【コロナ対策情報付き】島根県立古代出雲歴史博物館の楽しみ方を徹底紹介!出雲大社や出雲神話の知られざる魅力に迫る

東京ウォーカー(全国版)

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島根県立古代出雲歴史博物館の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

島根県立古代出雲歴史博物館ってどんなところ?島根の歴史や文化をさまざまな角度から紹介

設計は世界的に有名な建築家・槇文彦氏が担当

2007年に、出雲大社(いづもたいしゃ)の東隣りに誕生した島根県立古代出雲歴史博物館。島根の古代文化に3つのテーマから迫る「テーマ別展示室」、古代から現代までの島根の人々の生活を紹介する「総合展示室」、出雲神話を迫力のある映像で上映する神話展示室「出雲神話回廊(神話シアター)」などで、島根の歴史や文化、伝統を楽しみながら学ぶことができる。なかでも、出雲市の「荒神谷遺跡(こうじんだにいせき)」から出土した銅剣や銅矛、銅鐸と、雲南市の「加茂岩倉遺跡(かもいわくらいせき)」から出土した銅鐸などの国宝は一見の価値あり。博物館関係者が「隣接する出雲大社と合わせて訪れる観光客が多いですよ」と話すとおり、出雲探訪に欠かせないスポットだ。
※「出雲神話回廊(神話シアター)」は、密接・密集を避けるため当面の間27名限定。

【見どころ1】巨大展示物でかつての出雲大社の歴史に触れよう

中央ロビーでさっそく目を奪われるのが、直径3メートルにも及ぶ「宇豆柱(うづばしら)」。鎌倉時代に、出雲大社の本殿を支えていた9本の柱のうちの1つで、杉の丸木を3本束ねて1つの柱にするという大規模な建築工法が用いられている。この「宇豆柱」は、2000年に出雲大社境内から出土。境内地下を流れる豊富な地下水のおかげで、奇跡的に当時の状態で発見された。

【写真】2000年に出雲大社境内から出土した宇豆柱出雲大社蔵


テーマ別展示室に足を踏み入れると、目の前に大きな模型が出現。高さ48メートル、階段の長さ109メートルもあったといわれる平安時代の出雲大社の本殿が、10分の1スケールでリアルに再現されている。階段部分には人の模型が置かれており、当時の本殿がいかに大きかったかがわかるはずだ。さらにその奥には、1953年まで本殿の屋根に設けられていた部材「千木(ちぎ)」「勝男木(かつおぎ)」が展示されている。特に長さ8メートル30センチ、重さは約500キログラムの「千木」は見応えたっぷりだ。

平安時代の出雲大社の本殿を10分の1の模型で再現出雲大社蔵

出雲大社の本殿に使用されていた「千木」と「勝男木」出雲大社蔵


【見どころ2】いにしえから受け継がれる「出雲信仰」の歴史を紐解く

旧暦の10月は、縁結びの議り事(会議)のために、全国から八百万(やおよろず)の神々が出雲に集まるといわれている。出雲地方ではこの時期を神在月(かみありづき)と呼び、伝統行事「神在祭(かみありさい)」の期間中は、議り事の妨げにならないように静かに過ごす風習がある。

テーマ別展示室では、出雲の神々と風土に対する人々の思想・信仰について紹介されている。江戸時代の歌川国久の作品「出雲国大社之図(いずものくにおおやしろのず)」で描かれているのは、出雲に集まった神々たちが縁結びの会議をしている様子。よく見ると、作業を分担しているのがわかる。また、明治時代の浮世絵師・月岡芳年の作品「大社ゑんむすび」では、男女の名前が書かれたこよりの結び間違いを巡っての騒動が、ユーモラスに描かれている。このように、「出雲信仰」の歴史について貴重な展示物を通して学ぶことができる。

「出雲国大社之図」。縁結びの会議で神様たちも大忙し!島根県立古代出雲歴史博物館所蔵


【見どころ3】国宝に指定された出土品が目の前にずらり!

全国屈指の青銅器の出土量を誇る島根県。テーマ別展示室には、県内の遺跡から出土した弥生・古墳時代の遺物が一堂に公開されている。「荒神谷遺跡(こうじんだにいせき)」は、1カ所における銅剣の出土数が全国最多。ここから出土した銅剣358本、銅矛16本、銅鐸6個はすべて国宝だ。同じく「加茂岩倉遺跡(かもいわくらいせき)」から出土した銅鐸39個も、国宝に指定されている。「当館に展示されている国宝の数は、全部で419点。1つの施設でこれだけの数の国宝を見られるのは、とても貴重な体験ですよ」と博物館関係者。出土品の数々から、古代の島根の人々が青銅器や大刀に託した思い、そして大和と出雲の政治的な関係をじっくりと読み解こう。

1984〜1985年の発掘調査で出土した「荒神谷遺跡」の銅剣、銅矛文化庁蔵

1996〜1997年の発掘調査で出土した「加茂岩倉遺跡」の銅鐸文化庁蔵


【混雑情報・回り方】公式サイトで予習しておくと楽しさ2倍!外の敷地もお見逃しなく

館内がもっとも賑わうのは、休日の昼過ぎから。午前中に訪れると、混雑を避けてゆっくりと過ごせる。滞在時間の目安は、楽しみ方にも異なるがおおよそ2時間。総合受付カウンターでチケットを購入したら、まずは中央ロビーの「宇豆柱」を鑑賞し、そのあとはテーマ別展示室、総合展示室、神話展示室「出雲神話回廊(神話シアター)」を巡ろう。訪れる前にチェックしておきたいのが、施設の公式サイト。島根の歴史文化をわかりやすく解説した「いにしえの島根ガイドブック」のPDF、自分だけの展示品見学コースを作成できるコンテンツ(要会員登録)を利用できるほか、展示の見どころを知るクイズラリーも楽しめる。

また館内だけでなく、外の敷地も見どころが充実している。エントランスホールまで続く道の両端に植えられたカツラの木は、縁結びをイメージさせるハート形の葉っぱで人気。ほかにも「出雲国風土記」の一説が書かれた「風土記の庭」、ユニークな埴輪が展示された「はにわの森」などがあり、魅力を発見しながら散策することができる。全体の景色を一望するには、3階の展望テラスがおすすめ。美しい自然を眺めながら、古代歴史ロマンに思いを馳せよう。

展望テラスから、古代の歴史が息づく自然を一望!


【イベント】不定期で行われる企画展も要チェック!

館内では年に3、4回、企画展が行われている。古代文化や信仰に関するものや東アジアとの交流・異文化理解に繋がるもの、日本文化の源流に迫るものなど、テーマはさまざまだ。日程や内容は決まり次第、博物館の公式サイトで発表される。また、博物館関係者が「館内のmaru cafe(マルカフェ)では、企画展と連動した期間限定メニューが登場することもありますよ。過去には、前方後円墳の形をした『古墳ゼリー』などが人気でした」と話すように、ユニークな逸品と出会えることも。

【グルメ】豊かな自然を眺めながらのんびり腹ごしらえ!

明るい自然光に包まれた「maru cafe」は、休憩にぴったり

展示物を鑑賞したあとは、2階の「maru cafe」でリラックス。店内はガラス張りになっていて、視線の向こうには緑豊かな庭園や北山山系のパノラマが広がる。古代米や地元の食材を使ったメニューが中心で、しまね和牛を使ったカレー(ランチタイム限定)や出雲名物のぜんざいなど、食事系から甘味まで充実。博物館関係者が「島根県はお茶処なので、抹茶を使ったスイーツもありますよ」と教えてくれたように、抹茶パフェや抹茶ゼリーラテも味わえる。

【お土産】出雲神話にちなんだレアなオリジナルグッズをゲットしよう

オリジナルグッズのほか周辺地域の特産品や伝統工芸品も揃うミュージアムショップ

1階のエントランスと中央ロビーには、それぞれミュージアムショップを併設。図録や歴史関連の書籍、マスコットキャラクターをあしらったグッズなどを販売している。「国宝に認定されている青銅器の形をしたキーホルダーや、『出雲国大社八百万神達縁結給図』がプリントされたクリアファイルは、ご来館の記念に購入する方が多いですよ」と博物館関係者。ここでしか手に入らないオリジナル商品は、お土産にも喜ばれそうだ。

【アクセス】最寄りのICからわずか20分!繁忙期は電車がおすすめ

車の場合、山陰自動車道出雲ICから約20分。駐車場は一般車両244台を停められるが、年末年始や連休中は周辺の渋滞が予想されるので、公共機関を利用しよう。
電車の場合、一畑電車「出雲大社前駅」より徒歩約7分。JR「出雲市駅」からは、一畑バス(出雲大社・日御碕行き)で約25分。松江と出雲を観光したい場合は、両エリアをつなぐ一畑電車が便利だ。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・発熱、咳、咽頭痛などの症状のある方、または、過去2週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国・地域への訪問歴及び当該在住者との濃厚接触のある方はご来館をお控えください。
・新型コロナウイルス感染症陽性とされた人との濃厚接触がある方はご来館をお控えください。
・ご来館時に体温の確認をさせていただきますので検温へのご協力をお願いします。37.5度以上の発熱がある場合は入館をお断りする場合がございますので予めご了承ください。
・激しく咳き込まれるなど体調の優れない方をお見かけした場合は、スタッフがお声をかけさせていただき退出をお願いする場合がございますので予めご了承ください。また、館内で気分が悪くなった場合はスタッフにお声がけください。
・新型コロナウイルス感染症対策のため、保健所等の行政機関による聞き取り調査等にご協力いただく場合がありますので、ご連絡先等のご記入にご協力いただきますようお願いします。
・館内ではマスク着用をお願いします。また、各所に消毒液を設置しておりますので、こまめな手指の洗浄・消毒をお願いします。
・館内および展示室内の密接・密集を避けるため、入場制限を行う場合がありますので予めご了承ください。
・展示室では、他のお客様と間隔をあけてご観覧いただきますようお願いします。また、大きな声での会話はお控えください。
・館内には休息用イス、映像観賞用イスが設置してありますが、他のお客様と間隔をあけてご利用いただきますようお願いします。
・展示室の壁やガラスケースには触れないようお願いします。また、映像モニターのタッチパネル等接触が多い箇所はこまめな消毒作業を行いますが、消毒が困難な展示物については使用を停止する場合がございます。

取材・文=岩佐企画

<施設情報>
住所:島根県出雲市大社町杵築東99-4
アクセス:【電車】一畑電車出雲大社前駅から徒歩10分。JR出雲市駅からバスに乗り約25分正門前下車 【車】山陰自動車道出雲ICから約20分
営業時間:9:00〜18:00(最終入館17:30)、11月〜2月は9:00〜17:00(最終入館16:30)
定休日:第3火曜(変更の場合あり)
駐車場:265台(一般244台、観光バス15台、身障者6台)※無料
料金:常設展観覧料 一般620円、大学生410円、小中高生200円※企画展観覧料は展示ごとに異なる
団体割引料金(20名以上) 一般490円、大学生320円、小中高生160円(各税込)

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年9月時点の情報です。

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