【コロナ対策情報付き】伊勢人の「おかげの心」や伊勢路の文化が息づく町。おかげ横丁を散策しよう!
東京ウォーカー(全国版)
おかげ横丁の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している店舗や施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください。)
おかげ横丁ってどんなところ? 江戸時代の伊勢路を再現!伊勢人の「おかげの心」が息づく町

ときは江戸のころ、「せめて一生に一度だけでも伊勢神宮を参拝したい…」と全国から多くの人々が伊勢路を目指した。そして、命がけで長い道のりを歩いてきた旅人を、物・心の両面から支え、あたたかく迎え入れたのが伊勢の人々だ。それは、日々生かされていることを神のおかげと感謝する、“神恩感謝”の精神から生まれる「おかげの心」があらわれた振る舞いであった。
この「おかげの心」で働く伊勢人の精神を今に受け継ぐのが、50を数える飲食店やお土産物店が軒をつらねる「おかげ横丁」だ。1993年、第61回神宮式年遷宮の年に伊勢神宮内宮前のおはらい町の中程に誕生して以来、観光や伊勢神宮参拝の際には必ず立ち寄るという声も聞かれるほど、人気のスポットとなっている。
【見どころ】活気あふれる伊勢路を再現した町並み
おかげ横丁に一歩足を踏み入れると、活気あふれる古き良き時代へとトリップしたかのような錯覚を覚える。約4000坪の敷地内に、江戸から明治期の建築物が移築・再現されているのだ。

28棟の建築物のほとんどが伊勢地方の伝統的木造建築で、主な特徴は切妻型の屋根と、妻側に玄関を設けた「妻入り」。伊勢神宮の社殿が「平入り」であることから、当時の伊勢人は「神様のお住まいと同じでは恐れ多い」と妻入りの建築形式にしたそうだ。外壁を木で囲う「杉赤味のきざみ囲い」や、外壁より前面に張り出す「南張り囲い」は、雨風の強い伊勢地方ならではの知恵。また、伊勢では昔から硬くて木目の美しい「栂(つが)」を建材に使った家が多かったことから、柱などの主要部分に使用されている。しかし、栂材は現在、建築材としてあまり用いられないため、上質なものを集めるのに3年を要したという。
「軒をつらねる店々の間を縫うように、『世古』と呼ばれるたくさんの路地が張り巡らされています。お土産を探しながら、ゆっくりと散策してみてください。ふと顔を上げると、屋根瓦に伊勢音頭の歌詞が刻まれていたり、動物や大黒さんが飾られているなど、ちょっとした発見も面白いですよ」と、広報担当の五十嵐 寛さんが注目ポイントを教えてくれた。
【グルメ】ご当地グルメや旬の味覚をご堪能あれ!
おかげ横丁には19の飲食店があり、ご当地グルメや名物、伊勢志摩の海鮮料理、松坂牛を使った料理などが味わえる。
ここを訪れたら必食!との声が上がるのは"てこね寿司"。漁師が船の上で、捕れたてのカツオをぶつ切りにして醤油漬けにし、手で酢飯と混ぜ合わせて、漁の合間に食べたのが始まりとされる豪快な料理だ。「すし久」「海老丸」「野あそび棚」の3店で味わえるので、訪れるたびに異なる店で食べ比べてみるのもおもしろい。

また、「すし久」の建屋は移築や再現されたものでなく、明治時代よりこの場所で人々の往来を見守ってきたもの。重厚感を感じさせる外観や店内の雰囲気にも注目して。
江戸時代以前より、この地域の農民が食べていたとされる"伊勢うどん"も人気がある。麺が太くて柔らかいのが特徴で、たまり醤油と刻みネギでシンプルにいただく。「ふくすけ」で味わえる伊勢うどんは、昆布や鰹節など天然ダシの旨味が効いていると好評。
志摩半島の的矢湾で生食用に独自開発された「伊勢志摩プレミアムオイスター」や、夏が旬の岩牡蠣も伊勢自慢の味。濃厚な甘味が魅力の牡蠣は「横丁いかだ荘」や「伊勢角屋麦酒」などで楽しめる。
また高級イメージの松坂牛も、「はいからさん」のステーキライスや「浪曲茶屋」のにゅうめん、「団五郎茶屋」の牛串などで、気軽に味わえるのがうれしい。
ほかにも多彩なジャンルの料理に、フレッシュジュース、甘味とバラエティ豊かに揃っているので、その日の気分やお腹の空き具合で気になるお店に飛び込んでみるのもいい。

【ショッピング】お土産はもちろん、自分へのご褒美も!
お土産物探しやショッピングを楽しめる店が26店も揃っている。地元の工芸品や真珠の専門店、干物や地酒といった食品の販売店など、あれこれ見て回るだけでも楽しい。
キャラクターグッズでは、"おかげ犬"が世代を超えて人気を集めている。江戸時代、さまざまな事情で旅に出られなかったご主人の代わりに、飼い犬が伊勢神宮を参詣していたといわれている。手拭いやマスクなど、おかげ犬のグッズは「おみやげや」で販売中。
また、おかげ横丁の入り口前には、創業から300年の歴史を誇る「赤福本店」がある。高浜虚子の俳句にも詠まれたと伝わる"赤福餅"は、なめらかな餅の上に口溶けの良いこし餡をのせた名物。夕方には売り切れ御免の人気っぷりなので、早めに購入しておこう。
贈答にもぴったりの歴史ある伊勢茶なら「ばん茶茶屋」、手軽に楽しめる特産品を探すなら「伊勢路名産 味の館」へ。そのほか、ハンドメイドのキャンドルがずらりと並ぶ「灯りの店」に、「ミキモト真珠島」が運営する真珠の専門店で、オリジナルジュエリーやコスメが揃う「御木本眞珠島店」など、女子旅御用達のショップも充実。


【イベント】現代の生活で失われつつある季節の風習もここに
おかげ横丁では、移り変わる四季を愛でる日本古来の文化も大切にされている。ひなまつりや七夕、秋の「来る福招き猫まつり」、日本太鼓祭など、1年を通じて季節感や風習を楽しめるイベントが開催されている。※2020年のイベントは、「第26回来る福招き猫まつり」は開催。10月以降については調整中。

【回り方・混雑情報】伊勢神宮参拝の前後には、楽しみ満載のおかげ横丁へ
五十嵐さんに、おかげ横丁の魅力とオススメの回り方を尋ねてみた。
「まるで時代劇のセットのようにも見えますが、おかげ横丁はテーマパークではなく、思い思いに過ごしていただけるひとつの町です。路地を歩けば、この地方の老舗の味や名産品に出会えます。また、歴史や風習、伊勢人の人情にも触れていただけるはずです。おかげ横丁内には多くの縁台を用意しておりますので、ひと休みしながら、存分に散策をお楽しみください」。
おかげ横丁には飲食店や土産物店のほかに、立体展示と映像で日本神話の世界を紹介する「おかげ座 神話の館」(有料)や「徳力冨吉郎版画館」「山口誓子俳句館」といったギャラリーもある。伊勢神宮への参拝と合わせて、たっぷりと伊勢の1日を満喫できそうだ。
「神宮参拝後は縁台に腰掛けて少し休憩をしていただいたあと、お食事やお土産を探しに路地をお出かけください。土・日・祝日のお昼時は特に混雑いたします。その際は、おかげ横丁で早めのランチを済まされてから、神宮を参拝されるのがオススメです。可能な限りの新型コロナウイルス感染予防策を施し、営業をしております。神宮参拝ついでのお立ち寄りはもちろん、ぜひ、日々のお買い物やお食事にもご利用ください」とのこと。

【アクセス】電車でも車でもアクセス抜群!
電車で訪れる場合は、近鉄宇治山田駅・JR伊勢市駅より、内宮行きバスで「神宮会館前」停留所下車、徒歩1分。車の場合は、伊勢自動車道伊勢西ICから5分。周辺の市営駐車場に駐車を。どちらもアクセスがよく、訪れやすくなっている。
【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・客席の使用を制限
・相席を避けて案内。また、他の人との間隔を1m以上あけて案内
・割り箸・薬味は個包装
・テーブルはアルコールによる拭き消毒
・従業員は配膳や下膳ごとにアルコールによる手指消毒を徹底
・会計時はコイントレーを利用。また、コイントレーは定期的に消毒
・レジ前に飛沫感染予防パーテーションを設置
・従業員は就業前に健康状態のチェックと記録、マスクの着用、手洗い、うがいを実施
・店内の窓や扉を開放
・客や従業員が触れるところは定期的にアルコールでふき消毒を実施
・発熱や咳など、体調不良の場合は入店不可
・入店時はマスク着用必須
・全店にアルコール消毒液を設置
・入店時、会計時は1m以上間隔をあけるよう呼びかけ
・各店に入店者数の制限あり
・大声での会話禁止
<施設情報>
住所:三重県伊勢市宇治中之切町52
アクセス:【電車】近鉄宇治山田駅または伊勢市駅からバスで神宮会館前停留所下車、徒歩1分 【車】伊勢自動車道伊勢西ICから約5分
営業時間:9:30〜17:30(営業時間短縮中)、年末年始(12月31日〜1月1日)は終夜営業、GWやお盆休みなどの連休中は開店時間を早めたり、閉店時間を遅くする場合あり
定休日:なし
駐車場:1500台 (有料)
料金:入場無料
取材・文=藤田房子
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※2020年9月時点の情報です。
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