地元の人、産業、地元のことを大切にしたい!スターバックス「JIMOTO made Series」が生み出す力

2021年10月22日 11:46更新

東京ウォーカー(全国版)

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スターバックス コーヒー ジャパン 本社にて「JIMOTO made Series」を手にする、サイレンリテイルプロダクトイノベーション部・濱田和史さんと商品本部 MD開発チーム・小野美香さん

クオリティの高いコーヒーと、リラックスできる空間で高い人気を誇るスターバックス。現在、 全国47都道府県に1600を超える店舗を構えているが、実は、地域ごとの独自の取り組みにも力を入れている。その一つが「JIMOTO made Series」。この活動を通して地域とのつながりをより深くすることを大切にしているという 。

5月には「JIMOTO made Series」の商品を販売する店舗の店長や商品開発担当者など関係者が一堂に会した、「JIMOTO SUMMIT」(以下、サミット)がオンラインにて開催された。今回、その取り組みを紹介する。

「JIMOTO made Series」で地元の人や文化、伝統、歴史をつなぐ


「JIMOTO made Series」は、地元の産業、素材や職人の技術を取り入れた商品を開発し、その土地の限定店舗のみで販売。商品を通じて地域の文化、産業、地元で暮らす人などを知り、地元に対する愛着や誇りを感じてほしいという願いが込められている。

2015年、その第1弾として販売を開始した江戸切子のアイスコーヒーグラスは、東京・墨田区にある工房の職人が制作し、墨田区の6店舗限定で販売。地元の産業のすばらしさをその土地から発信している。これを皮切りに、現在、14地域・61店舗で展開されている。

【画像】江戸切子の「スターバックス アイスコーヒーグラス」錦糸町丸井店など6店舗限定


同シリーズを企画したのは、現・サイレンリテイルプロダクトイノベーション部MDチームの濱田和史さん。ある陶磁器メーカーを訪ねた際、黙々と作業する職人の姿に心を打たれたという濱田氏さんは、生み出される商品に魅力を感じる一方で、そうした商品の国内需要が落ち込み、職人の仕事も減少しているという状況を知ったのだそう。

「産業の縮小は止められなかったとしても、知らないうちに消えてしまうのではなく、1人でも多くの人に魅力的な商品や文化を知ってもらう機会を作りたいと思いました」と、濱田さんは当時を述懐する。

オンラインで開催されたサミットは、参加者にとって個々の商品についてあらためて知る機会に


展開する商品は、店舗より産業、工芸の候補を募り、その中から年間3案件程度を商品化したもの。年に40~50ものリクエストが届くといい、個々のパートナーが地元に深い愛情と興味を持っている現れといえる。そして職人が商品を作り、パートナーが店舗で販売するだけにとどまらず、商品をきっかけに工房を見学したり、地域のイベントに参加するなどして、職人や地域との関わりをも深めている。

「地元の伝統産業を取り入れたスターバックスならではの商品」として地元のパートナーが素材を発見し、職人とスターバックスが協業で商品を生み出し、販売や職人との関わりを継続することで地域の魅力を伝えている。この活動が生み出しているのは商品だけではない。サミットではその事例として青森県・津軽地域の取り組みが紹介された。

お客様がガラス工房に就職も!「JIMOTO made Series」で盛り上がる青森・津軽びいどろ

左から津軽びいどろ「AOMORI」「TSUGARU」「HIROSAKI」「GOSHOGAWARA」


青森県西部・津軽地方の7店舗で展開するのは、多彩な色表現が特徴のハンドメイドガラス「津軽びいどろ」で作られたグラス。雪解けと春の芽吹きを表現した白い「TSUGARU」のほか、弘前公園の桜を表現したピンクの「HIROSAKI」、津軽湾の青とねぶたの赤で表現された「AOMORI」、五所川原のたちねぶたを赤や黒、色の流れで表現した「GOSHOGAWARA」の4種類を展開。地域の名前を冠したグラスは、津軽の中でもその地域の限定店舗でしか購入できない。

同じ津軽地域の店舗であるにもかかわらず、なぜ4種類を一同に販売しないのか。それは、「実際にその地域に足を運んでもらい、風土や街の人に触れて津軽の各地域ならではの豊かな四季を感じてもらいたいからです」と、青森西バイパス店・福井麻衣子さんは説明する。津軽びいどろの色表現という特徴を生かしながら、地域の魅力の発信力を増す。その土地にある店舗だからこそできる取り組みだ。

サミットで発表する青森西バイパス店・福井麻衣子さん


2017年の発売以来、パートナーや消費者と工場見学に訪れたり、イベントでコーヒーテイスティングを行うなど、制作するガラス工房・北洋硝子との交流も続いている。

「工場見学では、職人の真摯な姿や1つのグラスにたくさんの手が関わっていることに参加者は心を揺さぶられて帰ってきます」と感慨深げに話す福井さん。そこで得た知識や感じた思いを、パートナーは店舗でお客様に伝えているのだという。

「津軽びいどろという素敵な器を通して1日が少しでもキラキラした気持ちになるお手伝いをしたい。それはスターバックスにしかできない唯一無二のことだと思います」(福井さん)

サミットで思いを語る北洋硝子株式会社代表・壁屋知則さん


一方で「JIMOTO made Series」を通して確かな手ごたえを感じているのは北洋硝子の壁屋知則さん。

壁屋さんは伝統工芸が衰退する2大要因として、「販売力の弱さ」と「職人の後継者不足」を挙げ、「この2つの問題を解決できる力が、『JIMOTO made Series』にはある」と力を込める。

「津軽びいどろは全国に流通していた反面、地元・青森との関係性が希薄でした。しかし、『JIMOTO made Series』で地元での認知度が上がったと肌で感じています。商品やスターバックスというブランドにのせて青森という地域を発信でき、発信を繰り返すことで津軽びいどろはブランドとして青森で大きく成長しています」(壁屋さん)

北洋硝子は職人の平均年齢が30代と若く、スターバックスの工場見学をきっかけに職人として就職した人もいるそう。地元の産業がスターバックスを通して発信されることで、その産業の魅力をより多くの人に伝えることができる。

まだまだ発展する「JIMOTO made Series」の今後の展開


現在、14地域で展開する「JIMOTO made Series」。サミットでは、シリーズに参加する14の工房からの「JIMOTO made Series」に対するコメントをムービーで紹介。「スタッフ皆様の熱意のおかげで、魅力をたくさんの方々に知っていただけて本当にうれしい」「つながるという言葉をこのプロジェクトで体感し、つながって大きな輪へと広がりつつあります」など、職人の方々の熱い思いにサミット参加者からは拍手が上がった。

また、地元の誇りを感じながら商品の魅力を店舗で伝えている参加者たちは、サミットを経て「コロナ禍だからこそ地元の人に地元の産業についてゆっくりお話し、知っていただく良い機会だと思った」「これからつながりをどう作っていくかを考える良いきっかけになった」と心を新たにしている。

サミットで流れた工房からのメッセージムービーのワンシーン


「JIMOTO made Series」はスタートから6年が経ち、さまざまな日常のあり方が変化する中、今だからこそ、身近にある地元の魅力を見つめていくことが大切だと考えている。そして、関わる職人の方たちからの話や思いをパートナーみんなで共有し、大事に引き継いでいくために、今回サミットが開催された。「新しい企画はもちろんのこと、今ある商品を醸成していきたいと思っています」と話すのは「JIMOTO made Series」商品開発チーム・小野美香さん。

甲州印伝スリーブ付カップ。甲州印伝は400年以上にわたり伝承される山梨県の伝統工芸品


今年1月に山梨県・甲州エリアで販売をスタートした「甲州印伝スリーブ付カップ」では新しい可能性も見えたという(※甲州印伝は鹿革に漆をつけて加工した伝統工芸品)。

「パートナーの提案と、害獣として駆除される鹿の革を有効利用できないかという行政からの働きかけが合致したことがきっかけです。伝統や文化に加え、“環境”という視点でも展開ができると実感しました」(小野さん)

地元の良さをパートナー、職人、地元住民があらためて知る機会をつくり、地元産業の発展の一翼を担う「JIMOTO made Series」。まだまだ成長し続ける「JIMOTO made Series」から今後も多くの魅力と、商品にまつわるストーリーを届けていく。

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