各局がこぞって“社会派ドラマ”を制作しているワケとは?

東京ウォーカー(全国版)

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2007年にNHK土曜ドラマで人気を集め、映画化もされた「ハゲタカ」を始め、今クールのドラマだけでも「不毛地帯」(フジ系)、「ギネ 産婦人科の女たち」(日本テレビ系)など社会派ドラマが続々と放送されている。では、なぜ今、社会派ドラマが注目を集めているのだろうか。制作側と、テレビ誌編集長に話を聞いた。

近年、「パンドラ」(08年)が東京ドラマアウォード作品賞グランプリをはじめ3冠を獲得するなど、次々と秀作の社会派ドラマを世に送り出している有料放送のWOWOW。同社はスポンサーがない有料放送のため、制作するドラマの枠に制限が少なく、より“リアル”な内容や世界観を打ち出せることも人気の一因のようだ。社会派ドラマが目当ての加入者が増加しているという。

現在放送中の、高橋克典主演「隠蔽指令」のプロデューサー・井上衛さんは“ドラマ視聴者層の変化”を理由に挙げる。「WOWOWではもともと40・50代の視聴者が主流。大人が納得できる内容のものを作ってきた結果、骨太の社会派ドラマが多くなりました。最近は若者のドラマ離れが顕著なので、民放でも社会派ドラマを多く手掛けるようになったのでは」と語る。

一方で「週刊ザテレビジョン」編集長の藤田薫さんは“社会不安”が理由の一つだと語る。「世情不安や政権交代など、視聴者が将来への不安を感じている時に、カラッとした内容のドラマはウケない」と藤田さん。高度成長期の官僚たちの戦いを描いた「官僚の夏」(TBS系)、戦後の男たちを描いた「不毛地帯」など重いテーマの作品が多いが、「だからこそ、“頑張った時代のパワーを感じてほしい”という作り手のメッセージが込められている」と語る。

ただ、テレビドラマ界に苦言も呈している。「社会派ドラマの制作が目立ってきているが、軒並み数字は取れていない。NHKの『ハゲタカ』がヒットしたのは、放映のタイミングが良かったから。金融危機のときに(経済界の裏を描いた)『ハゲタカ』を、オバマ政権樹立など世界情勢に変化が起きている今、11/14(土)から(対国際テロ秘匿捜査をする考案舞台を描く)『外事警察』を放送するなど、タイミングに敏感です。また緻密な取材が行われている点もすばらしい。今後のドラマ界は、そういった地味で地に足がついた制作をしていかなければならないと思う」。確かに、フジテレビが実力派俳優を多数起用して2クールにわたり制作している「不毛地帯」も数字は芳しくない。民放各局が作るドラマに視聴者がついていけていないという側面もあるようだ。

若者のテレビ離れから民放各局が熟年層向けのドラマ制作に力を入れ、NHKの影響から社会派ドラマが増えてきているということだろうか。やはり、テレビドラマが顕著に社会情勢を反映していることは間違いなさそうだ。【東京ウォーカー】

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