指先サイズのケーキが10万円落札!人気のミニチュア作家が語るリアルの極意とは

2020年4月23日 10:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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各地で展覧会も開かれブームの兆しを見せるミニチュアアートの世界。その中で「リアルすぎる」と評判を集めているのが、人気ミニチュア作家shibazukeparipari(@shibazukepari)さんの作品だ。そのリアリティぶりや、細部にまで施されたこだわりが評価され、ひとたびネットオークションに出品すれば10万円という高値がつくこともある。今回は、そんなshibazukeparipariさんへ作品へのこだわりや“おうち時間”を楽しく過ごせるミニチュア作りの魅力について、語ってもらった。

制作・写真提供/shibazukeparipari

題材選びの基準は「自分自身の心がくすぐられたもの」


お花とうさぎのふわふわ加減がかわいらしいイースター・ミニチュアウサギのセット制作・写真提供/shibazukeparipari

shibazukeparipariさんとミニチュアの出会いは2001年。図書館でミニチュア制作の本を見つけたのがきっかけだ。ホームページやSNSを覗いてみると、食品やフラワーアレンジメントなど、女性心をくすぐるものが多い印象だが、題材選びにはどのようなこだわりがあるのだろう。
 
「ただ、作りたいものを作っているというのが正直なところです。今でこそ、女性心をくすぐるものといっていただけていますが、作り始めの頃は居酒屋のメニューや、おつまみなどのセットを作っていたので、男性かと思われていたんですよ(笑)。ただ私自身がくすぐられるようなものを選んでいます」

居酒屋の定番唐揚げもミニチュアに制作・写真提供/shibazukeparipari

そんなshibazukeparipariさんが発表した作品の中で、最も反響があったものを聞いてみた。

反響の大きかった作品“sakura”。花びら1枚1枚までリアルだ制作・写真提供/shibazukeparipari

「手のひらの上に乗るサイズの桜とスイーツの作品です。食品などは、国や地方によって違いがありますが、“sakura”は世界中の人からわかっていただける題材だったこともあって反応が多かった印象です」

「一つひとつが主役となるように、満足するまで作っている」


shibazukeparipariさんの作品は、どれも本物のような“リアルさ”が魅力だ。その精巧さにファンになる人も多く、ネットオークションでは10万円の高値で落札されることもある。その上、購入者からの満足度が非常に高いのが印象的だが、購入した方に喜んでもらえるための工夫は特にしていないと語る。

【写真】10万円という高値が付いた指先サイズの『ショーケース入りケーキ』ほか、作品たち制作・写真提供/shibazukeparipari

超ミニチュアなハンバーガーセット制作・写真提供/shibazukeparipari

「作品をお迎えして下さる方に喜んでいただくための工夫というよりは、すべてのパーツが主役になれるように大切に作ることを心がけています。ただ、自分のこだわりや満足度と購入して下さった方の満足度はイコールではないので、努力し続けたいですね」

また、制作物はできる限り本物を観察するようにしていると話す。

脂身や焦げ目までリアルな生姜焼き制作・写真提供/shibazukeparipari

「例えば“豚生姜焼き”のミニチュアを作る際には、まず作りたい脂身具合のお肉をスーパーで探して、表現したい焦げ目を作り、撮影、観察。その上で、ミニチュアを制作しています」

ベリーの艶やかさがリアルなパフェのミニチュア制作・写真提供/shibazukeparipari

また、写真撮影のポイントについては「伝えたい部分を撮るようにしています。鮮度とかシズル感とか、表現したかった部分を撮影したいと思ってはいますが、難しいです!」と教えてくれた。

一つひとつを主役にと、こだわりぬいているshibazukeparipari作品。その魅力が詰まっている「おせち」は、本人も一番のお気に入り作品。

shibazukeparipariさん本人がお気に入りの作品は”おせち”制作・写真提供/shibazukeparipari

「おせちは、日本で古くから伝わるお料理であって、一つひとつに意味を込めた特別なもの、丁寧に下ごしらえをして時間をかけて大切に作りますよね。それをミニチュアにするのは、品数が多い分とても大変でした」

大人になってもワクワクできるミニチュアは”おうち時間”にもおすすめ


お雛様は手のひらよりも小さい制作・写真提供/shibazukeparipari

現在は、作品ができあがったときや「○○の日」、ステキなハッシュタグを見つけたときに投稿しているshibazukeparipariさん。改めて、本人にミニチュアの魅力を聞いてみたところ、次のように教えてくれた。

制作・写真提供/shibazukeparipari

「ミニチュアは、思い描いたことを小さな形にする、<夢と憧れの世界>です。大人になっても、『こんなにワクワクできることがあるなんて』と何度思ったことか…。どんなものを作るか、考えたり調べたり失敗したり…そのすべてが楽しいんですよね。これからも、これまでと変わることなく、作りたいものをただ、ただ作っていきたいです」
 
さらに、shibazukeparipariさんは”おうち時間”が多くなっている今、ミニチュアはおすすめだと語る。

「川床料理」のドールハウスのように思い出を閉じ込められるのはミニチュアの魅力だ制作・写真提供/shibazukeparipari

「十数年、小学校のクラブ活動でミニチュアの講師をしていましたが、お祭りで食べたわたあめやりんご飴、好きな給食メニュー、大好きなパン屋さんやケーキ屋さん、虫取りのジオラマを作っている子などさまざまでした。ジオラマやドールハウスは、思い出や好きなものを閉じ込めることができるのも魅力です。不安な日々の中でも何かを作る時間というのは、心が落ち着きますよ」

かわいらしい色合いのホールケーキは女性心をくすぐる制作・写真提供/shibazukeparipari


(文・於ありさ)

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