【コロナ対策情報付き】角館武家屋敷の楽しみ方完全ガイド!角館武家屋敷の楽しみ方完全ガイド!江戸時代の面影の残す町並みは歴史好き必見
東京ウォーカー(全国版)
角館武家屋敷の見どころから楽しみ方、グルメまで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示や施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

角館武家屋敷ってどんなところ?江戸時代の町並みと四季の変化を楽しめる観光スポット
秋田県仙北市の角館(かくのだて)は、江戸時代から続く町並みの面影を残し、「みちのくの小京都」とも呼ばれる秋田県有数の観光地。武家町として国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されているように、武家屋敷通り沿いには多くの武家屋敷が現存している。

建物だけでなく、武家屋敷が建ち並ぶ北側の内町と、町人や商人が住んだ南側の外町に分けられた江戸時代の“町割り”が残されているのも特徴だ。また、天然記念物のしだれ桜に代表されるように春には桜の名所として多くの人が訪れ、秋には武家屋敷の庭の木々の紅葉が、冬には武家屋敷と雪景色といった季節ごとに移り変わる美しい景観も人気のひとつとなっている。
【見どころ1】「たそがれ清兵衛」のロケ地にもなった江戸時代の武士屋敷を探訪

角館の町並みを作り出す武家屋敷は、外観からその出で立ちを楽しめるのはもちろん、内部見学が可能なお屋敷もある。観光のスタート地点となるのは、南北に走る武家屋敷通り。
通り沿いには南から順に小田野家、河原田家、岩橋家、青柳家、石黒家などの武家屋敷があり、武家屋敷通りから一本西側の裏通りには松本家の敷地が広がる。岩橋家と松本家は映画「たそがれ清兵衛」のロケ地としても人気を博している。
武家屋敷で内部を見学できるのは、有料施設の「石黒家(いしぐろけ)」と「角館歴史村 青柳家(あおやぎけ)」。無料施設の「岩橋家」「河原田家」「小田野家」「松本家」は、外から屋敷内部を見ることができる。

石黒家は、現在も直系の子孫が暮らす角館で唯一の武家屋敷。大人400円、小人200円(各税込)で入館でき、スタッフから武家屋敷内部の解説を聞ける。主屋の建物だけでなく、蔵などに石黒家代々の武具や甲冑、古文書なども展示している。開館時間は9時から17時(冬季など季節により閉館を早める場合あり)。平均的な滞在時間は20分ほど。
また、角館歴史村 青柳家は、約3000坪の敷地内に母屋の他に6つの資料館があり、屋敷全体がミュージアムのように鑑賞できるのが魅力だ。館内では刀の展示や兜、籠、郷土文化の体験、母屋のガイドツアーなどが楽しめる。
入館料は大人500円、高校生・中学生300円、子供200円(各税込。いずれも個人料金)。開館時間は9時から17時まで(11月~3月は16時30分まで)。平均的な滞在時間は40~50分ほど。有料施設の石黒家と青柳家は年中無休なので、武家屋敷巡りを計画するならぜひ中心に考えたい。
【見どころ2】武士の地位によって異なる屋敷の違いを見つけよう
無料施設となっている岩橋家・小田野家・河原田家は中級武士、松本家は下級武士の屋敷と、当時の上級武士の屋敷である石黒家と青柳家とは趣が異なってくるのがポイント。ここでは無料施設4つの屋敷の特徴を紹介しよう。
秋田県指定史跡にもなっている岩橋家(いわはしけ)は、芦名氏の重臣で、芦名氏の後は佐竹北家に仕えた家柄。江戸時代末期に茅葺き屋根から木羽葺き(こばぶき)に改築された屋敷と、樹齢300年以上の「天然記念物カシワの木」が特徴だ。(※4月1日~4月中旬休館)

仙北市指定史跡の小田野家(おだのけ)は、佐竹北家の家臣となった家柄で、武術によって仕えていたため、かつては門を入った右側に道場があったという。伝統的な庭園が特徴の中級武士の屋敷。(※12月〜4月中旬休館)

同じく仙北市指定史跡の河原田家(かわらだけ)は、江戸時代の武家屋敷建築様式をそのまま受け継いでおり、表座敷にはこの地方の書院造りの様式が残されている。休館日は12月~4月中旬。(※2020年9月現在、文化財修理のため公開休止中)
秋田県指定有形文化財の松本家(まつもとけ)は、柴垣で囲まれた小さな屋敷で、茅葺き屋根が残されているのが特徴。春から秋にかけてイタヤ細工の実演が行われる場所ともなっている。(※11月初旬~4月中旬休館)

また石黒家の分家で、はす向かいに建つ旧石黒恵家も見学無料のスポット。1935年(昭和10年)建造のモダンな和洋折衷の造りが特徴的な建物で、江戸から昭和にかけて住宅の形の移り変わりをうかがい知ることができる。(現在外観のみ見学可)
【見どころ3】武家屋敷通りの桜、紅葉、雪、黒板塀を彩る四季の変化に注目

江戸の面影を残す武家屋敷通り周辺は、桜の名所としても知られている。町内の162本が国の天然記念物に指定されているシダレザクラをはじめ、武家屋敷通りに立ち並ぶ黒板塀と桜のコントラストが楽しめることから、毎年多くの花見客が訪れる。武家屋敷通りにほど近い場所を流れる桧桧木内川堤の桜並木と共に、「さくら名所100選」に選定された全国でも有数の桜スポットだ。
また、例年10月中旬から11月中旬にかけて、カエデ、イチョウが赤や黄色に色づく紅葉も見どころ。特に、田町武家屋敷通りで見られる紅葉と屋敷門のコラボレーションは見逃せない。さらに、冬季は豪雪地帯ならではの雪景色が楽しめる。

こうした四季の光景をさらに彩るのが、各シーズンのライトアップだ。毎年4月20日から5月5日にかけて行われる「角館の桜まつり」シーズンは、武家屋敷通り、東勝楽丁・表町、桧木内川堤で夜桜を望めるようライトアップされる。
また、10月から11月末には、石黒家や青柳家など各武家屋敷で紅葉ライトアップも実施されている。さらに複数の武家屋敷が休館する冬季も開館している岩橋家では、1月中旬から2月下旬にかけて雪の武家屋敷ライトアップが楽しめる。ライトアップ実施の詳細な期間については観光協会などの情報を確認しよう。

【見どころ4】もうひとつの武家屋敷通り「田町武家屋敷通り」もチェック

角館で武家屋敷通りといえば、一般的には内町を指すが、実は南側の外町エリアにも「田町武家屋敷通り」が存在する。現存する武家屋敷こそないものの、武家屋敷通りの特徴である樅(もみ)の木や黒板塀、門が残されているほか、5つの蔵を有する「西宮家」をはじめ、内町とは雰囲気が少し異なる建物が残っているのが特徴だ。角館駅から内町の武家屋敷通りまで徒歩で散策する際は、その道中で気軽に寄り道できる距離なのでぜひこちらも散策してみよう。
【おすすめの回り方】武家屋敷のあとは町人町の散策もおすすめ
田沢湖・角館観光協会の門脇さんによると、角館の観光の所要時間はおおよそ3~4時間ほど。武家屋敷通り(内町)と町人町(商家の屋敷・外町)が観光のメインとなり、武家屋敷通りのみの散策でおおよそ2時間が目安になるという。
「角館駅を起点に、内町・武家屋敷通りを散策してから外町・田町武家屋敷通りをぐるっと一廻りして角館駅に戻ると、距離にして約5キロ程です。町内には観光拠点がたくさんありますので、それほど長い距離を歩いた感じがなく一廻りできると思います。人力車、レンタサイクル、タクシーもありますので、歩くのが大変な方はそちらをご利用ください」と門脇さんおすすめの回り方を教えてくれた。

また、滞在時間に余裕があるなら、武家屋敷(内町)に隣接する町人町(外町)の散策もおすすめとのこと。「味噌醤油の醸造元で煉瓦造蔵座敷を備える『安藤家』や、内蔵の中が外町史料館になっている『たてつ家』、元武家の家で5棟の蔵を有する『西宮家』で、蔵やお座敷の無料公開をしています」と、門脇さん。
そのほか、武家屋敷周辺にはフランスの装飾芸術家ルネ・ラリックのガラスとアール・デコのコレクションを展示する「大村美術館」や、角館町出身の日本画家の平福穂庵・百穂父子をはじめ郷土ゆかりの画家の作品を展示する「角館町平福記念美術館」、「角館樺細工伝承館」といった資料館も立ち並び、周辺観光を含めても移動がコンパクトに済むのもポイントだ。
また、角館駅を出て右手にある白壁の蔵造りの建物には仙北市観光情報センター「角館駅前蔵」がある。角館の観光情報を相談できるほか、手荷物預かりや冬季限定での長靴無料貸し出しといった便利なサービスも提供しているので、訪ねてみるのもおすすめ。
【グルメ】角館の新名物「御狩場焼」は必食!
武家屋敷エリアには、ランチで立ち寄りたい飲食店が多数立ち並ぶ。散策の合間にご当地グルメを堪能しよう。なかでも比内地鶏を使った親子丼や、秋田の伝統的な漬物「がっこ」はさまざまな店で楽しめる定番メニューとなっている。
門脇さんによると「御狩場焼(おかりばやき)」もおすすめとのこと。肉・季節の野菜などを山椒味噌で調理した野趣味あふれる料理で、「狩りの場所で焼いて食べる」料理であることからその名がついたという。
佐竹氏の分家で、角館を統治した佐竹北家の伝承から、現代に復活した角館の新名物だ。仙北市内の各店舗でさまざまな御狩場焼を提供しているので、観光協会でお店の案内を聞くのがおすすめだ。
【お土産】伝統ある樺細工は角館土産にぴったり
銘菓や地酒、民芸品など、さまざまな土産店がある武家屋敷エリア。散策して気になったお店に立ち寄るのも楽しみのひとつだ。お土産をゆっくり選ぶ時間がないという人は、樺細工、工芸品、食品と幅広く品揃える「角館樺細工伝承館」内の「角館町物産協会」や、外町資料館「たてつ」に隣接した「角館桜皮細工センター」、JR角館駅舎内の「かくのだて物産館」などに足を運ぼう。
数あるお土産品のなかでも角館を代表する工芸品が、山桜の樹皮を加工した樺細工。天明年間(1781~89年)に同地に伝えられ、下級武士の手内職として定着し、以来200年以上に渡り受け継がれている角館を代表する伝統工芸だ。
樺細工は、茶筒や茶櫃といった茶道具や、ブローチやタイピンといったアクセサリーまでバリエーションも豊か。武家屋敷通り沿いの仙北市立「角館樺細工伝承館」や周辺の店舗では、樺細工の実演も行っているので、伝統の魅力を感じながらお土産選びを楽しんで。
【アクセス・混雑情報】
角館武家屋敷通りの最寄り駅はJR角館駅。秋田新幹線が乗り入れているので、東京駅からは乗り換えなしで到着できる。駅からは徒歩約15分。駅からの路線バスは本数が少ないため、歩かずに向かいたい人は駅からタクシーを利用しよう。

また、自動車でのアクセスは秋田自動車道大曲ICから約40分、東北自動車道盛岡ICから約70分。武家屋敷通りに一番近い駐車場は桧木内川沿いの市営桜並木駐車場(市営駐車場)だ。利用可能時間は7時30分から17時まで、駐車料金は1回ごとに500円。
なお、12月1日から3月31日の冬期間にかけては駐車場の一部は、除雪が行われないため注意しよう。また、門脇さんによると桜シーズンは武家屋敷周辺は朝から混雑し始めるとのこと。自動車で来訪する人は特に気をつけよう。
【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・飛沫感染防止対策(マスク着用、咳エチケットの徹底、大きな声での会話を控えるなど)にご協力ください。
・こまめな手洗い、消毒をお願いします。
・お客様同士の間隔を一定に保ってください。
・入場口にて検温させていただく場合があります。
・ご来館予定の方で、体調に不安のある方や感染者との濃厚接触の疑いがある場合は利用をお控えください。
・館内各施設の消毒除菌強化に務めています。
・スタッフはマスクを着用しています。
・仙北市コロナウイルス対策本部「新型コロナウイルスに関する対応について」を参照ください。
<施設情報>
住所:秋田県仙北市角館町表町上丁~東勝楽丁
アクセス:【電車】JR角館駅から徒歩約15分 【車】秋田自動車道大曲ICから約40分、東北自動車道盛岡ICから約70分
駐車場:駐車場:周辺に150台 (桜並木駐車場500円/1日)※場所、シーズンによって異なる
料金:入場無料 ※武家屋敷内の見学は別途料金必要な場合あり。屋敷ごとに料金異なる。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※2020年9月時点の情報です。
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