「勇気を持って捨てる!」さまざまなクラブを経験してきた人気Bリーガー・川村卓也が新入生・新社会人へ贈る言葉

東海ウォーカー

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新入生や新社会人など、春から新生活を迎える人も多いはず。「引っ越しは?」「人間関係はどうなる?」「上司や先輩との関係は?」など、環境の変化は不安がつきまとうもの。そこで、多くのBリーグファン・選手から愛される男、シーホース三河の川村卓也選手に頼もしい金言をもらってきた。これまでさまざまなクラブを経験してきた男だからわかること。大切なのは、“捨てる勇気”と“楽しむ勇気”!

Bリーグで最も愛される選手のひとり、川村卓也が新入生・新社会人にメッセージを送る


整理することでリセットできる。思い出は心に残るものだから

――川村選手は高校卒業後、オーエスジーフェニックス(現三遠ネオフェニックス)とプロ契約。現在にいたるまで6つのクラブを渡り歩いてきました。Bリーグをひとつの大きな会社と考えて、各地にあるクラブを支社とするなら…。
【川村卓也】めちゃくちゃ異動の多いサラリーマンになりますね(笑)。今34歳で、15年ほどのキャリアで6つのクラブですから転勤族だと思います。19歳でこの世界に入ったんですけど、世間知らずで移籍についても無知でしたし、「この場所で、自分のバスケ人生は長く続いていくんだ」と思っていました。それがまさか6クラブも経験するなんて、全く想像していなかったです。

――移籍することは住まいも変わるということ。引っ越しの際に心掛けていたことはありますか?
【川村卓也】思い切って捨てることですね。生活していくうちに自然とモノって増えるじゃないですか?大切なモノだっていっぱいある。それをリサイクルに出したり誰かにあげたりして、感謝を込めて手放すようにしてきました。

――それは勇気が入りますね。
【川村卓也】移籍が決まった直後は寂しいですし、思い入れのあるモノを残しておきたい気持ちはあります。やっぱりその土地やクラブが好きですから。だけど、「次の街にはどんなお店があるのかな?」とか「次のチームにはどんな人がいるのかな?」とか、前向きに考えるためにも整理って必要だと思うんです。モノを整理することで気持ちも整理できる。切り替えですね。僕は必要最低限のモノしか残さないようにしてきました。だから、頑張って捨てること。思い出は心に残るものですから。

――ありがとうございます。続いては人間関係について。人間関係を築くうえで大切にしていることは?
【川村卓也】新しい環境に入ったなら「自分はこういう人間です」と知ってもらうことが大切だと思います。僕は人見知りをするタイプではないので、後輩でも先輩でも、自分から積極的に話しかけるようにしてきました。コミュニケーションが苦手な人でも自分のことを知ってもらう努力は必要かなと思います。ただ、上司に対しては出過ぎないことが大切かな(笑)。

――川村選手はコミュニケーションに長けている印象があります。人間関係で失敗したことはありますか?
【川村卓也】そんなの失敗ばかりですよ(笑)。自分でも生意気な人間だと思いますし、敬語をうまく使えない時期もありましたから。上下関係をきちっとさせたい先輩がクラブにいるのは当然で、僕のようなタイプを好きじゃない人だって必ずいます。「上下関係や社会人としてのマナーを身につけなさい」とよく言われましたね。でも、それはオフコートの部分についてであって、オンコートではあまり関係ないかと。

――というと?
【川村卓也】試合中は、先輩でも後輩でも遠慮は必要ないということです。僕はボールを要求して積極的に得点を狙うタイプのプレーヤーで、そのスタイルを若いころから貫いてきました。「生意気な若造」に映ったこともあったと思います。でも、スタイルを曲げる必要はないと思いますし、ヘッドコーチから直すように指摘されたこともありません。ただ、「コートから出たときは、上下関係などきちっとしてね」と。失敗はオフコートの部分ですね(笑)。

類稀なスキルを持ち、リーグのトッププレイヤーとして活躍する川村選手

ふざけて寝ているわけではなく、チームメイトのシュートに驚いて倒れたパフォーマンスを披露


不安は自己暗示。それよりも楽しい出会いを探すこと

――人間関係で失敗という話がありましたが、今では「川村卓也」というキャラクターを多くのファン・選手が認知していると思います。やんちゃでふざけてチームの盛り上げ役もやる。どうしても目立ってしまう選手です。でも、貫いてきたからこそ、なにをやっても「川村さんだから」と許される存在になった気もします。
【川村卓也】それだったらうれしいですけどね(笑)。やっぱり、芯の部分はぶれちゃいけないと思うんです。どのクラブにいたときも僕はこういうキャラクターでしたし、それを認められない人や好きではない人もやっぱりいたと思います。だからといって自分を曲げる必要はない。キャラクターを貫き通せば、それを理解してくれる人も出てきます。バスケットボールのスタイルも同様です。自分の芯は簡単に譲ってほしくないですね。

――ちなみにバスケットボール以外でやってみたかった仕事はありますか?
【川村卓也】美容師になりたかったんですよ。僕が提案したヘアースタイルを気に入ってくれると思うとすごくわくわくする。実は、今のツーブロックの髪型も自分で切っています。ほかにはアパレルとかも興味がありました。おしゃべりしながら提案して、その人の良さを作っていく。人を喜ばせることが好きなんですよね。

――環境の変化を怖がる人も多いと思います。アドバイスするなら?
【川村卓也】不安に思う気持ちって、間違ってないけど必要じゃない。社会人なら「仕事がうまくできるかな?」とか、学生なら「人間関係でうまくいくかな?」とか不安があると思います。でも、そんな問題は時間が解決してくれる。それよりも新しい場所には楽しいことが溢れていると考えたほうがいいですね。実際にそうだと思いますし、次々と目の前にやって来る新しい出来事を楽しく受け取ってほしいと思います。

――楽しむ勇気ですね。
【川村卓也】不安って暗示みたいなものだと思うんです。誰かに言われたわけでもないのに、自分で勝手に「不安だ」と思い込んでいる。それよりも「明日はなにをやろうかな?」「誰と会えるかな?」と楽しみを探したほうが新しい環境に早くアジャストできると思います。

――最後に新入生や新社会人にメッセージをお願いします。
【川村卓也】楽しむことを最優先にしてください。たとえ失敗しても、次に生かせばいい。環境が変わればいろいろなことがあると思いますが、前向きな気持ちで楽しむことを忘れないでください。

かわむらたくや●1986年、岩手県生まれ。盛岡南高校を卒業後、オーエスジーフェニックスと契約。日本のバスケ界で最初の高卒プロ契約選手となる。その後、リンク栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)などを経て、2019年にシーホース三河へ入団。「オフェンスマシーン」の異名を持ち、類稀なスキルとシュートセンスを武器に得点を量産。リンク栃木ブレックス時代にはJBL(日本バスケットボールリーグ)得点王にも輝いた。

試合後は笑顔を絶やさない。ファンはその姿を見て好きになる

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