落語から地域の魅力を創造!西新宿で生まれた新しいコミュニティが東京の未来を拓く
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東京ウォーカー(全国版)
江戸時代からの伝統芸能を生かしたスマートシティ化――。そんなユニークな取り組みが、東京・西新宿で始まっている。東京都が推進するプロジェクト「スマート東京」の先行実施エリアに選ばれた西新宿では、課題解決テーマを設定し解決方法を検討する複数の実証実験がスタート。その第一弾として行われているのが、落語を通じた部活動コミュニティだ。なぜ西新宿で落語なのか、そしてアナログな伝統文化とデジタルとをどう融合させるのか。新たな形の街づくりの姿を取材した。

西新宿が「スマート東京」の先行実施エリアに!デジタル技術で住みやすい街に
スマートシティとは、デジタル技術をはじめとする先進的な技術を活用し、地域の抱える課題の解決や、より便利で住みやすい街づくり、都市に新たな価値や魅力を生み出そうという取り組みのこと。5G、IoT、ロボット、AI、ビッグデータといった新技術を用いたスマートシティ化はロンドンやニューヨーク、シンガポールをはじめ、欧米やアジアまで世界の各都市で進められている。
日本でもスマートシティを目指す取り組みが2020年から本格的にスタート。東京都も、未来の東京を見据えた「スマート東京」を打ち出し、デジタル技術を活用した都民の生活の質の向上を図る方法を模索している。そのモデルケースとなるべく、東京都での先行実施エリアの1つに選ばれたのが西新宿エリアだ。
世界最大のターミナル駅である新宿駅を擁し、東京屈指の繁華街であると同時に、常に時代の最先端技術が集約する場所である新宿。その中でも、東京都庁に代表されるように官公庁・ビジネス街としての側面、また古くからの住宅街としての側面をもつのが西新宿エリアだ。2020年に、東京都、一般社団法人新宿副都心エリア環境改善委員会や新宿区、および通信事業者などにより設立された「西新宿スマートシティ協議会」が中心となり、西新宿という地域の持つポテンシャルをさらに引き出すべく、参加企業や団体の持つ強みと先端技術を活かした活動が始まっている。

芸能の町・西新宿の地域性を活かした「実演芸術部活動」
その第一弾としてはじまったのが、西新宿に本社があり文化施設を運営しているNTT東日本による実証「実演芸能部活動コミュニティ」だ。新宿は70年以上の歴史をもつ寄席・末廣亭があり、また俳優や音楽家など実演関係者が集う芸団協(公益社団法人日本芸能実演家団体協議会)が西新宿の廃校を活用した文化拠点を運営する都内有数の文化・伝統芸能の街。その一角である西新宿ならではの地域性とデジタル技術を掛け合わせた取り組みが2020年12月からスタートした。

一見デジタルとは縁遠いように思える「落語」。今回の取り組みでは、「人を惹きつける話し方やプレゼンをしたい」「仕事の悩みや解決策をフランクに相談できる人がほしい」といったビジネス街である西新宿ならではの課題を、落語を通じて解決する場を"大人の部活動"としてスタートした。2020年12月から2021年1月にかけて全4回の講義を開催。芸団協の協力のもと、ベテランの真打を招き、落語のエッセンスを学びながら、西新宿で働く人同士のコミュニティを作り出そうというものだ。さらに、普段はなかなか注目されることの少ない「文化・伝統芸能の街」としての認知度を発信し、西新宿の魅力を再発見することも目指している。
参加者は10名前後で実施するが、その活動の過程を参加者自らがSNSで発信し、今後は他拠点とのオンライン接続を予定することで、多種多様な人々に取り組みの内容が広がっていくのがポイントだ。
参加者が高座に上がって話を披露!部活動の様子をリポート

2020年12月16日、実演芸術部活動コミュニティの第2回目の講義が開催された。今回会場に使われたのは、西新宿のレンタルスペース「ひらやないえ」。庭付きの平屋を改装した和室に寄席でおなじみの高座を設置した会場に、西新宿エリアに勤める参加者11名が集まった。新型コロナウイルス感染予防対策として、消毒や換気の徹底と、参加者同士がなるべく距離間を保ちつつ、さらに、医療施設を中心に導入が進んでいるウイルス抑制・除菌用紫外線照射装置を設置し、コミュニティ開始前、終了後に空間除菌を行い、畳の敷かれた和室の会場では終始アットホームな雰囲気の中で実施された。

講師を勤めるのは、落語界で21世紀初の真打となった桂歌若師匠。「落語を通じて自分の思いを的確に伝える訓練をする」という今回のテーマ通り、この日の内容は参加者の実践パートが多かった。

落語の小道具である手ぬぐいと扇子の使い方をレクチャーした後、第1回目のおさらいとして「先週の自分のハイライト」を高座に上がって発表。高座に上がって他の参加者を客として話すという普段はなかなかできない体験だけに、雑談に近い内容でも上手に話せず参加者は苦戦。その様子を見ていた師匠が「話す時はお客さんの方を見て」「話す時に体が動くのはこの場を去りたい心理の現れ」など、参加者それぞれの癖と改善点を丁寧にアドバイスしていた。
その後も、落語家もトレーニングで行うという五・七・五を使った言葉遊び「やりくり川柳」にチャレンジ。出題者が上の五文字を、解答者が下の五文字を同時に発表し、上下の句をうまく結びつけて川柳となるように中の七文字を解答者が答えるというもので、決まったテーマに沿って限られた字数で無駄なく的確に自分の意思や思いを表現して伝える訓練になるという。



いずれも落語の心構えやユーモアを楽しみながら学べ、かつ日常やビジネスシーンで良好なコミュニケーションを取るためのエッセンスとなる内容だったのが印象的で、まさに部活動と呼ぶにふさわしい講義。
参加者の一人は「プロの落語家の方に教わるという機会はとても貴重な体験。実際に高座に上ってみて『こんな感じでお客さんが見えて、後ろの方まで届くように声を出すんだ』というように、やってみての学びが多かったです。他の参加者の方ともフラットなコミュニケーションがとれて、みなさんの人柄も知れば知るほど楽しいです」と感想を語る。
「人前で喋る機会が多いので上手く喋れるようになりたい」という参加者は「すごく勉強になりました。噺家さんの心構えを持って高座に上がることは、日常生活にもつながる学びになる」と成果を話す。また「こういった場で新しい方と知り合えることも楽しい。ビジネスの上でも役に立つのではないか」と異業種コミュニケーションの場としての評価もあがるなど好評だ。今後の活動としては、実際に落語を覚え、最終回の第4回では参加者が一席披露することを予定しているという。
西新宿発の「芸能×ビジネス」の魅力発信へ
講師を務める桂歌若師匠は「こうした取り組みで伝統芸能・大衆芸能に目を向けていただけたのは我々としては非常にありがたい。東京は1年365日、何かしらの芸能が楽しめる世界でも珍しい街ですし、西新宿ということで言えば私の所属する落語芸術協会がある街。今後、落語に限らずさまざまな芸事に興味をもっていただき、この西新宿からさまざまなジャンルの芸能とビジネスとが結びついて大きく盛り上がっていけば」と、今後の部活動に期待をのぞかせる。
西新宿のスマートシティ化の実証実験として行われるこの取り組み。今後は、取り組みの中で得られた地域活性化のヒントやメッセージを他の地域へ発信や連携をするとともに、オンラインなどで利用する映像データ等を蓄積・活用できる共通基盤を構築し、西新宿の文化・伝統芸能の魅力も継続的に発信できる仕組みを目指している。そして落語だけでなく、日本舞踊、三味線などさまざまな伝統芸能を題材とした第二弾も検討されているという。この活動が広がれば西新宿の新たなにぎわいを生み出すことにもつながりそうだ。
遠出などができない反面、自分の住む、もしくは働く地域にしっかり目を向けられる良い機会ともいえる昨今。地元の強みを生かした部活動を通して、より魅力的に進化していく西新宿に注目だ。【PR/ウォーカープラス】
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