孫の服を着こなすじいちゃんがイケメンすぎ!「敬うな、一緒に遊べ」

関西ウォーカー

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孫の服を着てみたことにより、インスタグラムで異例のバズり方をしている86歳の「シルバーテツヤ」(@slvr.tty)さん。今回はその仕掛け人でもある孫のクドウナオヤさんに、シルバーテツヤ誕生の経緯や、おじいさんへの思いを伺った。

シルバーテツヤさん(左)と孫のクドウナオヤさん(右)


一緒に遊ぶ延長線上で実現した「シルバーテツヤ」

テツヤさんお気に入りの一枚

反抗期風のテツヤさん


実家・秋田県から離れて暮らしていたナオヤさん。2019年のゴールデンウィークに帰省することとなったが、暇を持て余さないよう何か目的を持ったうえで帰りたかったのだという。

「もともと洋服が好きで、クローゼットいっぱいに買っては古着屋さんに送るという生活をしていて、ちょうど服を段ボールに詰める作業をしていた時に思いついたんです」

“古着屋に持っていく前に、一回おじいちゃんに着せてみよう”

そんなイタズラめいた思いつきから始まったのが、シルバーテツヤだったという。

畑の作業もかっこよくキメるテツヤさん

写り方がいぶし銀すぎる


「服を実家に送る前に、事前に連絡したんですけど、『なんのためにそんなことするの?』というのが最初のリアクションでした」

こう話すナオヤさんは、幼少の頃からテツヤさんと一緒に遊んでおり、学校の作文や絵を描く時にも、よくおじいちゃんをテーマにしていたそう。

「僕にとっては今回の『シルバーテツヤ』もその延長線上にあるもので、おじいちゃんも『また、何か変なことを言い出したぞ』という感覚だったんですけど了承してくれました」

近所の神社でもカッコ良い

桜を背景にパシャリ


テツヤさん自身はもともと小・中学校の教師で、地元の学校の校長も務めた人物。現役時代は生活指導をする立場だということもあり、厳しい先生だったらしく「スカートが短い」「ボタンをちゃんとつけなさい」など生徒に言っていた。

「シルバーテツヤとしてSNSで取り上げられて、そこから地元の新聞に載るようになったのがきっかけで、元教え子の方からも連絡が来るようになりました。『当時、僕らの制服の着こなしについてあれこれ言ってきていたのに、なんですかこれは』ってイジられていました(笑)」と、今では逆に指摘されるのだという。

サングラスが渋すぎる

畑仕事も、こんなにクール


そんな厳しい顔を持っていたテツヤさんも、プライベートでは優しいおじいちゃん。

「兄と妹がいるなかで、僕が一番かわいがられた孫だと思います。僕は理系で理科の実験などが好きだったので、理科教師だったおじいちゃんとは似たようなところがありました」

テツヤさんについて回っていたというナオヤさん。子どもの頃は道や畑に落ちている蛇の抜け殻をよく集めていて、そんな孫を手伝おうとテツヤさんが抜け殻を拾ってくることもあったのだという。

冬の海辺でも存在感がすごい


また実家が秋田県・白神山地の麓ということもあり、テツヤさんが観光ガイドを務めていたことも。それに連れられナオヤさんも、白神山地の自由研究の発表をしていたと振り返る。

「おじいちゃんのテリトリーに連れ込まれていろいろな経験をして、自然に関する作文を発表するなどしていましたね。思い返すとお互い巻き込みあっていた、そういう関係ですね」

写真を撮る中で一緒に思い出を振り返ることも

孫のクドウナオヤさん


シルバーテツヤはナオヤさんが、テツヤさんを巻き込む形で実現。しかし当初の狙いとは、違うでき栄えになったよう。

「最初は若い服を着せたらもっと滑稽な感じになるのかなと思って、やったところがあったんです。でも意外とシュッと着こなされてしまいました。これには予想外で、だったらモードな雰囲気で撮ろうかと思い、『あえて笑顔の写真は使わない』ようにしました。

家族の写真や高齢者の写真って笑顔の写真が多いと思うんですけど、それを封じた結果、アンニュイな感じになってかえっておもしろくできました」

写真の撮影場所はすべて、テツヤさんとナオヤさんが一緒に過ごしてきた地元。家の庭から、近所にある海、テツヤさんが校長を務めていた学校など、家から行ける範囲で撮っているのだという。

「でも撮ってるうちにおじいちゃんもノリノリになってきて、おじいちゃんからの提案で撮るようになったことも。例えば庭にある椿の木を挙げて『あの木はお前が生まれた年に植えた木だからいい画になるんじゃないか』みたいな。実はそれは僕の知らなかったエピソードで、撮影しながら僕の知らなかったことが思い出話になっていく。その撮影プロセスがエモかったなという思いがあります」

昨年、東京・表参道で行われた展覧会は、10~20代の若いファッション好きの世代から海外の旅行客、テツヤさんを応援してくれている地元の元教え子など、さまざまな世代、人種が集まる特別な空間になったという。

「やっぱり写真は言葉の要らないおもしろさがありますよね」

テツヤさんも展覧会の規模の大きさに、自身の人気を自覚していったのだという。

ナオヤさんが考える「敬老」とは?

「一緒に遊ぶ感覚」が大切なのだという


「こうして展示会もさせてもらっていますけど、味をしめて新しい作品を増やそうというモチベーションはなくて。写真集や展示会のようなアナログな形でおじいちゃんに届けることができたので、ひとまず落ち着いた形です」

そう話すナオヤさん。テツヤさんは84歳まで生きると言っていて、42歳で亡くなったテツヤさんのお父さん(ナオヤさんのひいおじいさん)の、倍の歳まで生きるのが目標だったのだという。

「その目標が叶った年に、シルバーテツヤとして話題になり『人生何が起こるか分からねえな』っておじいちゃんも言っていますね」

テツヤさんの現在の目標は、庭のガーデニングを頑張りたいのだそう。

今回のシルバーテツヤを通じてさまざまな人に、「おじいちゃん孝行をした」と褒められるというナオヤさん。

「でも僕はいつものノリでおじいちゃんと一緒に遊べればいいなと思ってやったことだったんです。3月に発売されたフォトエッセイにも書いたんですけど『敬うな、一緒に遊べ』という言葉が僕の考える敬老だと思うんです」と話し、「敬老」という言葉が持つ介護的、施しをしているような目線に疑問を投げかける。

「高齢者に関わらなくちゃ、敬わなくちゃということではなくて、自分も一緒に楽しめるようなことってなんだろうと考えることが大切なのかと。おじいちゃんは分からないかもしれないけど、自分の好きなものを共有してみるとか、若い人からおもしろいものをシェアしてもらうのって、高齢者側も楽しいと感じているはずです」

京都で「SLVR.TETSUYA×Artists "NEW DRESS UP"」が開催中

京都ではさまざまなアーティストとコラボ

オリジナルグッズも販売

新宿伊勢丹「SLVR.TETSUYA POP UP Exhibition "敬老モード" at ISETAN SHINJUKU」も開催


取材・文=さくらいけんたろう

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