「ひっぱりだこ飯」の冷凍弁当が登場!“できたての再限度”を実食レポ
関西ウォーカー
明治36年の創業以来、明石の伝統漁法で使用するたこ壺を模した陶器に明石だこ旨煮などを詰めた「ひっぱりだこ飯」や、紐を引くだけで温まる「あっちっちスチーム弁当」など、ユニークな駅弁を開発する「株式会社 淡路屋」。2021年5月には、創業以来初となる冷凍弁当「どこでも駅弁」シリーズ3商品の販売をスタートした。

同シリーズの特徴は、なんといっても自然解凍できること。“朝、冷凍庫から出して職場や学校に持って行き、昼食に味わう”という楽しみ方ができるため、全国の駅弁ファンに加えてお弁当の作り手である主婦のハートをがっちり掴み、1日200食の注文を受ける日もあるという。
今回は、話題の「どこでも駅弁」をライター・吉田が実食。開発を手掛けた同社常務取締役の柳本雄基さんが語る開発秘話と共にリポートする。
3種の名物弁当が、冷凍でいつでもどこでも味わえるように
6月現在、ラインナップは「ひっぱりだこ飯」「きつねの鶏めし」「すきやき弁当」の3種類。同社が展開する数々の駅弁からこの3種類に絞った理由について柳本さんに聞くと、「名前を聞いた時にパッと商品が思い浮かぶような、全国的に知名度が高い駅弁を選びました」とニッコリ。タコ、鶏肉、牛肉と主役の食材のバランスもよく、食べる楽しみが広がりそうだ。
販売は3食セットのみ。1種×3食のセットも用意されているが、今回は「駅弁3種セット」(2380円)を注文し、3種類とも食べてみることに。“2セット以上の購入で全国どこでも送料無料”のお得な文言にひかれ、同セットを2つ注文した。
実際のところ一番人気は「駅弁3種セット」で、複数購入して送料を浮かせる人が多いそう。全国の皆さんも考えることは同じなんだなと、頬がゆるんだ。



家庭で扱いやすいサイズ感に改良
オンラインストアに「概ね5日以内に発送致します」と書いていた通り、注文から6日後に到着。注文した翌日に到着予定日を知らせるメールが届いたため、余裕をもって冷凍庫の空きスペースを調整できた。
届いた箱は想像していたより小さく、開封するとカチコチに凍った6個の弁当が隙間なくピシッと収っていた。聞けば「どこでも駅弁」シリーズは、家庭の冷凍庫で保管しやすいように従来(常温)の駅弁よりもサイズダウンしているそう。確かに一般的な冷凍食品と同じようなサイズ感なので、冷凍庫に収まりやすそうだ。
「サイズを小さくした分、金額も落としています。とはいえ、メインの食材はほとんど減っていないので従来と同じ味が楽しめますよ」と柳本さん。家庭の冷凍庫で保存することまで視野に入れつつも味わいを変えない、細やかな配慮に恐れ入った。


約5時間で自然解凍、まるでできたての味!
一番のポイントである“自然解凍”の味を体感するため、朝7時すぎに冷凍庫から弁当を出して常温のキッチンに置いておき、12時に実食スタート。
当初“冷めるとイマイチ”な自作の家弁と同じように、食材が固くなったりパサついたり、残念な一面を垣間見ることを覚悟していたのだけど、「どこでも駅弁」シリーズは冷めた家弁とまったく違う!「ひっぱりだこ飯」のタコはプリップリ。「きつねの鶏めし」の鶏の照り焼きや味付け油揚げも、「すきやき弁当」の甘辛いすき焼き煮もすべてがおいしくて、「今そこで作ったの?」と思ってしまうほどの味。家弁では米粒がくっつき固くなるご飯もふっくらと柔らかく、もう箸が止まらない!

なぜこんなにもおいしいのか。理由について聞いたところ、「米を家庭の冷蔵庫に入れた時、固くパサついてしまった経験があるかと思います。それは、白蝋化(はくろうか)という現象が起こるためなのですが、急速冷凍にすることでこの現象を防ぐことができます。米以外の食材も冷凍した時の味・食感のまま解凍されるので、自然解凍でもできたての味が楽しめるのです。より“できたて”に近い味を楽しんでいただくため、完成したらできるだけ早く急速冷凍機で凍らせるように気を付けています」と教えてくれた。

一般的には“冷凍するとスカスカになる”と言われる豆腐ですら、急速冷凍なら冷凍前の味に戻るというから驚かずにはいられない。

手軽でおいしい!安定の電子レンジ調理
次に、説明書を見ながら電子レンジで温めて食べてみた。自然解凍でさえできたてのようにおいしかったのだから、温めた時の結果は言うまでもない。ご飯はほかほか、おかずもひとつひとつの食材の味が際立っていて、あっという間に食べ終わってしまった。
電子レンジ調理の魅力は、とにかく早くて楽なこと。袋のまま電子レンジに入れれば、約5分後には温かい弁当が目の前に。急な残業などで「今日はもう作れない~」という時でもアッという間にぬくぬくのごはんが食べられるのだから、こんなに楽なことはない。自然解凍でも十分においしいが、電子レンジがある時にはぜひチンして味わってみて。



“ハレの日”の演出に「どこでも駅弁」を!
「どこでも駅弁」には、コロナ禍で気持ちが沈むなか「何かしらの楽しみを届けたい」という、同社の気持ちが込められている。
「駅弁は、遠出の際にワクワクしながら食べるハレの日の食事です。これをいつでもどこでも手軽に召し上がっていただきたくて、開発しました。自宅、職場、学校などどこにいても、駅弁をひらけば旅気分に浸れます。ご家族の記念日や自分へのご褒美に味わっていただくこともおすすめです。ひみつ道具のように『どこでも駅弁~!』と言いながらカバンから取り出せば、注目を集めるかもしれませんよ」と、柳本さんは明るく語る。

賞味期限は発送日から30日間を保証。今回私の元に届いた商品の賞味期限は約75日と、非常に長いものだった。冷凍庫で長期間保存できるため、帰宅が遅くなった日や家弁を作れなかった日、旅気分に浸りたい日など、好きなタイミングで食べられるのもうれしいポイント。家の冷凍庫に何個か常備しておくと、もしもの時に重宝しそうだ。

新商品「神戸中華焼売弁当」も7月中には冷凍弁当に!?
不要不急の外出自粛に伴い駅弁業界全体が勢いを失うなか、同社は「日本固有の食文化である“駅弁”を絶やしてはならない!」という使命感のもと、6月上旬に神戸の老舗中華料理店「三宮一貫楼(いっかんろう)」とコラボした「神戸中華焼売弁当」を販売。
「名物の焼売をメインに麻婆豆腐やエビチリなどが楽しめる、神戸らしい中華弁当に仕上がりました。実はこの新商品も『どこでも駅弁』シリーズに加えることを目指して、現在熱烈改良中です! 7月中には販売予定ですので、楽しみにお待ちください」
先行き不安なコロナ禍においても、笑顔を届けることを忘れない「株式会社 淡路屋」。全国の新たなファンを獲得した冷凍弁当「どこでも駅弁」は、同社の新たなヒットシリーズになりそうな気がする。まだ食べたことがない人は、ぜひお早めに。
【冷凍】ひっぱりだこ飯 3食セット 2460円
【冷凍】きつねの鶏めし 3食セット 2280円
【冷凍】すきやき弁当 3食セット 2400円
【冷凍】駅弁セット(上記3種×1食) 2380円
取材・文=吉田英子
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