より高められた「知性と教養」。新型アウディA3を試乗
東京ウォーカー(全国版)
昨年のインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したアウディA4。その弟分で、
我が国で最も販売台数の多いアウディA3の新型車が今年2月に発売開始した。今回、アウディA3の中でも約7割の販売台数を誇るという人気モデル、1.4リッターエンジン搭載車を早速試乗した。

新型アウディA3最大の特徴は、約65km/hまでの速度で前走車などとの衝突の危険を感知すると警告を発し、必要ならフルブレーキも自動的に作動する自動ブレーキシステムや、前車に追従して速度を自動制御するアダプティブクルーズコントロールなどの先進の運転支援機能の標準装備。さらにオプションで、渋滞での完全停止・再発進まで制御するトラフィックジャムアシストや車線逸脱を防ぐAudiアクティブレーンアシストなどの、より高度な運転支援機能もセーフティパッケージとして用意する。より一層の安心・安全なドライブを実現するのだ。

そして、オプションでバーチャルコックピットの搭載が可能とした。メーターパネル全体を12.3インチの高精細モニターとすることで、運転に必要な情報をすべて表示。必要に応じてナビの地図やオーディオ、電話などのメニューをステアリングを握ったままで、表示切り替えが可能だ。
A3のラインアップは、大きくわけて1.4リッターTFSIエンジンの前輪駆動モデル。そして2.0リッターの四輪駆動モデル(クアトロ)の2種類を用意。それぞれに、ベーシックモデル、サスペンションやホイールをアップグレードしたスポーツモデル、そしてS-Lineと呼ぶパッケージをラインアップする。
完成度・満足度共に高く、これ以上何を求めるようか?

今回は、ビビットな赤が美しいA4のSportを1泊2日借り、昼夜問わず、都内や神奈川県の各所をドライブした。エクステリアを見回すと、シングルフレームグリルとヘッドライトが、より一層シャープなデザインに進化。ひと目でアウディとわかるこのデザインは、さらに洗練さを増しているように見える。

ドアを開ければ、アウディらしいスポーティーでありながら上品な室内空間に心が踊る。シンプルな美しさゆえ、長年乗っていても飽きることはないだろう。夜になると白色LEDのイルミネーションが車内を美しく引き立たせる。なにより、コンパクトカーとは思えない広さと居住性の高さにも驚く。特筆すべきは、手触りのよいファブリックのシートで、体をしっかりとサポートするし、クッションの厚みや硬さも絶妙だ。
居心地の良さは、使い心地の良さにも使っている。まず、ボタンやノブの感触が、上位モデルとほぼ同等でカッチリしている。インターフェイスが使いやすいのも特筆で、マニュアルを見なくても大抵の事は直感的に操作できそうだ。そしてハッチバックの合理性とワゴンの使い勝手を両立したようなボディサイズと室内レイアウトは、4.2mという全長とは思えないほどの広さを感じさせる。

この室内の印象について、モデルを務めた有澤由真に尋ねてみると「直線を基調としたシンプルモダンなデザインの中に、丸いエアコンの吹き出し口を配置するなど、遊び心を感じます。いつまでも少年の心を忘れない大人に似ているような、そんな感じです」と好印象を抱いたようだ。
心地よさを、さらに高めるのがオプションのバング&オルフセン製カーオーディオの音質だ。楽曲を情報として捉えて鳴らすのではなく、音楽に必要なエッセンスを抽出しドライバーに届けてくれる。中域を厚めにしたB&Oサウンドは耳触りがよく、シミジミいい音だなぁと感心する。深夜、芝公園や六本木付近を走行しながら聴いたビル・エヴァンスの名盤「ワルツ・フォー・デビー」は、車窓と車内のイルミネーションの美しさとエヴァンスが奏でる静かなピアノが見事に呼応。名演もさることながら、ライブ盤ゆえの客席からの音が生々しく、車内がまるでジャズスポットになったかのよう。
居心地の良さは、走りにも現れている。新型A3は、一言で言えば「静か」だ。車内は外部と完全に隔離された空間だ。路面からの凹凸をあまり感じることはなく、まるでミズスマシのよう。きっとボディの剛性が高く、サスペンションがきちんと機能しているから実現したのだろう。静粛性はアイドリングストップにも現れており、いつ止まって、動きだしたのかが、音や感覚からは本当にわからなかった。高速道路に乗ると「静か」という印象はさらに高まる。スピードレンジを上げていっても不安感なく、路面をなぞるかのように進む。家族や大切な人との会話を邪魔しないところに、プレミアムブランドの力を感じる。
運転しやすいのもアウディならではの美質。視野が広くて死角が少なく感じるのもよい。小回りも効くし、なにより、車速感応型のパワーステアリングフィーリングが適切。女性でも扱いやすいと感じることだろう。アウディが世界で初めて搭載したというLEDヘッドライトは、驚くほどの見やすさ。対向車を検知して明るさをコントロールするというから驚きだ。

試乗車にはバーチャルコックピットが搭載されていたのだが、これがまた便利。何度か体験はしているものの、使う度に「これだけでアウディに乗る価値がある」と思わせるものだ。インパネ内の液晶画面にナビゲーションを表示させながらの運転が、視点移動をあまり行わないことの疲労感の低減と、斜俯瞰表示による理解度の速さに貢献することの素晴らしさを体験した。他社にはインパネ内の液晶画面で、交差点で略式図を表示するモデルもあるが、表示は細かいものの、こちらの方がスマートな気がする。
定められたパッケージの中に、これ以上何を求めようか、と思えるほどの完成度を誇る新型アウディA3に、プレミアムブランドの底力を見た気がした。同乗していたモデルの有澤も「質感が高くて素敵。それに運転のしやすさをはじめ、細かな収納の一つ一つまで使い手への配慮が行き届いていて、とても使い勝手のよい1台だと思います。ですので、はじめての1台にもピッタリだと思いますし、長く乗り続けられるモデルであると感じました」と気に入ったようだ。
知的で上品、そして使い勝手の良さと居心地の良さ。アウディは30代~50代のファミリーに適しているモデルであると語る。なるほどこれは長く乗り続けられる一台だなと、試乗して納得した。【ウォーカープラス編集部】
クリタタカシ
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