銀座に誕生する完全個室サロン「サロンビレッジ」、美容師の新たな働き方とは?

2021年3月5日 23:25更新

東京ウォーカー(全国版)

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全国の美容室の店舗数をご存じだろうか。2019年の統計では大台の25万店を超え、コンビニの約5倍という激戦業種となっているのだ。さらにコロナ禍が追い打ちとなり、新規独立を目指す美容師にとって厳しい状況が続く中、東京・銀座に新しいスタイルの複合型サロン「サロンビレッジ」がオープン。契約した美容師に完全個室を提供するという新たなスタイルのサロンならではのメリットと、コロナ禍で迎えた美容師の働き方の転換点とは。

サロンビレッジを運営する株式会社WBP代表取締役の山本豊さん(写真左)とサロンマネージャーの柳尚一さん(写真右)


銀座のエキチカ一等地に誕生する「完全個室サロン」

【写真】銀座・昭和通り沿いにオープンするサロンビレッジ

銀座駅・東銀座駅それぞれ徒歩5分、昭和通りに面した好立地のオフィスビルの地下1階にオープンしたサロンビレッジは、美容師ごとに個室スペースを提供するサブスクリプション型のサロンだ。複数の美容師でひとつの施設内を共有するシェアサロンとは異なり、壁で仕切られた個室空間を契約者が専有する形をとるのが特徴で、契約したスペース内はインテリアを自由にカスタマイズすることが可能。1室ごとがいわば独立した店舗となっている。

契約した個室内のインテリアは自由にカスタマイズ可


来店者は共有の待合スペースでスマートフォンを使って予約した美容師に連絡。各美容師が施術室に案内する仕組みだ。個室スペースの広さは6平方メートルで、美容室用のセット椅子はもちろん、ベッドも十分設置が可能な面積。施設側で移動式のシャンプー台を用意しており、シャンプー台への移動などの手間を伴わず、カットからシャンプー、会計までをスペース内で完結できるのが大きなポイントのひとつだ。

個室スペースはベッドも設置できる広さでフットケアなどの施術も可能


また、美容師の他にもネイリストやアイリスト、フットケアなど個室で施術が提供できる業種でもスペースを契約することができ、プレオープン中の2月現在は全14個室中3室に美容師以外の業態が入居している。

「1対1」のニーズに応える完全個室、コロナ対策にも力を注ぐ

壁で仕切られた個室スペース。各入り口はカーテンを設置


サロンビレッジ内の各個室では客と施術者が基本的に1対1での対応となるため、「最初から最後までひとりの美容師に施術してもらいたい」「他の客と同じ空間を共有するのが気になる」という需要に応えられる形となっている。さらに、スタッフの入れ替わりなどがないことから、施術時間の短縮にもつながるという。

移動式のシャンプー台を用いて施術台とシャンプー台の移動を省略できる


また、天井に近い部分は壁が取り払われた設計で、個室でありながらも空気がこもることや個室特有の閉塞感を避けているのもポイント。施設内には同面積での一般的な換気扇の2倍の台数を設置しており、コロナ禍の中でも十分な換気能力を確保。さらに病院など医療施設でも使われる空気清浄機を施設全体の設備として設置するなど、施設全体で感染症対策に力を入れる。

美容室の飽和で新規独立が厳しい美容師…個人で働ける環境を提供

美容室ではなく個別の美容師を指名したい顧客にとってメリットの大きいサロンビレッジのスタイルだが、それは契約する美容師側にとっても同様だ。サロンビレッジを運営する株式会社WBP代表取締役で自身も美容師の山本豊さんは、本サービスの提供に至った背景に独立を阻む「美容室のオーバーストア(店舗過剰)状態」があったと話す。

「美容師は独立を前提とした業種なのですが、美容院の数は25万店を超え、せっかく独立しても経営が厳しい状況となっています。他方、コロナ禍でこの銀座でも美容室に新規で訪れるお客様は減少してしまったのですが、美容師を指名して訪れるお客様の数には伸びがあって、『この人にやってもらいたい』という意向はコロナ禍にあっても強いつながりになるのだと感じました。こうした個の時代にあって、お店の枠にはめるのではなく、美容師個人が思い思いに働ける環境を提供したいと思い本サービスをスタートしました」(山本さん)

ECサイトや物品購入も支援、美容師の「新しい働き方」確立へ

山本さんによると、都内で美容師が独立開業する際の物件取得などの初期費用は約1000万円程度。その上で銀座の場合賃料が月額20万円を超えてくることから、独立に大きなリスクが伴うこととなる。そこでサロンビレッジでは、各スペースの利用契約料を月額19万8000円(税別)からとし、個別の売上への歩合制は取り入れず契約料以外の追加の出費がないプランを作成した。シャンプー台やチェア、鏡面やワゴンなどの備品を提供することで、相対的に少ない初期投資で個別スペースでの独立開業ができる仕組みを整えた。

施術者個人による個室内での物販もできる


また、オンライン物販サービスを提供し、美容師が商品販売を行える環境や、薬剤や機材などの購入支援なども実施し、ただスペースを提供するだけにとどまらず、施術以外の煩雑な負担を軽減しようという試みも行っていくという。

新型コロナウイルスがいまだ収束しない中、3月1日(月)にグランドオープンを迎えるサロンビレッジ。山本さんは「コロナ禍で個室需要は高まっていますが、もともとコロナに関係なく作りたかったサービス。さまざまな業種でフリーランス化も進んでいますが、美容師とフリーランスも相性がとてもいい。今後も美容師が自由に働ける新しい独立の形として伸びていくと思います」と展望を語る。

新型コロナの時代が働き方やサービスに大きな転換点をもたらす中、「美容室」ではなく「美容師」個人が主役となったサロンのこれからに注目だ。

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