「販売に向いていない辞めろ」客からの理不尽な苦情に仕事中は笑っているがもう限界⁉【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
販売の仕事で体験した出来事や日常で感じたことなどを漫画に描き、X(旧Twitter) やInstagramで発信しているタジマオオカさん(@pu92yu)さん。店舗で働いているとさまざまなお客様や場面に遭遇するという。なかでも、顧客の優位な立場から従業員に対して言い掛かりや理不尽なクレーム、侮辱などをする迷惑行為「カスタマーハラスメント」(以降、カスハラ)について描いた漫画「かすはら物語」や「お客様に助けられた話」が大きな反響を呼んでいる。思わず「怖い」と身震いする場面も少なくなく、多くの共感の声が寄せられている。
ウォーカープラスでは「かすはら物語」をリメイクし、「お客様は神様ですか?」と題して連載をスタート。タジマさんが実際に体験したカスハラや、販売員に対するお客様からの無理なクレームや言動に悩み、対応を考え続けた日々についてお届け。
第4回となる今回は、「カスハラ」という言葉を知ってから、人波への恐怖など心身に変化があらわれ、販売の仕事を辞めようと思ったという、タジマさんのインタビューを交えながら紹介する。
接客が嫌いではないのに人前に出ると恐怖心が
――「カスハラ」という言葉を認識したあと、お客様と目を合わせるのが怖くなったり、出勤するときは手のひらにすごい汗をかいたとありましたが、販売スタッフとしての考え方に変化があったのでしょうか?
「販売員としての考え方はあまり変わりませんでした。お客様を嫌いになるとか、接客そのものが嫌になるとかもありませんでした。ただ、人前に出ると恐怖心を感じてしまって…。その頃はあまりお客様と目を合わせないようにして、汗をかくことを前提に着替えを用意。ドキドキしたら深呼吸するなど、その場しのぎをしつつ働いていました」
――販売スタッフとしての感覚の変化が出始めたあと、気持ちを落ち着かせるためにいつもより1時間早く家を出ていたとのことですが、実際にどのような方法で落ち着かせようとされたのでしょうか?
「複数の店舗で販売をするので『慣れ』の感覚がいまいち薄いんです。元気なときはいいのですが、弱っているときは慣れない環境を重く感じてしまったんです。そのため早く到着して1時間ほど店の外でぶらぶらして、その街の雰囲気に慣れてから仕事に入るようにしていました」
書き出すことで事態を客観視できる
――モヤモヤした気持ちを書き出して捨てる、という方法では、どのように気持ちの整理がつきましたか?また、いじめをする人とカスハラをする人の表情が似ているとありましたが、カスハラに対して気付いたことはありますか?
「書き出すことで気持ちの整理というか、事態を客観的に見ることができました。カスハラにも、いきなり怒鳴るとかネチネチ系とか、いろいろあるとは思うのですが、カスハラする側には『言ってやるぞ』というワクワク感と言いますか、高揚感みたいなものは感じます」
当時、販売の仕事を辞める決意をしたタジマさん。決め手となった考えや出来事、辞めると決意したあとの気持ちの変化について聞くと、「小さな『仕事を辞めたい』は、誰もが一度は考えたことがあると思います。それが積み重なったのと、1時間早く出勤する生活が続いたときに『もう辞めてもいいかな…』と思いました。でも決意したはずなのに気持ちは揺れていました。接客やお客様が嫌いになった訳ではないので、辞めたら後悔するかも、という思いがありました」と話してくれた。
「お客様は神様ですか?」は隔週火曜17時に配信。第5回は9月26日(火)17時を予定している。お楽しみに!
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