ファンによる人助けも?『アイドルマスター SideM』が企業コラボをはじめたワケ「コロナ禍で苦しむ人々の活力になりたい」

東京ウォーカー(全国版)

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可能性が広がる「アイドルマスター SideM 315プロダクション お仕事コラボキャンペーン」

昨今のご時世柄、静まり返る世の中を見て「何か自分たちが手助けできることはないか?」そう模索する中で生まれた「アイドルマスター SideM 315プロダクション お仕事コラボキャンペーン」※。それは、当初想定していた活動の枠を大きく越え、さまざまな企業/団体とのコラボに発展。多くのシナジー効果を生み出している。
※ソーシャルゲーム「アイドルマスター SideM」に登場する個性豊かな男性アイドル(元医者、フリーター、自衛官など…さまざまな経歴を持つ)たちと、企業・団体によるコラボ活動

そこで今回、同プロジェクトの担当者であるバンダイナムコエンターテインメントの三本昌史氏、門田研照氏にインタビューを実施。「コラボ活動」をはじめた経緯、本当にあった人助けの話、想定外の壁にぶつかった苦労話などを聞いた。

昨今のご時世柄で静まり返る街を見て思いついた「お仕事コラボ」


――まずは、この「お仕事コラボキャンペーン」をはじめた経緯を教えてください。

【三本昌史】まず、シリーズとして7年目を迎える「アイドルマスター SideM(以下、SideM)」のプロデューサー(アイドルマスターシリーズをプレイするユーザーのこと)に対して、引き続き「SideM」を楽しんでいただきたいという想いから、新作ゲームの開発と並行して、その他周辺の展開も同時に行うことで今までの恩返しができないか?と考えはじめたのがきっかけでした。

その最中、新型コロナウイルスが社会に与えた影響を見て、「自分たちにも何かできないか?」といった想いからスタートしています。なので、当初は「お仕事コラボ」の想定として飲食店、旅行会社など、ご時世柄大変な思いをされている業種の皆様と、さまざまな経歴をもつ「SideM」のアイドル達とご一緒することで、両者が前向きに、そして企業/団体様の周囲の人に活力を抱いていただけるのでは?と考えていました。

バンダイナムコエンターテイメントの三本昌史氏(アイドルマスターシリーズのゲーム統括を担当)


ですが、フタを開けてみると大阪府警察本部 鉄道警察隊、NPO法人ちば救命・AED普及研究会など、想定していなかった企業/団体様からのご応募があり、結果的に、本プロジェクトが社会貢献に繋がる活動になっているという側面はあります。

【大阪府警】コラボ啓蒙ポスター


「SideM」コラボ活動から波及した人助け


――「SideM」を活用することでの波及効果について教えてください。

【三本昌史】「SideM」とコラボして頂いた銚子電気鉄道さんからは「普段、銚子ではあまり見ないようなお客様の層が増えてうれしい!」「プロデューサーの皆さんもすごく礼儀正しくて、銚子の飲食店などお客様も喜んでいる」といったコメントを頂きました。

また、NPO法人ちば救命・AED普及研究会さんからは、「『どれだけ救命道具に対する啓発を広げられるのか?』という命題をもって活動しているなか、『SideM』とコラボしたことで関連するパンフレットのダウンロード数も増え、普段来られない方に講習会に参加頂けてうれしいと」というお話がありました。

【門田研照】実際、その講習を受けた方が後に、具合の悪い方に声かけをして救命活動を行ったというお話も伺いました。コラボによる社会貢献活動の波及効果を実感するとともに、我々としても、木村龍(「アイドルマスター SideM」に登場するアイドルで、前職は消防士)が救命活動に貢献したという喜びを感じています。

バンダイナムコエンターテイメントの門田研照氏(お仕事コラボキャンペーンを担当)


それと、偶然ではありますが、銚子電気鉄道さんとNPO法人ちば救命・AED普及研究会さんは「千葉県」という接点もあり、僕らが架け橋となって“企業同士を繋げる”という取り組みも生まれました。

【三本昌史】実際、銚子電気鉄道さんのイベントにNPO法人ちば救命・AED普及研究会の方が足を運び、会場でご挨拶をされていたのが印象的でした。

【銚子電気鉄道】コラボポスターイメージ

【銚子電気鉄道】車両ヘッドマークイメージ


苦しい局面から生まれた「社内の一致団結」


――このキャンペーンを推進していくなかで、どんな困難がありましたか?

【三本昌史】想像以上に反響があったため、コラボチームのリソースがパンク寸前になりまして、企業/団体様をかなりお待たせしてしまっている状況です。

――まさに“うれしい悲鳴”ですね。その打開策を教えてください。

【三本昌史】会社にはそれぞれのいろいろな部署があり、それぞれ役割も違いますが、今回の「お仕事コラボ」に関しては、自然と縦割り意識が取り払われていって「チーム全体でやり遂げよう!」といった一体感が生まれたんです。どうやらこの取り組みに「やりがい」や「楽しさ」を感じてくれたみたいで、自発的に「社内の助け合い」が生まれ、“足りない部分を補いあう”ことでリソース問題の解決に至りました。

――門田さんはどんな壁に直面しましたか?

【門田研照】昨今のご時世柄、店舗などで物販をした際に“三密”が生まれてしまうのではないか?という懸念があり、その回避策としてオンライン上での取り組みも踏まえてチームの皆で議論を重ねました。企業/団体様からも、密回避の対策はもちろんのこと、「アイドルさんたちをこうすると、もっと輝けるのでは?」といったご意見をたくさん頂き、一緒に悩み、楽しみながら乗り越えることができました。

一方で、なかなかお客様に来ていただくことができない本当に大変な状況にあって、「このコラボ企画で何とか打開できないか」といった想いで応募して頂いた企業/団体の方もいらっしゃいます。

コラボにお店の命運を委ねる企業も?「バンナムの優先順位は一番下」


【三本昌史】そういった意味でも、こうした活動をスタートさせた以上、自分たち(バンダイナムコ)の優先順位は一番下に考えないと成立しないと思っていて、会社にもそれを理解してもらったうえで、“社内一丸”となって前に進んでいます。

「お仕事コラボ」を考える上で、「自分たちの優先順位は一番下」だと強調する三本氏


――社内外の反響はどうでしょうか?

【門田研照】反響が大きかったこともあり、11月30日(火)までコラボキャンペーンの募集を再開しました。また、今回のキャンペーンにより、我々が持っているIP(知的財産)が世間のお役に立てるという可能性を見出しました。

――「SideM」だけに留まらず、今後もバンダイナムコが持つIPを活用していくわけですね。

【三本昌史】とはいえ、IPとコラボ先が、どんなシナジー効果を得ることができるのか?といった点が大前提になります。今回は「お仕事コラボ」ですが、他のアイデアでも展開できると手応えを掴んでいるところです。

【門田研照】はい、私も可能性が広がっていると感じております。今回の取り組みで繋がることができた企業/団体様と取り組むだけでなく、複数の会社様と合同で何か取り組めないか?など、IP活用を広げていく取り組みをさまざまな方向性で考えております。

ただ、一番大切にしたいことは、取り組み先にも満足していただきながら、「SideM」のプロデューサーさんも満足、そして我々も満足、といった関係値を保つことだとも考えています。IPの周囲にいるみんなが幸せになれるように、一つひとつ丁寧に、地道にやっていきたいと考えています。

今後、「さまざまな可能性が広がっている」と語る門田氏

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