくれたり、母に『ゆっくり次の仕事を探せばいいよ』と声をかけられたり、家族の温かさが私を“罪悪感”から救ってくれたような気がします」

――日常かんぱにーさんの漫画では、ご家族や彼氏の存在が支えになっているのが伝わってきました。ご家族の助言などがなかったら、どうなっていたと思いますか?

「本当にどうなっていたかわからないです…。私の家族がもし退職に協力的じゃなかったら?当時の彼氏と同棲していなかったら?家までやってくるような上司もいるような環境でしたので、鬱になっていたり、もっといけば自殺してしまっていたのではないかと思います。当時は本当に生きているのか死んでいるかわからず、自分の気持ちもどこにあるかわからない状態でした。気づかないうちに、戻ってこれなくなるほど心も体もズタズタになってしまったんじゃないでしょうか…」

――「退職代行」という新しいサービスが広く認知されつつあります。このサービスを使っての率直な感想を教えてください。

「私のケースはおそらく稀なものだと思います。普通、退職代行に依頼したあとに上司が直接家に来たり電話をしてくることなんてあったら、退職代行の意味がないですから。ただ、退職に踏み込めない私の代わりに退職することを表明してもらった、それだけで心が軽くなったというか、とても怖くて自分じゃ言い出せないことを代行していただいて本当に助かりました」

――この漫画をSNSで発表して、その後の反響で印象的だったものは?

「『私もブラック会社に勤めていて、こういうサービスがあれば楽に辞められたな』というコメントだったり、『退職代行を利用したいのですが詳細を教えてください』という内容のDMが20件ほど来たりしました。ブラック会社に勤めている人が思った以上に多いことを知りました」

――会社からのパワハラ・モラハラで悩んでいる人がいたら、どんなアドバイスを送りますか?

「あまりよい印象のない退職代行かもしれませんが、“こういう手段がある”ということを知っておくだけで選択肢も増えますし、“生きやすくなる”と思います。パワハラやモラハラを受けているとわかっているのに働き続けている人は、そのことを相談できないケースが多いと思います。社内の人に相談するのはハードルも高いですし、言い出せないことの方が多いと思います。まずは身近な人に相談したりすることが、“負の連鎖”から抜け出すための一歩だと思います」

取材協力:日常かんぱにー(@TenyaWanya_tsun)

この記事の画像一覧(全145枚)

キーワード

おでかけ・旅行に関する動画

ページ上部へ戻る