忘れないように取ったメモをどこに置いたか忘れる…認知症にどうやって向き合うのが正解?高齢者同士の助け合いは「優しい世界」だった【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
人生100年時代――。2017年末に「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、今や多くの人が耳にしたことがあるフレーズだ。長寿大国と言われる日本に暮らす我々にとって「人生100年時代」は決して他人事ではない。しかし、超高齢化社会の到来と比例するように少子化が進み、単身世帯、孤独死、老年期鬱、高齢ドライバー、老害など、高齢者を取り巻くさまざまな問題はネガティブな印象に偏りがちである。そんな日本の超高齢化社会を明るく生き抜く
“最強おばあ”
がいた。
“最強おばあ”の孫である、きよまろさん(
@sobomiyako98
)は、戦争や震災、夫との死別、シングルマザーを経て100歳までポジティブに生き抜いた祖母・みや子のエピソードを「祖母・みや子98歳」として漫画化、発信している。ウォーカープラスでは、「祖母・みや子98歳」をパワーアップさせ「祖母・みや子100歳~年を取るって楽しく愉快だ!~」と改め、筆者・きよまろさんの漫画から、老いることを愛おしく感じられるエピソードを多数紹介していく。高齢になればなるほど、切っても切れないテーマ「認知症」。今回は「認知症」との付き合い方を描いたエピソードをお届け。
――認知症を患うミヨばぁと、みや子さんの関係はどのようなものでしたか?
「認知症であってもミヨはミヨ。認知症だからといって交友関係が変わることなく、特別扱いするわけでもない。認知症の進行とともに多少配慮はすれども区別や差別もしない。実にフラットな関係だったと思います。祖母は膝や心臓が悪かったので立ち上がりをミヨばぁが介助していましたし、逆にいろいろなことを忘れて時には泣き出してしまうミヨばぁを、祖母がただ傾聴して慰めることも日常の一コマでした」
――みや子さんは、認知症についてどのように考えていたのでしょうか?
「病気や障害は好きでなるわけでも選んでなるわけでもないので、友人たちと病気やままならない身体の愚痴を言いながら、時に笑い合いながら過ごしていた姿は印象的です」
――この「認知症」エピソードに込められた思いを教えてください。
「少し前まで『認知症になると家族や周囲は大変だが、なった本人は気楽な病気だ』と言われた時代がありました。しかし、祖母の話や実際のミヨばぁを見ていると進行していく症状に不安や葛藤を常に抱えていたように思います。『認知症である前に一人の人間』という偏見を持たず向き合う祖母の姿勢や地域で支えあうコミュニティは本当に『優しい世界」』ったと感じています」
今を生きる老若男女を元気にする、100歳まで生きた“最強おばあ”祖母・みや子。いくつになっても「自分らしさ」を追い続ける姿は、歳を重ねていく我々に勇気と導きを与えてくれる。
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