「こども本の森 中之島」の見どころ紹介!約1万8000冊が並ぶ新施設が開館

関西ウォーカー

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子供が本と出合い、本を楽しみ、本に学ぶ施設「こども本の森 中之島」が7月5日(日)、中之島公園内にオープンする。

【写真】生い茂る森の木々のように天井まで本が並ぶ「こども本の森 中之島」

大阪市出身の建築家・安藤忠雄氏が設計した館内は、3フロア分の壁がすべて本棚になっている、まさに"本の森”。

図書館と違って本を借りて帰ることはできないが、多種多様な本を、館内はもちろん公園内に持ち出して読むことができるのが特徴。その時の気分や本の内容によって、読む場所を見つけ出す楽しみがあるのも子供にとって魅力的だ。

【見どころ1】建築家・安藤忠雄氏が設計! 3層吹き抜けの空間がすべて本棚

大きな木の根っこのような大階段など、大小さまざまなスペースで読書が楽しめる写真=伊藤俊介(photo:Shunsuke Ito)

「安藤さんは、あらゆる角度から本に出会うことができるよう、360度本に包囲される空間をデザインしたそうです」とは、広報の竹形尚子さん。3層吹き抜けの空間が全面本棚の壁で囲われていて、その中を階段、ブリッジ通路が立体迷路のように巡らされている。

その光景は生命力たっぷりにのびのびと生い茂る森の木々のようで、どこにいても壁一面の本が子供たちに視線を投げかける。

手の届かない頭の上に飾られている本はどうやって読むのか、さらには地震の時は大丈夫なのかなどの不安に竹形さんは、「一番下の段には上の方に飾られている本を集めて置いています。そして、飾られている本たちは、ピアノ線でこっそり、でもきっちりと固定されているのでご安心ください」と答えてくれた。

子供の素直なまなざしと感受性に語りかける、多種多様な本が配架されている

【見どころ2】ブックディレクターが選んだ12のテーマに分かれる本棚

蔵書は大阪市民などからの寄贈を含む約1万7000冊で、「こども本の森 中之島」のクリエイティブ・ディレクションは、ブックディレクター・幅 允孝氏が担当。

竹形さんによると、「幅さんは『子どもたちのまっさらな心に語りかけるものが詰まった愉快な本箱』『絵本や物語の文化が代々引き継がれていく聖地』、 そんな場所へ成長させていきたいという想いで編集したそうです」。

どれも子供の素直な眼差しと感受性に語りかける、子供の日常生活や好奇心に寄り添うような本ばかり。ジャンルにも時間にもとらわれず独自に編まれた多種多様な本が、12のテーマに分けて並べられている。

この世に存在する"きれい”を集める「きれいなもの」

「未来はどうなる?」には、これからやってくる社会がどうなるのかを想像する本が集合

また、「こども本の森 中之島」にゆかりのある方の本を定期的に紹介する「あの人の本棚」という特別なスペースも。記念すべき一人目は、「こども本の森 中之島」の名誉館長、山中伸弥氏の本が並ぶので要チェック!

【見どころ3】施設全体が子供のための閲覧室。建物やその周辺にも注目を

大階段や階段裏の少し奥まったスペース、静かな円筒吹き抜けの空間、窓際のソファ、 建物内にはさまざまなスペースがあり、気になる本が見つかったら、階段でもどこでも好きな場所で読み始めてOK。

建物の東端はエントランス・ ポーチと連続する水際のテラスになっていて、天気が良ければそこで読書を楽しんでもかまわない。建物を中心とする中之島広場一帯が、子供が自由に読書を楽しめる"本の森”なのだ。

堂島川に沿って弓なりに延びている建物外観写真=安藤忠雄建築研究所

子供を迎えるのは、安藤氏が永遠の青春をテーマにデザインしたオブジェ「青リンゴ」写真=安藤忠雄建築研究所

【映像作品】動く紙芝居!? 物語の世界へと誘う映像作品

1階には、天井の丸い穴から光が差し込む、何もない円筒状のスペースも。ぼんやりと薄暗く、すっと心が落ち着くようなこの場所では、「Rhizomatiks Design(ライゾマティクス デザイン)」が手がけた「本のかけら」という映像作品が定期的に映し出される。

本の物語に出てくる言葉やシーンを、動く紙芝居のように映すことで、物語への興味や、物語に入り込んでいく楽しさを子どもたちに伝えてくれる。

「子供たちの本への興味の入口になるような映像作品となっています。壁に映し出されるのは、いくつかの本から切り取られた物語の断片で、縦に延びた壁を縦横無尽に動き回り、子供たちを物語の世界へといざないます」と、竹形さんが見どころを語ってくれた。

1階の円筒状のスペースで定期的に上映される「本のかけら」

【お土産】大阪らしいオリジナルグッズが満載!

「こども本の森 中之島」でしか購入できないオリジナルグッズも豊富。子どもたちが好きなもの、親子で楽しめるもの、本当の関係性を濃密にするもの、この場所に来た記念になるものなど、文房具から加工食品、生活雑貨までさまざまなアイテムが展開されるので、ぜひ立ち寄ろう。

「中崎町のてぬぐい専門店『にじゆら』さんのてぬぐい、大阪市の老舗『パイン株式会社』さんが特別に作ったパインアメならぬ青リンゴアメなど、大阪ならではのオリジナルグッズがたくさんそろいます。安藤さんの初の絵本『いたずらのすきなけんちくか』も販売していますよ」と竹形さん。

大阪の「サクラクレパス」が製造する色鉛筆がオリジナルパッケージに。クーピーペンシル12色入り(税込1000円)

1948年創業の地元企業・パイン株式会社が製造する青リンゴアメ(税込300円)

公園内に本を持ち出して読書する時に最適なピクニックラグ(税込2000円)

【予約方法】当面の来館はオンラインによる予約制

当面は平日・土日祝にかかわらず、来館は全てオンラインによる事前予約制(電話での予約は不可)。1回90分の4枠、1枠に50人の入場制限で運営される。申し込みは公式サイトから。

今回のオープンでは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止のため、手指消毒や館内換気、密集しないようなスタッフの声掛けなど、感染拡大防止策を徹底。子供のための施設なので、混雑が予想される土日、祝日は大人だけの予約申し込みは不可となる。

【施設DATA・アクセス】当面の来館はオンラインによる予約制

開館時間は9時30分から17時まで。休館日は月曜日(祝日の場合翌平日)、ほか年末年始、蔵書整理期間など。入場料は無料。

アクセスは、京阪なにわ橋駅からすぐ。専用駐車場がないので、公共交通機関を利用して訪れるようにしよう。

取材・文=日高ケータ

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