【コロナ対策情報付き】京都国立博物館の楽しみ方を徹底紹介!建築の近代と過去が共存する空間を満喫

東京ウォーカー(全国版)

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京都国立博物館の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

正門は1895年竣工。1969年に重要文化財に指定されている


京都国立博物館ってどんなところ?120年超の建築物自体がシンボル

日本に4つある「国立博物館」の1つ、京都国立博物館。その歴史は120年を超える。1897年の開館以来、寺院や神社が伝えてきた絵画・彫刻などの美術工芸品をはじめ、京都ゆかりの貴重な文化財を保管・展示。展覧会で取り扱うテーマも、海外の美術から京都をテーマとした地元ならではのものまで、フィールドの広さが特徴だ。

建築に携わった片山東熊氏は、赤坂離宮や迎賓館の建築にも携わった人物


そもそもの設立された目的は、明治時代に西洋化・近代化が進められる中、日本の伝統的な文化が軽んじられ、破壊や散逸の危機にさらされるようになった文化財を保護すること。京都国立博物館と呼ばれるようになったのは1952年のことで、それ以前は「帝国京都博物館」などの名前で、所管が変わるごとに名称も変わっていた。

保管・展示されているのは、主に平安時代から江戸時代にかけての文化財。現在は館蔵品・寄託品を含め、国宝116件、重要文化財812件など約1万4600件を収蔵している(2020年3月末時点)。また、バロック様式を取り入れた重厚な存在感を放つ「明治古都館」や正門は、日本建築界に名を遺す建築家・片山東熊(かたやまとうくま)の設計によるもの。幸いなことに第二次世界大戦の空襲の被害も受けておらず、今は重要文化財にも指定されている。

平常展示は作品保護の目的で随時展示替えを行っており、いつ訪れても新鮮で飽きることがないのもうれしい。

【回り方】まずはぐるっと一周、歴史に想いを馳せながら建物を愛でる

京都国立博物館は、すべてを見て回ろうとするととても時間がかかるので、ポイントを絞るのがおすすめだ。はじめに、敷地内を紹介しよう。

京都国立博物館全体図。噴水を取り囲むように展示館や庭がある


まず南門入口を入ったら、左手の正門へ向かい、門を背にして噴水広場へ目を向ける。噴水越しに見える「明治古都館」は、なんとも格別。水しぶきに映える赤レンガの建物が浮かび上がる景色に、誰もが足を止めてしまうはず。噴水広場では、ロダンの彫刻「考える人」が出迎えてくれる。

「明治古都館」とロダンの「考える人」像がある噴水エリア


「明治古都館」には、歴史を感じる重厚感と、うっとりする美しさがある。京都国立博物館のシンボルともいうべきレンガ造りで、重要文化財にも指定されている。

正門を背に、左手にある展示施設「平成知新館」


次に左手に目をやると、新館の「平成知新館」が目に入る。2014年にオープンした展示館で、 設計は「ニューヨーク近代美術館 新館」などを手がけた世界的建築家・谷口吉生(たにぐちよしお)氏。シンプルな中にも現代的な直線美を感じる外観で、歴史ある建物との対比もまた楽しい。ここでは、平常展示を見ることができる。


敷地内には2つの庭がある。東側の盛り上がった丘の一角には、朝鮮半島の石造遺物がある庭園「東の庭」、西南の一角に広がる「西の庭」には、日本の石仏や礎石、石の橋脚などが野外展示されている。

西の庭「五条大橋 橋脚 桁(ごじょうおおはし きょうきゃく けた)」。天正17年(1589年)、豊臣秀吉が鴨川に架けた五条大橋の橋脚


「東の庭」の隣には茶室「堪庵(たんあん)」も。京都における公家文化の伝統を受け継いだ数寄屋造りの建物で、1958年に上田堪一郎氏より寄贈された。新緑が眩しい時期に訪れると、時折木漏れ日が輝き、とても気持ちのよい時間を過ごすことができる。秋には見事な紅葉の中で、心落ち着かせるひとときを味わってみるのもまた一興。現在は茶会等の利用で一般開放もしている。

赤く染まる木々に囲まれた秋の「堪庵」


そのほか、1930年に旧恩賜京都博物館の陳列品収納用倉庫として建築された国の登録有形文化財「技術資料参考館」などもある。

【見どころ】平成知新館で歴史的な芸術に触れよう

平成知新館グランドロビー。ガラス窓からの眺望も美しい

平成知新館の3階展示室。順路は基本的に一番上の3階から階下に移動しながら鑑賞する

鑑賞のメインは、名品を楽しむことができる平常展示の「平成知新館」。3階には今も身近な「陶磁」や古い時代の「考古」の展示室があり、桃山時代の器から中国・唐時代の色鮮やかな焼物などが展示されている。

平成知新館、2階展示室。展示室は、作品を傷めないよう外光が入らない遮断された空間に

2階には、「絵巻」「仏画」「中世絵画」「近世絵画」「中国絵画」が展示。現代の絵本や漫画にも通じるところがある絵巻は、理解しやすくなじみやすい。1階は平安・鎌倉時代の日本の仏像や神像を中心とした「彫刻」や、経典などの典籍や古文書などの古記録類の「書跡」、「染織」「金工」「漆工」などの工芸品が展示されている。

平成知新館、1階展示室。展示ケースも、建物を設計した谷口氏の設計によるもの

平成知新館は夜になるとライトアップされ、水への映り込みが美しい

平成知新館の前面には水盤もあり、遠くには京都タワーを望むことができる。日本的な空間構成を取り入れた直線を基本とする展示空間の中で、京文化の神髄をゆったりと楽しもう。

※特別展開催期間中は「平成知新館」の平常展示は休止。展示室の写真は、実際の展示とは異なります

【グルメ】京都で長く愛される「前田珈琲」でひと休み

テラス席もあるので、3密が気になる人にはおすすめ

散策に疲れたら訪れて欲しいのがこちら。祇園祭で有名な「前田珈琲」の京博店が出店していて、「ふわふわ焼き玉子サンド」(830円)をはじめとするサンドイッチやハヤシライスなどのフードメニュー、本店のケーキ工房で毎日手作りするケーキ、パフェや焼き菓子といったスイーツなどのメニューが人気だ。

京都産瑞穂たまごで作った「ふわふわ焼き玉子サンド」。ふんわり柔らかな焼き玉子とキュウリをシンプルにサンド


【お土産】京都国立博物館を訪れた記念に入手したい「美術はがき」

美術品を身近に感じられる品揃え

併設のミュージアムショップ「京都便利堂」には、京都国立博物館の名品をあしらった絵はがきなどのステーショナリーや、過去展覧会図録、専門書などのミュージアムグッズが揃っている。

【写真】「美術はがき」は選ぶのに迷うほど種類が豊富


「180種類ある美術はがき(1枚100円)は、一番人気のお土産です。このほかにも名品が身近に楽しめる卓上サイズの美術複製品や、ここでしか買えない遊び心あるオリジナルグッズなどおすすめはたくさんあります。ぜひお立ち寄りください」(京都便利堂・店長の増尾さん)

【イベント・混雑情報】特別展はオンラインでの事前予約を

京都国立博物館の公式サイトでは、特別展の年間を通した開催スケジュールをチェックすることができる。特別展には全国各地から人が訪れるため、混雑することも多かったが、現在はオンラインでの事前予約制を導入している。

「ご来館の際には、ぜひ京都国立博物館の公式Twitterをチェックしてください。イベント情報や、待ち時間がある場合は随時ツイートしています。また、特別展では事前予約制を導入しています。新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、ご理解・ご協力をお願いいたします」(京都国立博物館・企画室 小林さん)

【アクセス】市バスを利用して迷わず到着しよう!

市バスを利用すると、JR京都駅から簡単にたどり着くことが可能。JR京都駅前D1のりばから市バス100号、D2のりばから市バス206・208号系統にて「博物館・三十三間堂前」下車、徒歩すぐ。大人230円、小児120円と交通費も安いうえ、楽に行くことができる。

車の場合、名神高速道路京都東IC出口から約20分。JR京都駅からは七条通を東へ歩くと20分ほどで着くので、のんびり街を散策しながら訪れるものいいだろう。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・下記1~4にひとつでも該当する方は、ご来館をお控えください。
 1. 発熱、咳込み等の新型コロナウイルス感染症が疑われる方
 2. 過去2週間以内に新型コロナウイルス感染症陽性者との濃厚接触が疑われる方
 3. 過去2週間以内に政府から入国制限、入国後の観察期間が必要とされる国・地域への訪問歴がある方
 4. 過去2週間以内に同国・同地域の在住者との濃厚接触がある方

・マスクの着用をお願いいたします。マスク未着用の方につきましては、入館をご遠慮いただきます。
・入口で検温を実施いたします。37.5度以上の発熱が確認された場合、ご入館をお断りさせていただきます(「庭園のみ開館」期間は除く)。
・咳エチケットにご協力ください。
・石鹸による手洗い、アルコール除菌にご協力ください。館内に手指消毒用アルコールを用意していますのでご利用ください。
・館内・展示室内では、お客様同士の間隔を1メートル(可能であれば2メートル)以上確保し、作品の前では譲り合いながらご観賞ください。混雑状況に応じて、入場列の間隔調整や入場制限を行う場合もあります。会話・発声はお控えください。作品、展示ケース、備品、壁には触れないでください。
・休憩スペースの長時間の利用はご遠慮ください。
・京都市新型コロナあんしん追跡サービスのご利用を推奨しています。来館者から新型コロナウイルスの感染者が確認された場合、接触のおそれがある方に京都市からお知らせメールを送付します。スマホ等のご利用が難しい場合は、ご自身で来館日時の記録をお願いいたします。万が一感染者が確認された場合は、京都国立博物館の公式サイト上にてお知らせいたします。
・状況に応じて、入場制限、または変更・中止する可能性がございます。随時お知らせいたしますので、ご来館の際は京都国立博物館の公式Twitterをご確認ください。
・上記記載に関わらず、状況に応じてスタッフからお客様にお声掛け等させていただくことがございます。その際はスタッフの指示に従ってください。

取材・文=近藤鈴佳、水島彩恵

<施設情報>
住所:京都府京都市東山区茶屋町527
アクセス:【電車】JR京都駅からバスで博物館・三十三間堂前下車すぐ
営業時間:名品ギャラリー/火~日曜9:30~17:00(最終入館16:30)
定休日:月曜(祝日の場合翌日)。年末年始、臨時休館あり
駐車場:62台(有料) ※京都国立博物館に入館(庭園、無料開館日を含む)の場合、駐車券の提示で、駐車場入場時刻から30分間の無料割引サービスを受けられる
料金:名品ギャラリー観覧料 一般700円、大学生350円、高校生以下および18歳以下、70歳以上、障害者とその介護者1名無料(要証明書提示) ※特別展は別料金

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※この情報は2020年10月時点の情報です。

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