「最初に食べた人を褒めたい」幻の高級深海魚・エンザラとは?イカだけじゃない『イカセンター』の実力

東京ウォーカー(全国版)

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都内で、“透明な”イカ刺しが食べられるとして評判の「イカセンター」。名前からイカが看板商品であることはわかるが、実は、鮮度がよく高品質な鮮魚全般をリーズナブルに提供している。今回、「エンザラ」なる耳慣れない魚の刺身が食べられると聞き、ウォーカープラスの新企画「ウォーカービズ」の記者が「エンザラ」を実食。“幻の高級深海魚”の味と「イカセンター」の実力をレポートする。

看板の「いかの刺身」は肝醤油で。イカ専用純米酒とともに

「イカセンター」は現在、東京、神奈川に7店舗展開。千葉県館山市の船形漁港から、毎朝、目利きの担当者が漁師と直接コミュニケーションを取りながら買い付け、自社トラックで店舗に運んでいる。そのため、鮮度抜群の上、市場にはなかなか出回らない高級魚や珍しい魚を提供することができ、価格もリーズナブルに設定できる。

グロテスクな見た目の深海魚。これが驚くほどウマイんです!

店内の水槽で元気に泳ぐイカ。イカ釣りもできる

イカ以外にもいろいろな貝類や魚が泳ぐ

訪れた「イカセンター新宿総本店」は店内中央に大きな生け簀があり、イカをはじめ、さまざまな魚介に出合える。看板メニューの「いか刺し」(時価)は来客のほぼすべての人がオーダーする必食メニューだが、“絶対の仕入れ力”が繰り出す魅力はそれだけにとどまらない。ちなみに「いか刺し」もシーズンによってイカの種類が変わるため、それぞれの味わいの違いが楽しめるということも覚えておきたい。

「エンザラ」は、脂がのった強い旨味と“希少性”から幻の高級魚と言われている


【写真】鋭い歯を持っている「エンザラ」。実は美味しいという“ギャップ”がヤバイ!

さて、今回の目的、幻の高級魚「エンザラ」。よほどの釣り好きやマニアでないと聞いたことがないだろう深海魚で、正式名称は「クロシビカマス」という。最初に食べた人の勇気をたたえたくなる、インパクトのある見た目が特徴。昔はキンメダイ漁などの際に一緒に獲れる、いわゆる“雑魚”のため捨てていたそう。しかしこの見た目に反し、脂がのった強い旨味を持っていることと、その希少性から近年注目されるようになり、“幻の高級魚”と言われるようになった。

しかし「エンザラ」は骨が多く、食べにくいのも特徴。小骨が多く、骨の周りの肉をスプーンなどでこそげ取って食べるか、塩焼きにして骨周りをしゃぶりつくすのが一般的だ。ところが「イカセンター」では刺身をはじめ、蒲焼きや白焼き、唐揚げなど、これまでにない料理で楽しむことができる。

これだけさまざまな料理に変身させられるのは、ひと言でいえば“職人技”。鱧の骨切りのように、「エンザラ」の厄介な骨を処理している。ただ、鱧と同様な手法では骨が残るので、新たに技術を開発。これによって骨はまったく気にならなくなり、魚の旨味を存分に味わえる。

「エンザラの炙り刺身」(1280円~)

美しい身に感動

この特別な技術をもつ「イカセンター」だけでしか食べられない、そして一番おすすめしたいのが「エンザラの炙り刺身」(1280円~)。グロテスクな見た目に引いてしまったことを詫びたくなる、脂ののった美味しさに驚かされる。表面を炙ることで脂の甘味が引き立ち、白身とは思えないコクのあるうま味を体験できる。脂がのっているので、ワサビをたっぷりのせてちょうどいい。ぜひとも日本酒と合わせて欲しい逸品だ。

「炙りエンザラの握り」

もう1つ炙った「エンザラ」を使っているのが「炙りエンザラの握り」(2カン800円~)。酢飯と「エンザラ」の脂、炙った香ばしさ、柚子胡椒の組み合わせが絶妙で、唸る美味しさ。こちらの柚子胡椒も長崎の農家で特別に作ってもらっているこだわりの一品で、風味が抜群。お酒が飲めない人にはこちらをぜひおすすめしたい。

「エンザラの南蛮漬け」。イカの箸置きも「イカセンター」で人気のアイテム

「エンザラの南蛮漬け イタリア風」(890円~)

「エンザラの南蛮漬け」(890円~)は衣をつけて揚げていることでふっくらした身の食感が楽しめ、南蛮酢との相性もいい。同じ南蛮漬けでもバルサミコ酢を使ったイタリア風もあり、こちらはワインと一緒に食べるのがおすすめ。

「エンザラの唐揚げ」

「エンザラの唐揚げ」(980円~)はハイボールと一緒に。油で揚げているが、片栗粉を使った衣のサクサクとした食感でさっぱりと食べられる。塩とレモンで食感を味わったら、自家製ぽん酢で味わうとまた違った味が楽しめる。唐揚げもさることながら、この「イカセンター自家製ポン酢」がかなりおいしい。しっかり柑橘の風味があり、強すぎないがしっかり酸味があって、嫌な甘さがないので、魚の脂の甘味や旨味を引き立たせてくれる。個人的にお持ち帰り用にぽん酢の販売を直訴したくなるくらいのおいしさだった。

「本日の刺身お任せ3種盛り」(写真は1人前で、ひっぱり鰹、又木の金目、アジ)

「いか沖漬け」は歯ごたえも味も一線を画す

「メカジキのハーモニカ バターソテー」

もちろん、「エンザラ」だけではない。看板メニューの「イカ刺し」はもちろん、館山から直送の「本日の刺身お任せ3種盛り」(900円)、生きたイカで作る「いか沖漬け」(550円)など、新鮮だからこそ楽しめるメニューが並ぶ。なかには「メカジキのハーモニカ バターソテー」(1280円)なる、これまた聞きなれないメニューも。なぜ“ハーモニカ”か、見た目からも連想できるが、食べてみるともう1つの意味も実感できるはず。

生け簀から取り出したばかりのスルメイカ

「いか肝ホイル焼き」(1280円)。臭みがなく肝のおいしさを感じる

“幻の高級深海魚”を求めて訪れた「イカセンター」だが、イカや「エンザラ」以外にもたくさんの魅力的な料理にも出合えた。なかなか旅行に出かけにくい今、都内でこれだけの魚介が食べられるのはうれしい限り。「エンザラ」は深海魚のため、水揚げ量が少なく、近年の人気ぶりから仕入れることも難しいが、「イカセンター」では基本的に1年中入荷があるという。それでも、入荷しない日があったり、価格が変動することもあるので、「エンザラ」目的なら必ず事前確認を。グロテスクなのにおいしい「エンザラ」のギャップを体験しに、ぜひ足を運んでみよう。

取材協力:イカセンター新宿総本店

※エンザラは深海魚のため、夏場は入荷しない場合があります。それ以外の期間でも入荷についてはお店に問い合わせをしてください。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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