【編集部が体験】日本茶の新たな扉が開く!「bys tea」で未体験ゾーンに突入

関西ウォーカー

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私たちの日常の、とても近くにある日本茶。食後にはほうじ茶や煎茶を飲んだりするし、毎日のようにペットボトルのお茶も飲んでいる。だけど、本当は日本茶のことなんて何も知らなかったのかもしれない。「bys tea」(以下バイスティー)に行って、そんな思いに満たされている。

バイスティーは、南船場にあるお茶屋さん。10月2日(金)のグランドオープンを前に、現在プレオープン中と聞きつけ、さっそく訪れてみた。

利休の茶室にヒントを得た、日本一暗いお茶屋さん


黒くスモークのかかったガラス戸から、中の様子はうかがい知れない。ちょっと近寄りがたくもあるが、意を決してドアを開けてみた。

中はガラス戸に負けない薄暗さ。「日本一暗いお茶屋さん」と銘打っているがまさにその通り。千利休の茶室をヒントにした店内は黒で統一され、水墨画の世界に迷い込んだようだ。「陰翳礼讃」などという言葉を思い出す。

バイスティーの店内。中央に置かれたガラスのカウンターの存在感が大きい


その中でひときわ存在感を示しているのが、中央に鎮座するガラスのカウンター。分厚いガラスなのに透明度が高く、ガラスの中の気泡が星屑のようだ。

オリジナルの黒茶がさわやか


今回はここで4杯のお茶をいただく。その前に、冷たいウェルカムティーが供された。これは同店オリジナルの「黒茶」。ほうじ茶を深煎りして炭化させたお茶で、口に含むとスモーキーな香りが広がる。

なんだろう、これ。深煎りコーヒーの焙煎香や黒ビールの香ばしさと似ているようでほかにはない、初めて出会う香りだ。口当たりはとてもすっきりしていて飲みやすく、9月の残暑を拭い去ってくれるようなさわやかさ。

ウェルカムティーの黒茶。茶葉が炭のように黒く、スモーキーな香りが特徴


丁寧に、時間をかけて淹れた玉露の特別な味わい


1杯目は福岡産の玉露をいただく。今回は八女茶の最高級品を使用しているそう。お茶は茶師でHokuzan代表の山北祐士さんが淹れてくれる。

茶師の山北さん。玉露に使う湯は適温まで冷ましてから茶葉に注ぐ


最初にお湯を茶器に入れ、湯が玉露に適した50度前後になるまでゆっくりと冷ます。適温になった湯を茶葉に注いで、今度は茶葉が開ききるまで1~2分待つ。これだけ丁寧に淹れてもらうと、小さな湯飲みの底のわずかな玉露が、とても大切なものに感じられる。

一杯ずつ丁寧に淹れられた玉露は、味わいも香りも格別だ


口に含むとお茶の豊かな香りと、ダシのようにまろやかな旨味が広がる。これはアミノ酸の旨味だそう。それに「ほころび」と名付けられたお菓子を合わせる。ナッツを使っているけど、口の中でほろりとほどけるさま、そしてその味わいに思わず口元がほころんでしまう、というところからこの名前が付けられたそう。玉露とも好相性だ。日本茶の未体験ゾーン第1段階突入だ。

福岡産の玉露にはナッツを使ったお菓子「ほころび」を合わせて


お菓子とのペアリングも絶妙

どのお茶も茶葉に合わせた適温で、一煎ずつ丁寧に淹れる。煎茶は玉露より高い温度で


次は鹿児島産の煎茶が登場。鹿児島は静岡に次ぐ日本茶の生産量を誇るそう。少し強めの焙煎香がするお茶はショウガのドライフルーツと合わせて。甘いけどしっかり辛いショウガのドライフルーツともうまくバランスの取れた味わいだ。

煎茶に合わせるのはショウガのドライフルーツ。煎茶はショウガの強さに負けない、強い味わいなのだ


3杯目は再び玉露で、今度は京都産だ。先ほどの福岡産は加工の際に火を使っていたが、これは火を入れないので、さらに旨味が強く、野性味を感じさせる香りと味わい。寒天を使った「鉱物の実」と名付けられたお菓子と合わせる。

京都産の玉露は少し野性的。まるで鉱物のように見える「鉱物の実」というお菓子を合わせる


湯呑のふちに粗塩を付けた、ソルティティー?

黒茶のホットは湯呑のふちに粗塩を付けて。まるでソルティドッグのような飲み方が斬新だ


最後はウェルカムティーで登場した炭ほうじ茶をホットで。湯呑のふちに粗塩をつけて、まるでソルティドッグのような感じでいただく。実はこれ、同店を運営する株式会社シェンゲン代表の澤田修司さんと山北さんが、夜中に試行錯誤した上に考え付いた飲み方だそう。塩とお茶が合わさると、また新しいおいしさだ。

若い人もお茶に親しむ機会を作りたい


澤田さんは9月9日の重陽の節句に触れ、「(当店を通じて)そういった文化的なことも知っていただければ。また、お茶を飲んでゆったりした気持ちになってもらえればうれしい。嗜好品に近いお茶の世界があることを若い人に知ってもらって、お茶に親しんでもらう機会を作りたい。今後はティーバッグのお茶や茶器などを販売することも考えています。一般の人にもお茶の世界を知ってもらいたいですね」と話す。

左から茶師の山北祐士さん、株式会社シェンゲン代表の澤田修司さん、スタッフの木村栄美さん


バイスティーのグランドオープンは10月2日(金)。オープン後は6000円の高級茶の飲み比べ(要予約)や、マイボトル持参すれば100円でお茶1リットルを提供するなど様々な試みを予定している。日本茶の新しい扉を開いて、一気に身近に感じさせてくれる新しいお店だ。

取材・文=鳴川和代

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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