日本有数の秘境「天川村」。1300年の伝統やレトロな温泉街の魅力に迫る!
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関西ウォーカー

奈良県吉野郡、紀伊半島の中部に位置し、「天の国」「木の国」「川の国」と言われるほど自然豊かな「天川村」。「近畿の屋根」と呼ばれる標高1000〜2000mの大峯山(おおみねさん)系の山々と深い谷によって形成され、冬季もきわめて寒冷であるこの村は、古来は“聖域”だったとも考えられている。
そして、このことが修行者たちの「行場」が開かれるきっかけとなり、約1300年前の役行者(えんのぎょうじゃ)による大峯開山以来、山岳修験道の根本道場として栄えてきた。大峯山脈の急峻な尾根をたどって吉野から大峰山寺、玉置神社を経て熊野本宮大社に至る「大峯奥駈道」は、2004年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコ世界遺産にも登録。
そんな修験道発祥の地でもあり、村の面積の98%を森林が占める、深い歴史と深山幽谷が心身ともに浄化してくれるような天川村。多くの修験者たちが身を癒やしたレトロな雰囲気の温泉街や、長い信仰の歴史が根付く霊場などを、関西屈指の自然美と共に満喫しよう。
昭和レトロな風情を感じる温泉街。縁側に座ってのんびりと
自然の美しさと1300年の歴史を楽しむ前後に、ぜひ立ち寄りたいのが温泉街「洞川温泉」。標高800m、夏でも冷涼な山上川畔にあり、修験者たちが身を癒してきた温泉はもちろん、昭和の時代にタイムスリップしたような気分に浸れる町並みに、心も体も癒される。

温泉街には11軒の旅館が連なり、湯と共にノスタルジックな気分に浸れるのも魅力。景観で最も目を引くのが、通りに沿った温泉宿に連なる縁側。この縁側によって、日本情緒あふれる独特の風景を作り出している。縁側には内と外を繋げる役割があり、温泉街と宿を結び付け、洞川温泉全体を一体感のある心地いい空間に。また、「日本名水百選」に選ばれた洞川湧水群があり、名水を使った名物「名水豆腐」なども味わうことができる。
夜になると旅館の縁側に吊るされた提灯に明かりがともり、昼間とは打って変わって幻想的な佇まいに。浴衣姿で出歩く人も多く、思わず立ち止まって写真を撮りたくなるほど情緒豊かな光景は、縁側に座ってのんびりと眺めたい。

日帰り入浴もOK! 3つの温浴施設で名湯に浸かる
洞川温泉の泉質は29度の「弱アルカリ性単純温泉」。入浴すると肌がスベスベする感覚になるのが特徴で、浴用適応症としては神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・慢性消化器病・冷え性などに効果効能が得られると言う。そんな名湯を宿泊せずに、日帰りで気軽に満喫できる施設もある。
洞川温泉街の入口にあり、利便性抜群の「洞川温泉センター」は、名産吉野杉を使った建物にヒノキの浴槽で人気。また、玄関正面のカエデの大木の柱など、木にこだわった「天の川温泉センター」は、しっとりつるつるの別名“美人の湯”の成分の多い温泉が評判を呼んでいる。さらに、特産の薬草・トウキなどを使った生薬配合薬湯露天風呂が自慢の「みずはの湯」も。自然の恵みを生かした3つの温浴施設で、ゆるりと疲れを癒そう。


大峯山の開祖、役行者によって草創された名刹へ
大峯山の登山者が立ち寄る「龍泉寺」。真言宗醍醐派の大本山で、大峰山寺の護持院でもある。大峯の山々を行場として修行した役行者が、山麓の洞川でのちに「龍の口」と言われる、こんこんと湧き出る泉を発見。そのほとりに小堂を建て、八大龍王を祀ったのが始まりとされる。
修験道の根本道場として修行者を迎える霊場で、「龍の口」から湧き出る清水によって満たされた池は、修行者の身心を清める第一の行場ともなっている。境内の背に控える山は県指定の天然記念物で、広大な原生林が四季折々の美しい風景を作り出す。


なでると軽く持ち上がり、叩いて持ち上げると重くなるという龍泉寺に古くから伝わる不思議な「なで石」が本堂前にある。生き物に心があるように、石にも心があり、常にこの石をなでるときのような気持ちで何事にも接するということを教えてくれる。参拝した際はぜひ体験してほしい。
日本三大弁財天の筆頭で、村名の由来にもなった聖地
大峯本宮、あるいは吉野総社として、大峯修験のかなめの行場とされ、古来から高僧や修験者たちが集まるところだった「天河大辨財天社」。日本の三大弁財天の筆頭とされ、水の精・辨財天女を祀り、音楽や芸能の神様としても有名。

辨財天女が祀られるようになったのは、役行者が弥山に辨財天女を祀ったのがきっかけ。この天女が、日本で最初の辨財天(弥山大神)とされ、のちに皇位継承で窮地に追い込まれた大海人皇子の前に出現。琴の音色に乗って現れた天女に勇気づけられた皇子は、やがて壬申の乱に勝利し、天武天皇として即位する。辨財天女の加護にむくいるため、皇子は「天の安河の宮」という社殿を建て、これが「天河大辨財天社」の始まりとされ、「天川村」の名前の由来にもなっている。

1300年前からの時の流れを感じる修験道体験も
自然崇拝と神道・仏教などが融和し、奥深い自然に分け入って修行することで神秘的な力を得て、自他の救済を目指した信仰「修験道」。修験道の開祖とされる役行者は聖なる山野に伏して修行に励み、金剛蔵王大権現(こんごうざおうだいごんげん)を感得した山こそが、天川村の霊峰・大峯山(山上ヶ岳)だ。
天川村では、その修験道を体験することができるが、観光やレジャーとしての登山ではなく、体験も修行として行われる。己を厳しく律し、修行中は先頭に立って道案内や修行の作法を指南してくれる先達に必ず従って。聖地の自然を傷つける行為や私語、勝手な飲食、休憩も厳禁。高く険しい山中では気の緩み・雑念は、生命に関わる事故に繋がりかねず、先達の指示に従うことができない場合は、ただちに下山することになる。
険しい山道を一歩ずつ進み、さまざまな行場を乗り越える修験道体験は、自己を見つめ直し、魂を再生させることが目的だ。詳細は奈良県大峯山洞川温泉観光協会へ問い合わせを。
※冬季は行場や大峰山寺が戸閉めのため体験不可


世界遺産に包まれた修験道の聖地

秘境の村と言われるが、大阪市からなら車で2時間から2時間30分ほどで到着できる。まさに天から送られたような美しい自然、平地より気温が5℃ほど低い夏でも快適な気候、霊峰に抱かれた名水が湧く洞川温泉と、天川村の魅力は語りつくせない。
人口約1300人の村は、年間60万人が訪れる観光地となっているが、昔と変わらず今も大峯山信仰の拠点。役行者ゆかりの寺社、世界遺産の霊場と参詣道など、長い歴史を知った上で高尚なパワースポットや神秘的な聖地を巡り、日々の喧騒からも離れてみたい。
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