アプリでジャンプ作品の“聖地巡り”?「少年ジャンプ+」編集部が語る今後の展望とは

東京ウォーカー(全国版)

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ジャンプマンガの“回し読み”ができるアプリ「マワシヨミジャンプ」にて、期間限定で、ジャンプ作品の“聖地巡り”ができるキャンペーンが実施中だ。アプリ内のマップ上で、全国20カ所以上の対象地域を訪れると、宮城県仙台市では『ハイキュー!!』(著:古舘春一)、渋谷駅では『呪術廻戦』(著:芥見下々)といった、その土地を舞台にして描かれたマンガのエピソードが無料で楽しめる。ユニークな本企画の舞台裏や、ジャンプの今後の電子展開について、アプリを運営する集英社「少年ジャンプ+」編集部の2人に聞いてきた。

今回のキャンペーンの概要と実際の配布イメージ


「日本全国 ジャンプ漫画の舞台へ『JUMP』キャンペーン」の誕生の経緯

「マワシヨミジャンプ」は、現実の地図と連動したマップ上で、近くに表示された電子版のコミックスを“拾って”読むことができるマンガアプリ。読み終えたらまた別の好きな場所に置くことで、まるで「友達とマンガを“回し読み”する」ような感覚を味わえるのが特徴だ。

6月30日(火)までの期間限定で実施中の「日本全国 ジャンプ漫画の舞台へ『JUMP』キャンペーン」は、新型コロナウイルス感染症拡大のため、旅行や外出の機会が減ったユーザーへの「在宅応援」という位置づけ。新しく追加された「JUMP!」機能を使うことで、現在地以外にも、アプリ内のマップ上で日本全国のあらゆる土地にランダムに移動してマンガを“拾える”ようになった。


今回、このユニークな試みがスタートした背景や、ジャンプの今後の電子展開について話を聞かせてくれたのは、「少年ジャンプ+」編集部 副編集長の籾山さんと「マワシヨミジャンプ」担当の岡本さん。まずは、企画がスタートして1週間(※取材日時点)がたった現在の反響について聞いてみた。

「予想より反響が大きくて、驚いています。TwitterなどSNS上でのユーザーの声ももちろんですが、(配布対象作品の)担当編集者や作家さんからもポジティブな反応をいただきました」(岡本さん)

【画像】47都道府県を舞台にしたジャンプ作品を一望できる「ジャンプ描かれシーン 大日本地図」「週刊少年ジャンプ」2020年16号「巻末解放区!WEEKLY週ちゃん」掲載


「この企画の元になったのは、『週刊少年ジャンプ』本誌の巻末コーナー『巻末解放区!WEEKLY週ちゃん』で特集されていた『ジャンプ描かれシーン 大日本地図』です。『マワシヨミジャンプ』でも位置情報、地図を使った企画をやりたいと思っていたので、すごく面白いなと感じました」(籾山さん)

「その後、(新型コロナウイルス感染症拡大という)このたびの事態になりまして、『気分だけでも、アプリ上でいろいろな地域へでかけられるといいよね』『行った先に何かあるといいよね』と開発会社のミライアプリさんからの提案もあり、企画が進んでいきました」(岡本さん)

注目の対象作品は、宮城県仙台市を舞台に描かれた『ハイキュー!!』

「ジャンプ描かれシーン 大日本地図」に掲載されていたのは、47都道府県それぞれを舞台にした作品とエピソード。その中から、架空の地名を用いたものや、地域を特定しきれないものを抜いて確認を進めていった結果、今回のラインナップになったという。

『ハイキュー!!』 は該当する第37話が収録された第5巻を仙台にて配布(C)古舘春一/集英社


「中でも、個人的に印象深いのは『ハイキュー!!』です。主人公の通う高校が宮城県にあるという設定。実際に宮城県大会が行われているカメイアリーナ仙台で、主人公たちも試合を行います。そこはまさに、選手たちの息づかいが聞こえてきそうな特別な場所。地図上とはいえ、“現地”でコミックスを読んで、作品の雰囲気をより深く味わっていただきたいと思います」(岡本さん)

2020年10月よりアニメ化を控えた『呪術廻戦』 は、該当する第83話を含む第10巻の一部エピソード(第80話~第84話)を渋谷にて配布(C)芥見下々/集英社


『ハイキュー!!』以外にも、「週刊少年ジャンプ」で連載中の作品からは『呪術廻戦』(著:芥見下々)や『チェンソーマン』(著:藤本タツキ)のエピソードも配布中。両者は岡本さんいわく「予想外」ともいえる人気で、開始直後は配布が追いつかず、調整を行ったほどだという。

マンガの世界を「よりリアルに楽しみたい」という需要が高まっている

マンガの“聖地巡り”をアプリ上で行えるという本企画。“聖地巡り”といえば、かつては一部のニッチなファンが行うものだったのが、近年ではSNSの影響もあってか、大きく広がりを見せ、マンガやアニメのメジャーな楽しみ方のひとつになってきたように思える。

アプリが1500万ダウンロードを突破し、飛躍を続ける「少年ジャンプ+」


「以前に比べて、マンガを読むだけではなく、もっとその世界を楽しみたいという意欲的な読者がかなり増えているのかなと感じます」

「キャラクターグッズの需要を見ていても、例えばそのキャラクターのイラストがプリントされたものではなく、キャラクターが作中で使っているものの人気が高くなってきています。『よりリアルにキャラクターを感じたい』という趣向が強くなっているのではないでしょうか」(岡本さん)

「1億総オタク化社会」とも言われる今、幅広いファン層が、マンガ作品やその映像化作品を楽しむだけでなく、リアルなマンガの世界そのものに没入したいと感じるようになってきたといえるだろう。

「少年ジャンプ+」が今後目指すのは「1000万人以上が追いかけるヒット作を生み出すこと」

最近では、『SPY×FAMILY』(著:遠藤達哉)が4巻までの累計発行部数で早くも300万部を突破、宝島社「このマンガがすごい!2020」オトコ編第1位に輝くなど、オリジナル作品のヒットも数多く生み出している「少年ジャンプ+」。今後の展望について、副編集長の籾山さんに聞いてみた。

「(コロナ禍で)たくさんの無料公開キャンペーンをする中で、ありがたいことに、『少年ジャンプ+』の連載を追うことを面白いと思ってくれている読者の方がすごく増えているなという実感はあります」

「今後については、個人的には、やはり新しい作品を生み出すことがすごく重要で、読者にも求められていると思っています。いま『少年ジャンプ+』では、人気の連載だと毎回100万人以上の人に追ってもらっていますが、(その数が)1000万人以上になるような連載が生まれるようにがんばっていきたいです。『週刊少年ジャンプ』からも『少年ジャンプ+』からもヒット作をたくさん出すというのが、いちばんの目標ですね」(籾山さん)

「少年ジャンプ+」では「週刊少年ジャンプ」電子版の定期購読も行える


マンガの楽しみ方の幅が広がっていく中でも、いちばん大切なのは読者の心をつかむ作品を生み出すことそのものだという考えは、変わらないものなのかもしれない。

最後に、これまでのお話をふまえて、岡本さんに「マワシヨミジャンプ」の魅力について語ってもらった。

「ちょっとした出先でアプリを開いて、なんとなく気になって拾ったマンガ。その作品がもしかしたら、一生忘れられない作品になるかもしれません」

「ほかのアプリと違って、自分の意思とは切り離した部分で、ランダムにいろんな作品に触れることができるというのが『マワシヨミジャンプ』の魅力だと思っています。この機会に、気まぐれでもなんでもいいので、一度アプリをインストールして使ってみてもらいたいですね」

取材・文=今井優佳

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