医療従事者や患者へ「花火の出前」 100周年の老舗メーカーが花火を見られない人へ贈る“花火の花束”

東京ウォーカー(全国版)

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「花火を見せることが一番の良薬」。岐阜県の老舗花火メーカーが、6月1日から病院・施設で花火を無料で打ち上げる“出前サービス”をスタートした。花火業界もコロナ禍で苦境の中、創業100周年を迎える「高木煙火」が、治療や療養中で外出の難しい人たちに向け、お見舞いの花として花火を届ける。同プロジェクトの発端は、同社を突然襲った事故と、父の病床に向き合った時の「花火を見られない人」への気付きだった。

【写真】夜空を彩る高木煙火の花火画像提供:高木煙火


窓越しに届ける見舞いの花火、父の事故で気づいた「花火を見られない人」に向け

「コロナに負けるな!希望の花火プロジェクト 全国の病院・施設に打ち上げ花火を無料で出前します!」と題した打ち上げ花火無料出前サービスをはじめたのは、岐阜県大垣市の高木煙火。今年創業100周年を迎える老舗で、伊勢神宮奉納全国花火大会や全国選抜長良川中日花火大会などさまざまな競技花火大会で受賞を重ねる実績のある花火メーカーだ。

高木煙火が創業100周年の節目に実施する病院・施設への花火の出前サービス画像提供:高木煙火

この企画は、病院関係者、患者の家族、医療従事者を応援したい人などから依頼を受け、希望する病院・施設から見える場所から花火を打ち上げるというもの。期間は6月から12月末までの予定で、打ち上げ花火の代金だけでなく、打ち上げにかかる費用も原則として無料で実施する。岐阜から日帰りできないような遠方でも、交通費を負担してもらえば対応可能だという。

昨年も医療従事者などに向けた応援のサプライズ花火を行ってきた同社。今年もコロナ禍が続く中、創業100周年の節目に花火でできることはないかと考え企画した。その背景には、同社会長である高木利幸さんの交通事故があった。一時は花火師としての復帰はおろか、花火を見ることも難しいと思われるほどの重傷を負った利幸さん。息子であり高木煙火社長の高木政幸さんは、感染症拡大防止の影響で、父を見舞うこともかなわなかった。

「現実に患者と家族という立場で、病院と接しました。患者を見舞うことが出来ない。元気づけることが出来ない」その時、怪我を負った父のように、花火を見たくても見ることのできない人たちがたくさんいることに気付いた。そこから病床からでも打ち上げ花火が楽しめるよう“花火の出前”を思いついたという。

苦境続く花火業界、「貧者の一灯」で100年の恩返しを

花火メーカーにとっての収入源である夏の大規模な花火大会の多くが中止となり、大きなダメージを被った花火業界。高木煙火も例外ではなく、昨年の売り上げは約9割減少した。そうした状況で企業として生き残るために、昨年もサプライズ花火などさまざまな活動に取り組んだ。

今年も花火大会の多くが開催を危ぶまれる中で、今回の花火の出前サービスは高木煙火の収益には反映されず、出費をするだけの形になる。政幸さんは「当社としては、収入を失い四苦八苦をしているのが現状」と話しながらも「(無料での花火打ち上げ実施に向け)出費をカバーできるように準備をしてきました。私たちも苦しいですが、苦しいからこそ同じく苦しい思いをしている人のことが理解できると思います。花火を打ち上げることで、見ていただく人にも、そして、打ち上げる自分たちも癒やされる。貧者の一灯をさせていただくものです」と、苦境だからこその取り組みへの思いを語った。

高木煙火の打ち上げ花火画像提供:高木煙火

本サービスでは、打ち上げる花火の数は行政の許可を得なくとも打ち上げられる数量までで、時間は約10分間。打ち上げの条件は近隣に花火の打ち上げに適した場所があることと、関係各所への届け出や現場の警備・清掃などの協力が得られることで、打ち上げ依頼はメールにて7月末まで受け付ける。

100年に渡り愛され続ける老舗メーカーの“恩返し”。「花火を上げない夏」を経験した今、これまで見ることのできなかった人へ、“花火”という名の花束を届ける。

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