80年代の漫画テイストなイラストが話題!こだわりの配色が懐かしくも新しい

2021年10月15日 18:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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80~90年代のコミックに登場しそうなレトロなファッションや人物と、パステルカラーのポップな色使いが生み出すファンタジックな雰囲気。世界観に引き込まれそうな作品を描いているのは、イラストレーターのShiho Soさん(@shihoso)。ファッションや音楽、雑誌の挿絵など、幅広い分野で活動している。Shihoさんにイラストを描き始めたきっかけや、作品に対するこだわりなどを聞いてみた。

昨年千葉県で開催され、Shihoさんがイラストを手掛けた「ドライブインフェス DRIVE IN FESTIVAL VOL.1」のポスター。ポップな雰囲気がワクワク感を盛り上げる


配色は何度も変更しながら調整。黒はほとんど使わない

Shihoさんは横浜生まれの台湾人。2016年からイラストレーターとして活動を始め、2017年にはイラストを学ぶため東京へ。Shihoさんのイラストはどのようにして生まれたのだろうか。

「一昔前の日本のアニメに影響を受けました。そこからもっと幅広く、漫画やドラマのラブストーリー、古い車のカタログなどからアイデアを貰い、自分が惹かれたものを少しずつ取り入れるように。そこに自分のオリジナルな要素も加えていきました」

TBSラジオのフリーペーパー「オトビヨリ」8・9月号の表紙。波の音と音楽が聞こえてきそう


優しいタッチの線とイラストの雰囲気を作る色使いは、描くときに大切にしているポイントのひとつ。「配色や線画の色にはこだわっていて、作業途中や仕上げ前に全体の色味を何度も変更することはよくあります。レトロ系のイラストは黒がよく使われる印象がありますが、自分のイラストだと違和感が出るため、使ったことはほぼありません。その代わりイラストが少しぼんやり見えるときがあるので、常に色味の調整は心掛けています」

大阪梅田のファッションビル「HEP FIVE」の情報誌「HEPS」2020年秋号では、実際のコーディネートに合わせたイラストを掲載

落ち着いたシックな雰囲気の作品も。「Good Morning September」は俳優・アーティストの山下智久とShihoさんが共同でプロダクトをデザインし、収益の一部を「こども食堂」の運営募金にあてるプロジェクト。ShihoさんはTシャツのイラストを担当している


イラストを描き始めたきっかけでもある「音楽」の分野でも活躍

もともとShihoさんがイラストを描き始めたのは、日本のアニメーションMVを見たのがきっかけ。「イラストのアニメーションと曲とのコンビネーションにとても衝撃を受け、いつかイラストで音楽と関わる仕事がしたいと思っていました」と当時を振り返る。

イラストレーターとなった現在、アルバムのアートワークやLyric Videoのイラストなどを数多く手掛け、夢を実現させている。

台湾のバンド・EVERFORのアルバム「幸運の涙」のアートワーク。漫画のコマ割りのような構図が印象的

アーティスト・FIBREのアルバム「810」(Complete Edition)のアートワーク。空に浮かぶ惑星はShihoさんのイラストでよく描かれるモチーフのひとつ


手がけたLyric Videoの中から、音楽をどのようにイラストで表現しているのか聞いてみた。

tonunの「今夜のキスで」は、恋人の最後のキスをテーマにした切ない楽曲。「悲しい雰囲気を出すために全体を暗いトーンの青色にし、外の灯りは明るく輝いているのになぜか少し寂しく感じるように表現しました」とShihoさん。イラストはカーテンがゆっくりと風に揺れ、メロディと歌詞に合わせて女の子の涙が頬を伝う映像となり、楽曲に想像力を与えてくれる存在となっている。

tonun「今夜のキスで」Official Lyric Videoのイラスト。光と闇のコントラストが切ない


アニメ「裏世界ピクニック」のエンディングテーマでもある佐藤ミキの「You&Me(Night Tempo Melting Groove Mix)」のLyric Videoでは「女の子2人の特別な関係性を表す作品で、アニメのキャラクターの名前を連想する要素や、恋愛を表すために百合の花を描いて隠れたメッセージを入れました」と遊び心も取り入れている。

佐藤ミキ「You & Me (Night Tempo Melting Groove Mix)」lyric videoで手掛けたイラスト。花や空中を泳ぐ魚たちが幻想的だ


活動の幅を広げ、新たな表現にもチャレンジ

多方面で活躍しているShihoさんのお気に入りの作品は、福岡県北九州市のプロジェクト「ニュー北九州シティ」のウェブサイトビジュアルで描いたイラスト。「画面全体に街並みを描くのはすごく苦手だったのですが、製作途中でだんだんと愛着が湧いてきて世界観に入り込んでいました。苦手な街並みも気付いたら克服していた気がします。全体の構図とグラデーションの色味がとても気に入っている作品です」と、自身の新たな可能性を見出すきっかけとなったようだ。

福岡県北九州市がストリートカルチャーを発信するブランドサイト「ニュー北九州シティ」。実在する街並みがイラストの世界観と合わさり、懐かしくも新しい雰囲気に


Shihoさんのイラストは普段デジタルで製作されているが、昨年フランス・マルセイユの”GALLERY JO YANA”のアートグループショーに展示したイラストで、初めてのアナログ作品も発表している。「画材の色の選定から塗る工程まで、終始楽しい時間でした」と新たな挑戦を楽しむ様子が印象的だ。

初めてのアナログ作品。「朝、夕方、夜の時間帯の女の子たち」をテーマにアクリルガッシュで描かれている


最後に今後の目標について聞いてみると「欧米や日本の地方、台湾などでの活動を増やしたいと考えています。また、自分の絵柄に合う画材を見つけてアナログ作品も展開していきたいです。ポケモンが好きなので、いつかポケモン関連のお仕事も手掛けられたら!」と意欲的に語ってくれた。

Shihoさんのイラストが様々な分野で見られることを楽しみにしながら、今後の活動に期待したい。

取材・文=松原明子

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