Uターン・定住を決意した2人が語る、北九州市ライフの魅力&一度は行っておくべき観光名所

東京ウォーカー(全国版)

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北九州市にU・Iターンをする、大学を卒業後も北九州市でそのまま働く、理由はさまざまだが、北九州市に実際にそのような暮らしを実現している人はたくさんいる。今まさに「いつかは自分も」と考えている人も多いはず。
今回、インタビューにご協力いただいた西方俊宏さん、長野さくらさんは、そんな北九州市ライフを選んだ2人。リアルな暮らしはもちろん、彼らが考える北九州市の魅力を聞いてみた。

おせっかいな街・北九州市で再確認する、繋がりの大切さ

『タンガテーブル』でマネージャーを務める、西方俊宏さん。肩書きが“まちの番頭”というのもユニーク


まず、お話をうかがったのは西方俊宏さん。生まれも育ちも北九州市だが、大学進学を機に一度は故郷を離れた。観光を通したまちづくりなどについて大学で学び、卒業後は熊本県の黒川温泉の旅館に就職。同温泉地の観光旅館協同組合でも働き、ますます観光業を通じたまちおこしに興味を抱く。
「黒川温泉ではトータル3年働きました。次のステップに進もうと考えているとき、地元・北九州市でゲストハウスを新たにオープンするという方と出会い、株式会社タンガテーブルに再就職しました。ただ、実は当初、『北九州市でゲストハウスなんて…』と懐疑的で(笑)。当時の私にとって北九州市は純粋に生活していた場所でしかなくて、観光という視点で見ると、なにもない場所としか捉えていなかった」と西方さん。

『タンガテーブル』があるのは、古ビルの4階


ただ、実際にゲストハウスを運営してみると、その考え方は変わったという。「もちろん温泉が豊富に湧く土地でもないですし、世界的に知られるような寺や神社があるわけでもありません。ただ、この“なにもないこと”が、北九州市の魅力だと気付かされたんです。北九州市は一言でいうと“おせっかいな街”。『どこから来たん?』とか、『そんな遠くから、なんで北九州市に?』とか、とにかくみんなフレンドリー。街の酒場などで、そんな会話から多くの出会いが生まれていますし、私自身、タンガテーブルで働き始めて、たくさんの人と出会い、人と繋がることの大切さを再確認しているところです」。

西方さんが働く『タンガテーブル』は、ゲストハウスであり、地元に暮らす人たちの交流の場でもある。ただ泊まるだけなら、ビジネスホテルという選択肢もあるが、何度もこのゲストハウスを訪ね、地元の人と交流を深め、最終的には北九州市に移住を決めた人もいるという。西方さんは「人というフィルターを通して見ると、北九州市は本当に面白い街。決して大きな街ではないですから、人の繋がりは連鎖しますし、新たな発見もきっとたくさんあると思いますよ」と話す。

タンガテーブルとは?

ドミトリータイプの客室


旦過市場そばにあるゲストハウス。ドミトリーをはじめ、個室、和室と部屋タイプはさまざまで、全67床を備える。もともとダイニングとして使用していた空間は、現在シェアキッチン、シェアオフィスのようなスタイルになっており、会員登録した地元の人たちが日常的に利用。西方さんは「地域の方々のたまり場のような空間になれば」と話し、ここを起点に、新しいビジネスや価値観が生まれる場所を目指す。

現在シェアキッチン・シェアオフィスのように利用されている『タンガテーブル』のダイニングスペース

『タンガテーブル』はさまざまな交流が生まれる場所


[タンガテーブル]北九州市小倉北区馬借1-5-25 ホラヤビル4階 / 093-967-6284
公式サイトはコチラから

北九州市でしかできない経験、人との繋がりで未来を描く

『門司港ゲストハウス ポルト』の“おかみ”長野さくらさん。「“おかみ”が平仮名なのは、まだまだ“女将”と名乗れるほど立派じゃないから」と笑う


『門司港ゲストハウス ポルト』の“おかみ”として働く長野さくらさんは、弱冠24歳。出身は愛媛県で、大学進学を機に北九州市にやってきた。実は学生時代、タンガテーブルでアルバイトをしていたそうで、長野さんは「タンガテーブルで得た経験、人との繋がりもあり、大学卒業後も北九州市に残ることに決めました」と話す。もともと、いつかは地元で宿泊施設を運営したいと考えていた長野さんは、東京など都心での就職も考えていた。ただ、就職活動をするなかで、「いわゆる一般的なオフィスで、毎日変わらない環境で働くというイメージが湧きませんでした。大学卒業後、そのまま地元に帰るという選択肢もありましたが、まだ北九州市でやり残したことがたくさんあって。タンガテーブル時代に得た人との縁で、『門司港ゲストハウス ポルト』に就職することになりました」と経緯を振り返る。

『門司港ゲストハウス ポルト』は築70年以上の元旅館を改装。和と洋が融合したユニークな造り


『門司港ゲストハウス ポルト』は門司港を訪れた観光客がメインターゲットと思いきや、意外にも利用が多いのは近隣に暮らす人たちだという。「2019年3月にゲストハウスをオープンした当初から、地元の方々にご利用いただきたいと思っていたんです。というのも、ゲストハウスってただ泊まるだけが目的じゃない。そこで偶然出会った人との繋がり、さらにその出会いを通じて生まれる価値観、それが一番の魅力だと私は思うんです。そういった考え方でいうと、北九州市は街の規模感がちょうどいい。海も山もあって、さらに工業も盛ん。だからいろいろな人がいて、自分が持っていない部分を補い合える。食事もおいしいですしね」と長野さん。西方さん同様、長野さんからも話題にあがった、人との繋がりというキーワード。事実、長野さん自身、『門司港ゲストハウス ポルト』という場所を通して、アーティストや画家、陶芸家など、さまざまな人との出会いがあったという。ゆくゆくは、地元・愛媛県に帰り、自身の夢を叶えるであろう長野さんだが、門司港でしかできない経験や人との出会いは、きっと、ずっと彼女の財産となりそうだ。

門司港ゲストハウス ポルトとは?

タイル張りの土間がノスタルジックなエントランス


2019年3月、門司港にオープンしたゲストハウス。石をモザイクアートのようにしつらえたファサードから雰囲気があるが、建物内に入るとさらに和洋折衷な造りに驚かされる。建物は3階建てになっており、2020年11月には最上階にオリジナルのアパレルや小物、地元作家の器、古本など、門司港と縁のあるアイテムを展示販売するスペース、その名も『ポルトの3F』を新設。もちろん、宿泊者以外も買い物可能だ。

シングル客室の一例。ツインや大人数向けの大広間といったタイプもある

オリジナルのTシャツやトートバッグなどを販売する『ポルトの3F』


[門司港ゲストハウス ポルト]北九州市門司区東門司1-10-6 / 093-342-9938
公式サイトはコチラから

西方さん、長野さんがおすすめする北九州市のスポットがこちら

北九州の台所と称される活気ある市場

【西方さんおすすめ】北九州の台所「旦過市場」

北九州市中心部に位置し、地元民や観光客でにぎわいを見せる。歴史は古く、大正時代の初め、紫川の支流・神嶽川沿いで船から荷を揚げて商売をしたことが起源とされ、今なお昭和の雰囲気が漂う。市場周辺を含めて、約120店舗が軒を連ね、精肉店、鮮魚店、青果店、食事処のほか、小倉名物の「ぬか炊き」の専門店など、北九州市ならではのグルメが楽しめる店も。なかでもユニークなのが「大學堂」。北九州市立大学の学生と旦過市場が共同運営する店舗で、大学生が開発したイカスミカレーなどが好評だ。

イワシやサバなど青魚をぬか床に入れて炊く、小倉名物の『ぬか炊き』

【西方さんコメント】
昔から地域の方々に愛され続けている市場です。決して洗練されているわけではないですが、昭和期から変わらない味わい深さがいい。歩いて見て回るだけでもわくわくしますよ。

[旦過市場]北九州市小倉北区魚町4-2-18 / 093-521-4140(旦過市場事務局)

【長野さんおすすめ】小倉から車で約40分。大自然と触れ合える「平尾台」

多くの石灰岩が地表に顔を出している、羊群原。駐車場も完備する吹上峠休憩所から登山道を歩いて15分ほど


日本三大カルストの一つに数えられるスポット。天然記念物・国定公園・県立自然公園の指定を受けており、手つかずの自然が残る。標高約330〜約712m、南北6km、東西2kmにわたり石灰岩が点在する一帯は、緩やかな稜線を活かして登山道が整備され、トレッキングコースとしても人気が高い。15分程度歩けば間近で見られる羊群原をはじめ、車でアクセスでき、気軽に美しい景色を堪能できる「見晴台」もおすすめ。観光鍾乳洞の一つ「千仏鍾乳洞」、公園やキャンプ場として利用できる「平尾台自然の郷」など、観光名所も点在。

『見晴台』から眺望した平尾台。初夏は新緑、秋はススキと一年を通して美しい景色が広がる

【長野さんコメント】
大草原に囲まれていると異世界に来たような気分になれますし、天気のいい日は星もキレイです。最近はフェスやハイキングイベントが行われ、以前より注目されるようになってきました。小倉から車で約40分とアクセスもしやすいです。

[平尾台]北九州市小倉南区平尾台 / 093-453-3737(平尾台自然観察センター)

まだまだある!北九州市で注目の観光スポット

ゲストハウスを運営し、観光スポットに精通した西方さんや長野さんはもちろん、北九州市民ならだれもが知っている観光名所はまだまだいっぱい。さらに、ユネスコ無形文化遺産や国の重要無形民俗文化財に指定されている祭りも、北九州市民の誇りだ。北九州市に来たら、ぜひ立ち寄ってほしい&見てほしい、3スポットと祭りをご紹介。

【その1】夜景

標高622mの皿倉山山頂に整備された展望台からの眺め。100億ドルの夜景と称される


まずは夜景。市内に夜景名所は数多く点在するが、なかでも有名なのが「皿倉山」。「日本新三大夜景」、「夜景100選」に選定された全国に誇る名所で、市街地の灯りはもちろん、洞海湾沿いの工業地帯、赤色のライトアップがシンボリックな若戸大橋など180度の大パノラマで夜景が広がる。山頂展望台まではケーブルカーとスロープカーを乗り継いで行けるとあって、多くの観光客が一年を通して訪れる。ほかにも、「高塔山」や「足立公園」、「門司港レトロ展望室」など市内には注目の夜景名所があるので、そちらも合わせてチェックしてみよう。

[皿倉山] 北九州市八幡東区大字尾倉1481-1(皿倉山ケーブルカー山麓駅)/ 093-671-4761(皿倉山ケーブルカー)

【その2】夕日

『遠見ヶ鼻』から望む見事な夕景

山もあり、海も近い、自然豊かな北九州市の絶景の一つが美しい夕景。とくに玄界灘に沈む夕日を遮るものなく堪能できる「遠見ヶ鼻」が有名だ。「遠見ヶ鼻」は北九州市若松区の若松北海岸にある岬で、海岸段丘に妙見埼灯台も建つ、シンボリックなスポット。夕景鑑賞に訪れる人は多く、ベンチやテーブルを備えた東屋なども整備されている。そのほか、煙突などがシルエットになる工場地帯周辺でも北九州市ならではの夕景が楽しめる。

[遠見ヶ鼻] 北九州市若松区大字有毛 / 093-771-3559(北九州市若松区役所総務企画課)

【その3】安川電機みらい館

3フロアからなる『安川電機みらい館』。外観もシンボリックだ画像提供:安川電機


北九州市が世界に誇る企業の一つ「安川電機」。1915(大正4)年創業と、会社の歴史は古く、世界トップシェアを誇る産業用ロボットをはじめ、目標値に対して高速・高精度に制御できるACサーボモータ、省エネとCO2削減に貢献するインバータが代表的な製品。

近未来を思わせる2階「FUTURE EXPERIENCE」。産業用ロボットなどを展示画像提供:安川電機


そんな「安川電機」のものづくりの楽しさ、凄さを体験できるのが、ここ「安川電機みらい館」だ。北九州市の学校の社会科見学にも多く活用されている。見学には事前予約が必要。詳しくは電話で問い合わせるか、公式HPをチェックしてみよう。

[安川電機みらい館] 北九州市八幡西区黒崎城石2-1 / 093-645-7705 / 9:30〜16:40 / 土日休み
公式サイトはコチラから

【その4】戸畑祇園大山笠

12段に309個もの提灯を飾った大山笠。高さ8.5mと迫力満点だ


小倉祇園太鼓や博多祇園山笠と共に、福岡県の夏の三大祭りの一つに数えられる「戸畑祇園大山笠」。210年を超える長い歴史を誇り、ユネスコ無形文化遺産や国の重要無形民俗文化財にも認定。昼と夜で姿を変える大山笠が祭りのシンボルで、夜に見られる提灯を重ねた様は壮観の一言。提灯山の愛称で広く親しまれている。毎年、7月の第4土曜を挟む、3日間で開催。

[戸畑祇園大山笠] 北九州市戸畑区 / 093-871-2316(戸畑祇園大山笠振興会事務局)

どこに行くにもアクセスの良い北九州市、近隣にも魅力的な観光地が!

多彩なグルメがそろう旦過市場や、自然豊かな平尾台など、北九州市にはさまざまな観光スポットがある。また、北九州市はどこに行くにもアクセスが良いので、絶景の宝庫・山口県下関市、日本有数の温泉地・大分県別府市への観光も手軽に楽しめる。

関門海峡を渡ればすぐ!山口県下関市

多くの船が行き交う海上交通の要所、関門海峡


北九州市と関門海峡を隔てて位置する下関市には、圧倒的なロケーションの良さからCMロケ地などにも使われる「角島大橋」など、絶景スポットが点在。

コバルトブルーの海が美しい角島大橋


さらに、明治時代にふぐ食先駆けの地となり、今やふぐ料理の本場といえば下関と名高い。

下関市内にはふぐ料理の名店が多数


全国有数の温泉地、大分県別府市

街中のいたるところから湯けむりが上がる別府市


一方で北九州市から南東を目指すと、大分県へ。なかでも北九州市を起点とする東九州自動車道が開通し、よりアクセスしやすくなったのが別府市。温泉の湧出量、源泉数共に日本一という全国区の温泉地で、「別府八湯」と総称される、8つの温泉地が有名だ。

大分では日常的に食べるとり天。店や家庭によって味わいはいろいろ


大分県の郷土料理「とり天」発祥の店といわれる老舗、佐賀関で水揚げされる「関サバ・関アジ」が産地直送のリーズナブルな価格で食べられる店などがあり、食の選択肢が豊富なのもうれしい。

関東や関西の市場で高値で取り引きされる関サバ、関アジ


北九州市に住んでいれば、いつもの週末に「ちょっと別府に温泉入りに行こうか」「今日は角島にドライブしよう」ぐらいの感覚でお出かけも可能。住んでよし、出かけてよしの北九州市の魅力をKitaQフェスを通して、もっと体感してみよう。

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