健康増進法の改正で、喫煙者、街、生活はどう変わる?たばこメーカー担当者に聞きました

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

2020年4月1日(水)より全面施行された改正健康増進法。禁煙・分煙の流れが進む中、これまで“マナー”だった受動喫煙を防止するための取り組みが明確な“ルール”となった。施行から三か月が経ったものの、コロナ禍の影響で外出が少なくなっていたこともあり、「一体何が変わったの?」と戸惑う人も多い。そこで、改正の内容や生活に与える変化、施設やたばこメーカーの動きなどを、施設やたばこメーカーの動きなどを、フィリップ モリス ジャパン合同会社の長谷川さんと高橋さんにリモートでインタビュー。気になるポイントを聞いた。

屋内は原則禁煙に。ポイントは「飲食」

飲食店も屋内は原則禁煙。例外は?(イメージ)


――2020年4月1日に改正された健康増進法ですが、そもそもどういった内容なのでしょうか?
高橋さん 「今回の施行では、これまでマナーだった望まない受動喫煙を防止するための取り組みが法律によりルール化されました。大きな変化としては、飲食店を含む屋内が原則禁煙になりました」

――「屋内原則禁煙」とは具体的にはどうなるのでしょうか?
高橋さん 「屋内の飲食店で喫煙するには、一定の技術基準を満たした喫煙室の設置が必要になります。また、そうした喫煙室には20歳未満の方は従業員も含めて立ち入ることができません。さらに、施設側も利用者に分かりやすいように標識の掲示が義務となりました」

――これまでのように食事とともにたばこを楽しむことはできないのですか。
高橋さん 「『屋内禁煙』と聞くと、屋内に入るとすべてが禁煙という印象を受ける人もいらっしゃると思いますが、今回の改正は屋内で飲食を伴う喫煙にも焦点が置かれています。条件によっては屋内でも喫煙できますし、また紙巻たばこに比べて加熱式たばこは飲食とともに楽しめるというのも大きなポイントです」

一見すると複雑だが……飲食店でたばこが吸える条件とは?

――飲食とともにたばこが楽しめる条件を教えてください。
高橋さん 「たとえば、改正法では経過措置として、施設の一部に『加熱式たばこ専用喫煙室』を設けることができます。この中では加熱式たばこに限り、飲食を伴いながら喫煙が可能です。

また、2020年4月1日時点で営業している既存の飲食店で、資本金5000万円以下、客席面積100㎡以下という条件に当てはまる店舗であれば、紙巻たばこ・加熱式たばこを問わず、店舗内をこれまで通り食事とともに喫煙できる『喫煙可能室』とすることもできます。

もう一つは、シガーバーなどそもそも喫煙を目的とした施設です。客も従業員も全員20歳以上で、たばこの販売免許を持っているという条件を満たせば『喫煙目的室』が設置でき、主食以外の飲食とともにたばこを吸えるような営業をしてもかまわないことになっています。

シガーバーなど喫煙を目的にした施設では屋内での喫煙が可能(イメージ)


それ以外の施設では、新幹線のデッキに設置されているような、飲食はできない『喫煙専用室』の中でのみ喫煙が可能です」

長谷川さん 「ただし、これらはあくまで国が定めた改正健康増進法でのルールです。各都道府県の条例によっては、さらに厳しい基準が定められていることもあります。
改正の詳細については、厚生労働省の『なくそう!望まない受動喫煙。』特設サイトで確認できます。都道府県での違いについては、各都道府県のWEBサイトをご確認ください」

加熱式たばこなら吸えるスポットが多い・探しやすいメリットが

カラオケなどでは1フロア全体を「加熱式たばこ専用喫煙室」とする例も(イメージ)


――「実はこんなところで吸える」という、見落としがちなスポットはありますか。
長谷川さん 「カラオケに代表されるような、複数フロアにまたがった店舗では、フロアをまるごと加熱式たばこ専用喫煙室とみなすことができます。こうしたフロアであれば、いちいち喫煙可能なエリアに行くことなく、加熱式たばことともに飲食や歌を楽しむことができます。これも加熱式たばこならではの特徴の1つと言えます」

――飲食店以外にも、加熱式たばこなら吸えるスポットはありますか。
高橋さん 「空港やスタジアム、世界遺産などランドマーク的なスポットで加熱式たばこ専用の喫煙環境の整備を進めています。また、加熱式たばこなら使えるスモークフリーなイベントにも取り組んでいます」

――喫煙可能なスポットの見分け方、探し方はありますか。
高橋さん 「改正法では、喫煙可能な設備を持った施設には『どういう形であれば喫煙できるのか』を示す標識が必ず入り口に掲示することが義務付けられています。それぞれのお店の前で標識を確認していただくことが一つの探し方の基準になると思われます」

長谷川さん 「フィリップ モリス ジャパンの喫煙対策ウェブサイト(https://www.pmweb.jp/supporters/)では、加熱式たばこがどこで楽しめるか検索できます。また、各店舗が加熱式たばこ専用室が設置されているかどうかも分かります」

「煙のない社会」と「喫煙シーンの維持」に向けて


――たばこメーカーとして、今回の改正をどう受け止めていますか。
長谷川さん 「私たちは『煙のない社会を目指して』というビジョンを掲げてさまざまな取り組みを行っていますので、望まない受動喫煙をなくすという目的については方向性が合っていると受け止めております。紙巻たばこも加熱式たばこも、マナーとルールの上で楽しんでいただくのが適切かなと思います。その上で、紙巻たばこから加熱式たばこへの切替えの後押しも進めていきます」

――喫煙のルールの変化で、生活はどう変わっていくのでしょうか?
高橋さん 「施設側では、もともとあった喫煙エリアを整備して加熱式たばこ専用室に切替えるといった動きは増えてきています。また、スナックや一般的なバーといったたばこを楽しめるイメージのあった店舗では、喫煙をサービスの目的とする喫煙目的施設に業態を移行して対応する店舗もあります。
さまざまな環境の変化で営業体制が変わったり集客が減る中で、安心して食事をしながら一服できるような環境を作りたいという店舗側の問い合わせも増えてきています」


――喫煙者側の変化として感じていることはありますか。
長谷川さん 「喫煙者の側では、これまでのイメージで『吸えるだろう』という感覚と実際の条件とのズレにこれから気付いていくと思います。

たとえば東京都の条例では、店舗が従業員を一人でも雇っていたら、客席面積などに関わらず原則屋内禁煙となります。そのため、昔ながらの純喫茶や、焼肉屋、鉄板焼き屋といった紙巻たばこを含めて楽しめる場所の代表格だった店舗のほとんどで『喫煙可能室』の設置ができません。そうした変化は特徴的だと思います」

高橋さん 「我々としては『コーヒーを飲みながら一服したい』といったこれまでの喫煙のシーンを大事にしていきたいと思っています。
我々も思い切った告知ができなかったということもあり、新しい喫煙環境がまだ皆さんに浸透していないと感じていますが、加熱式たばこなら今まで通りの喫煙体験ができる場面が多いということは伝えていきたい。14日間無料のレンタルプログラムや定額プランでのご提供など、お客様に加熱式たばこを試していただけるきっかけ作りを進めています」

――フィリップ モリス ジャパンは新たな喫煙ルールの中、今後どういった取り組みをされていくのでしょうか?
長谷川さん 「我々が製品を出して活動しているのはすべて『煙のない社会』というビジョンのためです。ですから、先に述べたランドマークに代表されるように、パートナーの方と一緒に、屋内・屋外を問わず環境整備を進めていくことと、多くのカフェチェーンやカラオケチェーンなどと共同しながら法改正への対応に取り組んでいくこと。この両輪で煙のない社会の実現を目指していきたいと思っています」

●フィリップ モリス ジャパンの喫煙対策ウェブサイト: https://www.pmweb.jp/supporters/

この記事の画像一覧(全3枚)

キーワード

カテゴリ:
地域名:

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!全国の花火大会ランキング

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る