吉村大阪府知事、過去最大規模の補正予算で感染拡大予防と経済の両立を目指す
関西ウォーカー
9月9日、大阪府庁で吉村洋文知事の定例記者会見が行われ、令和2年度第10号補正予算について発表が行われた。コロナ禍を乗り切るための感染拡大の抑制と社会経済活動の両立に向けた補正予算について、知事から説明があった。
新型コロナウイルス感染症対策関係に2812億円の大規模予算

今回の補正予算の総額は2823億円。新型コロナウイルス感染症対策関係には2812億円という大規模な予算が割かれる。
うち82億円は感染症対策。各市町村に補助金を出し、65歳以上の高齢者やそのほか条件を満たす60~64歳の人を対象に、インフルエンザワクチン接種にかかる自己負担を無料にする。予算規模は約20億円。
これは新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの両方のピークに備えるため、重症化リスクの高い高齢者にワクチンを接種、高齢者の命を守るとともに、医療機関のひっ迫と医療崩壊を防ぐ目的がある。実施時期は10月上旬から。
民間事業者とコンソーシアムを設立し、雇用促進を支援
また、コロナ禍によりリーマンショック以上の雇用不安が生じ、失業者が増加傾向にあることから、長期にわたる失業期間を生み出さないよう、早期の就職支援の取り組みも行われる。
特に注目はイーアイデムやエン就職、パソナなど民間人材サービスと大阪府によって設立されるコンソーシアム。雇用促進を図るため、実業者を採用した事業者に支援金が支給される。

支給対象は今年4月以降に失業した人を採用した事業者で、正社員雇用なら1人当たり25万円、非正規であればその半額の12.5万円が支給される。ただし、3か月職場に定着することが条件。10月上旬に共同宣言が行われ、特設サイトがオープン予定。そのほか、休業者や離職を余儀なくされた人への早期再就職支援も実施される。
中小企業への資金繰り支援に約2429億円の大規模予算
予算の中で最大の規模を予定しているのが中小企業への資金繰り支援。約2429億円を確保してコロナ関係融資枠を拡大し、経営環境の悪化等による中小規模事業者の資金繰りを継続的に支援する。
融資枠は現状の1.53兆円から3.28兆円に拡大される。融資額は4000万円、期間は10年(据え置き5年)、金利等は最大で無利子、保証料はゼロということで利用も増えている。
大阪4大オーケストラ名曲コンサートも開催予定
そのほか、10月から11月にかけて、大阪4大オーケストラ名曲コンサートが開催されることについても発表があった。
失業者を一人でも減らすために、前例にとらわれずに
吉村知事は今回の補正予算について「一番は失業者を一人でも減らすことに重きを置いた。失業者は全国的な問題で、経済はすごく傷んでいる。雇用調整助成金も12月で切れる。一人でも失業者を減らすために全国を挙げて取り組む必要がある。今回はそういう予算を組んだ。コンソーシアムについては民間の持っているノウハウを出してもらう。このような補正予算が1兆円を超えることはなかなかない。未知のウイルスとの戦いの中で前例にとらわれずやっていきたい」と決意を新たに語った。

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