海も山も楽しめる千葉県の魅力を深掘り!識者が教える絶景穴場スポットも
東京ウォーカー(全国版)
海と山、両方の自然を楽しめる千葉県。都心からのアクセスも良く、気軽にリフレッシュしたい時のお出かけ先にぴったりだ。今回は、千葉県の自然に詳しい5人の識者を招いて行われた、オンライントークセッションの模様をご紹介。海と山、それぞれの魅力やおすすめのスポットなど、見逃せない情報が満載となっている。
トークセッション参加者プロフィール
【海推し代表】
・シークロップダイビングスクール代表 成田均さん
30年以上、館山市坂田でダイビングスクールを運営。ダイビングの経験は2万本以上を有し、世界的フリーダイバーの故ジャック・マイヨール氏とも交友が深かった。
・千葉県立保健医療大学 田中宏明さん
旅行と鉄道が趣味で、3年間で日本全国の8割の鉄道路線を乗り潰すほどのめり込んでいる。海だけでなく、山への関心も高く、普段から千葉県の自然の魅力を広めたいと思っている。
・千葉県生物多様性センター 大木淳一さん
104年ぶりに千葉県で上位蜃気楼の撮影に成功した経歴を持つ蜃気楼愛好家。毎朝、九十九里に赴き、趣味の朝日撮影を行っていたところ偶然にも上位蜃気楼を発見。
【山推し代表】
・日本焚き火協会事務局長 三橋晃大さん
日本焚き火協会設立メンバーで30年以上アウトドアに親しんでおり、県内アウトドアスポットの深い知識を有する。高校まで千葉市で暮らし、仕事でも千葉と密接な関係性にある。
・千葉県印旛土木事務所 堀江政司さん
富士登山と富山町(南房総市)でのハイキングツアー参加をきっかけに山好きに。実家のある大多喜町の街並みをこよなく愛する。
行くたびにハマる広大な海の魅力

司会:まずは海推しの皆さんにお聞きします。成田さんが海を好きになったきっかけは何だったのでしょう?また、千葉県の海にはどんな魅力があると感じていますか?
成田:海を好きになったきっかけは、幼い頃よく父に連れられて行った海辺のキャンプです。海好きだった父の背中を追うように海に関わる道に入りました。また、千葉県の海は、私の故郷である秋田県の海に比べて、魚種が非常に多く、それが魅力の一つだと感じています。 1度や2度潜っただけでは気づかなかった魅力に段々と気づいていくのが、海の奥深さです。
司会:長い間、千葉県の海に潜り続ける中で、「海の変化」を感じることはありますか?
成田:1977年頃からずっと千葉の海に潜ってきているのですが、15年前くらいから段々と水温が高くなってきているように感じます。私の経験則で、13度より水温が低いとクマノミが越冬できないのですが、近頃は館山エリアでもクマノミの姿がよく見られます。
また、エダミドリイシなどの枝珊瑚系が増えてきたようにも感じます。10年ほど前に着床した240〜250ほどのサンゴの群体がどんどん大きくなっていたり、 20年前だったら絶対に見られなかった珍しい魚が生息するようになったり。確実に千葉の海は「南の海化」してきていると感じますね。
司会:なるほど。ありがとうございます。田中さんは、何をきっかけに海が好きになったのでしょうか?千葉の海の魅力についても教えてください。

田中:私が千葉の海に魅了されたきっかけは、幼い頃、両親に連れて行ってもらった稲毛海岸の風景です。千葉県における海の身近さを体感しました。実は鉄道にも興味があり、外房線、内房線を使って房総半島を一周したことがあるのですが、安房小湊駅付近の高台から見えた海の景色は、今でも忘れられないほど感動しました。
また、山間を走る小湊鐵道やいすみ鉄道、JR久留里線などのローカル鉄道は1時間も乗れば、山の中に気軽に行けて、里山ののどかな風景を楽しめる魅力があります。特にいすみ鉄道の「久我原駅」は、人気のない森の中にあり、非日常感を楽しめるので、秘境駅好きとしてはたまりません。
千葉県の海は蜃気楼の穴場スポット

司会:鉄道で外周して観光できてしまうのも千葉県ならではですよね。皆さんも一度は車窓から観える大海原の風景に心奪われたことがあるのではないでしょうか。大木さんは過去に全国でも珍しい「上位蜃気楼」の撮影に成功されているそうですね。

大木:カメラが趣味で、特に朝日が好きだったので、年に10回ほどしか見られない“だるま太陽”を撮影するためにいつも早朝に準備していました。そんな中、まれにお椀型や四角形の太陽が観られることに気づき、それが実は上位蜃気楼と呼ばれるものだったんです。
司会:趣味の朝日の撮影が、偶然にも上位蜃気楼の発見に繋がったのですね。素人でも楽しめる蜃気楼スポットはありますか?
大木:頻繁に観られる水面に映ったような蜃気楼(下位蜃気楼)であれば、三方を海に囲まれた千葉県はどこの海でも観られる穴場スポットと言えます。冬の海ほたるでは360度見渡す限り蜃気楼だらけでびっくりしました。これは皆さんにもぜひ行って確かめてもらいたいです!
寒い季節のキャンプにも最適!千葉県の里山の楽しみ方

司会:続いて、山推し代表の方々に聞きます。まずは日本焚き火協会事務局長の三橋さん、焚き火の楽しみ方について教えていただけますか?
三橋:楽しみ方は人それぞれだと思っていて、ご家族や友人と一緒に焚き火を囲んで普段話せないような深い話をしてもよし、1人で焚き火を見つめながら自分の内面と向き合うもよし。ルールを守りながら、ぜひ自分に合った焚き火を楽しんでみてください。
司会:人の数だけ焚き火の楽しみ方があるのですね。ちなみに千葉県の山の特徴や魅力についてはどう思われますか?
三橋:千葉県には北アルプスのような3000メートル級の山々はないですが、日本人なら誰もがノスタルジーを感じられる里山が多いことが魅力の一つだと感じています。また、低山だからこそ冬でも比較的温暖に過ごせるので、「冬のキャンプ」を楽しむならぜひとも千葉県に来ることをおすすめします。
司会:ありがとうございます。続いて、堀江さんが山に惹かれるようになったきっかけやおすすめスポットを教えていただけますか?

堀江:私は過去に富士山に登ったことと、富山町(南房総市)のハイキングツアーで崖から眺めた景色がきれいだったことから山が好きになりました。個人的におすすめのハイキングスポットは鋸山(鋸南町)です。また、これは理想ですが、私が「千葉県の観光大使になれる」のであれば、実家のある大多喜町の町並みを紹介するツアーコンダクターをやってみたいですね。お城や城下町など魅力のある建物が数多く残っているので、これらの魅力を伝えていきたいです。
司会:それは面白そうなアイデアですね。せっかくなので、他の方にも「もし千葉県の観光大使になったら?」についてお聞きしてみましょう。大木さんはいかがですか?

大木:私は“蜃気楼大使”として、いろんな蜃気楼を案内して回りたいです!日本で最も蜃気楼が有名な富山県魚津市では、蜃気楼が発生すると町内アナウンスや花火が上がります。千葉県ではまだそこまで力は入れられないとは思いますが、地の利を活かして、「東京から一番近くで蜃気楼が見える県」というキャッチフレーズでPRしていけるのでは?と考えています。激レアのグリーンフラッシュも見られるので本当に魅力満載です!
海と山を同時に満喫できるのが千葉県の魅力
司会:ここまでそれぞれの意見を聞いてきましたが、皆さん心の中では千葉県の海と山、両方好きと思っているのではないでしょうか。実際に千葉県の魅力も海単体、山単体という訳ではなく、お互いに魅力を高めあっているような感じがします。
三橋:そうですね。千葉県の海は里山と比較的距離が近いところも多いので、海と山を両方同時に楽しめるのは千葉県ならではの魅力だと思います。スポットでいうと東京近郊では珍しい砂浜のキャンプ場「根本マリンキャンプ場」(南房総市)や、海と自然が一体化していて離島気分も味わえる「沖ノ島」なんかもおすすめです。
司会:海と山(自然)が一体化したスポットは全国にもあまりなさそうですね。三橋さんはかなり千葉県の自然スポットにお詳しそうなので、とっておきのマル秘スポットを教えていただけませんか?

三橋:では特別に、普段は人に教えないマル秘スポットをご紹介しましょう。「ACNオートキャンプ in 勝浦まんぼう」(勝浦市)という山間のキャンプ場は海まで歩いて行けて、近くの松部港で釣りが楽しめます。また、「尾名浦」という海水浴もできる小さな入り江のビーチも近く、メガネ岩という長い間の海蝕と風化によって自然にできた洞があり、秘境感のあるとても風光明媚な場所です。春先に大多喜の道の駅で朝採れの筍などを買って「勝浦まんぼう」のキャンプ場で焚き火で焼いて食べてみてはいかがでしょうか。

司会:貴重な情報をありがとうございます。最後に田中さん、千葉県の海の魅力について語り足りないことはありますか?
田中:千葉県の海の魅力はなんといっても「バリエーションの豊富さ」だと思います。北西部の海岸ではレジャーや京葉工業地帯の夜景が楽しめたりします。内房にはアクアラインや岬があり、旧日本軍の施設も残っています。また、館山の海ではダイビングができ、南国の雰囲気が楽しめます。外房では海水浴や朝市などが楽しめるほか、景勝地が多くあります。これらのバリエーションこそが関東近県にはなかなかない千葉県の海の魅力であり、強みだと思います!
司会:最後に熱くしめていただきありがとうございます。今回、みなさまそれぞれのお立場、得意分野より千葉県の自然の魅力について深く伺っていく中で、単体ごとの魅力もさることながら「海、山の総合力」が千葉県の魅力だと改めて感じました。千葉の海、山の魅力が県内外の1人でも多くの人に伝わることを願いつつ、また皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
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