Twitterで人気の神馬がドライブスルーに降臨!?バズ動画の真相を“いづたん”に聞く

2021年11月8日 12:25更新

関西ウォーカー

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Twitterに投稿されたとある動画が、1万以上の“いいね”がつくなどして話題となった。


店内で食事する利用客も思わず馬を凝視

車がビュンビュン走る道路上に突如馬が姿を現し、ファーストフード店らしき建物に向かう。馬は堂々たる足取りでドライブスルーのレーンへ。店内で仕事中と思しきビジネスマンも二度見せずにはいられなかったようだ。

歩みを止めることなく、堂々と進む

馬上からの注文もスムーズ

店員さんも馬もお互いに興味津々

馬上から支払い。店員さんも動じない

馬はジッと中の様子を見守っている

よく見れば、馬には鞍や鐙がついていない。すごい乗馬技術だ。馬に乗ったまま注文する様子も手慣れている。財布を取り出す間、店員の方々は興味深そうに馬の様子を伺っていた。馬上から支払いを済ませる。

好奇心旺盛な馬を騎手が上手にサポートしている

商品の準備ができるまで、おとなしく待機

無事に商品を受け取る

ドリンクを持ちながら片手で見事に手綱を捌く

馬もドライブスルーに興味津々のようだ。つい顔を突っ込みそうになったところを、騎手の女性が素早く阻止!その後は、暴れることもなくおとなしく待機していた。とてもお行儀がいい。馬上から商品を受け取り、無事に商品をゲット!颯爽と立ち去る姿は、現代の日本の光景とは思えない。

この動画を投稿したのは、大阪・豊能町の吉川八幡神社に仕える御神馬「いづめ」の公式アカウント( @yoshikawa8izume )。見事な乗馬術を披露したのは、「おかあたん」こと宮司の芳村一実(よしむらもとみ)さんだ。“いづたん”の愛称で親しまれる御神馬のふだんの暮らしや、裸馬のまま見事に疾走する姿が評判を呼び、2万フォロワーを抱える人気アカウントとなっている。

いづたんは平安時代に合戦馬として活躍していた木曽馬系の日本在来馬。2019年に埼玉の牧場から奉納され、全国でも貴重な日本在来馬(和種)の御神馬として神事に携わっている。

いづたんが見事にドライブスルーを使いこなした動画に、Twitterでは「カッコいいですね!」「そりゃ店員さんもびっくりだわ」「いづめ様、めちゃくちゃ賢いですね」など、様々なコメントが寄せられている。

道路交通法によれば、馬は自転車などと同じ軽車両(第2条11項)と見なされるので一般道の走行に問題はない。なお、軽車両でのドライブスルーの利用は、店舗により判断が異なるようだ。

車は怖くない?どのくらい走れる?吉川八幡神社の御神馬“いづたん”に聞く

Twitter公式アカウントを通じて、御神馬のいづたんから話を聞くことができた。

ドライブスルーを無事クリアし、ご満悦の様子(写真提供:芳村一実さん)


―ドライブスルーを利用したきっかけは何だったのですか?何度も利用しているのですか?

「初めてだどどん。おかあたんのおともらち(お友達)が、馬でドライブスルーのテレビを観てて、合法らしいからやってみようってなったどどん」

―初めてなのに、見事なドライブスルーぶりでした!行ってみてどうでしたか?

「おどどは匂いに敏感だけど、初めて油の匂いを嗅いだから気になったどどん」

ーなるほど、それでちょっと窓を覗きこんでいたのですね。ドライブスルーは事前予約して行ったのでしょうか?

「事前の予約はしていないどどん。撮影前におかあたんのおともらちが店員さんにだいじょぶか確認しただけだどどん。動画もひと言断りを入れてから撮ったどどん」

ー神社からドライブスルーまで、どのくらいかかりましたか?

「時間は適当でよく覚えてないどどん。吉川八幡神社から大阪市内まで約30㎞の距離で、3時間くらいあればいけるどどん」

訓練を積んだおかげで、国道の走行もスムーズ。宮司の友人がバイクで随伴し、サポートする(写真提供:芳村一実さん)


ー道路は車もたくさん通っていたようですが、怖くなかったですか?

「車はもうほとんど怖くないどどん。3年掛けて社会と共存していく生活をおべんきょうしたどどん」

ーふだんから、“おかあたん”と一緒によく遠出するのですか?
「淀川河川敷や、奈良に行ったことがあるどどん。毎日1時間くらいおかあたんとお散歩するどどん」

淀川河川敷を走行するいづたん(写真提供:芳村一実さん)


―道路を走るときはどんなことに気を付けていますか?

「国道は合流が難しいから、右折レーンに入って待つんだどどん。ドライブスルーに行ったときは、おかあたんのおともらちがバイクで隣に随伴として付いてくれたどどん。最高時速50㎞で走れるどどん」

―恥ずかしい質問で恐縮ですが、いづたんは走ってるときにトイレ行きたくなったりしないんですか?まさか、古式ゆかしく路上で…?

「トイレはおともらちの神社を借りるどどん。1㎞ごとに神社があるどどん。駐車場のコンクリートの場所でおしっこやうんちして、おかあたんが拾って水を流すから5分掛からないどどん」

―なるほど、トイレに行きたくなったら、おかあたんが所定の場所に連れていってくれるのですね。

「犬みたいにおしっこ小刻みじゃないどどん。うんちしたくなったり、おしっこしたくなったら、ソワソワするから、すぐバレるどどん」

―おかあたんが、しっかりお世話をしてくれているのですね。

「おかあたんは、ウマ業界では日本一の調教師と馬乗りだとか言われてるどどん。吉川八幡神社は、神社業界ではちょっと名前の通った家だったりするんだどどん。姉妹兄弟全員が神社に勤めていて、代々神職をしてきた家らしいどどん。神社の学校、國學院の実習生指導もやっているんだどどん。おかあたんはテレビの音楽作家でもあるんだどどん。おどどどん」

ふだんは広大な境内地で放牧されている


―いづたんは、おかあたんが大好きなんですね!ふだんはどのように過ごしているのですか?

「放牧で1日過ごして、神社の執務時間が終わったらお散歩を楽しみにしているどどん。神社の境内は東京ドーム並みの広さなんだどどん。こないだ(10月24日)は、秋大祭の御神馬も務めたどどん」

御神馬として恒例の秋大祭に参列するいづたん


―大役を無事果たされたばかりなのですね。ドライブスルーはまた行ってみたいですか?これから行ってみたいところはありますか?

「ドライブスルーはべつにもういいどどん。でも、大阪市街地や御堂筋を普通にお散歩してみたいどどん。フェラーリとかバイクでツーリングしてみたいどどん。御堂筋にはおかあたんのおともらちの神社がたくさんあるからみたいだどどん」

コスプレかつ両手を離した状態で境内を疾走することも可能!


―いづたんが御堂筋を歩いてたら、みんな二度見しそうです。

「御神馬を広め、馬の命を守りたい」宮司の“おかあたん”の想い


「昭和20年ごろまでは、馬が道を歩くのは普通のことでした。馬は危険な動物ではなく、人間と最近まで共生してきたパートナーだったことを多くの人に伝えたいですね」と宮司の芳川さん。殺処分される運命の馬を可能な限り育成・調教し、全国の神社に御神馬を奉納するのが夢だという。

車がなかった時代、馬は荷物の運搬や移動に欠かせない存在だった。いづたんの祖父にあたる馬たちは、1日100km以上も走行していたのだそうだ。車社会になった今も、馬の優秀さは変わらない。ドライブスルーを利用するのも、馬本来の能力からすればごく自然なことなのかもしれない。

11月は七五三参りや美しい紅葉を楽しむ参拝客が増え、いづたんが暮らす吉川八幡神社は毎年賑わいをみせる。いづたんは御神馬のため、勝手に触ったり無断で写真を撮ることはNG。もし道路を走る姿を見かけても、そっと温かく見守ろう。参拝を目的とした御神馬の拝観は可能だが、ふだんは放牧しているため事前のメール連絡が必要だ。

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