1200年続く「篠栗四国八十八ヶ所霊場」が、霊場と地域の未来のため、町の人たちとクラウドファンディングに挑戦!
東京ウォーカー(全国版)
1200年続く信仰の地、福岡県篠栗町の「篠栗四国八十八ヶ所霊場」では若手僧侶たちが、霊場の祈りと篠栗町の魅力を発信するために、地元の有志とプロジェクトチームを結成。2021年12月31日(金)までクラウドファンディングに挑戦中だ。

博多から6駅で行ける聖地が、参拝者減に直面
福岡県糟屋郡篠栗町にある「篠栗四国八十八ヶ所霊場」は、古来より霊山として仰がれる場所。遣唐使として唐に渡った弘法大師空海が帰国後、太宰府に滞在している間に足を運び、加持修法によって人々を救済したとの伝承が残る聖地でもある。
博多から6駅という地の利に加え、弘法大師のご利益が人づてに広まったこともあり、昭和の時代には宿坊に人が収まりきらないほど参拝者が訪れていたこの霊場。しかし時代の変化と共に、徐々に参拝者が減少している。

最近のデータでは平成30年に約197万人いた観光客が、令和元年に約145万人、コロナ禍の令和2年には74万人にまで減少。白衣で参拝する列を遠くからでも見ることができたお遍路の町だが、参拝のスタイルが団体から個人へと代わり、歩きから車へと変化。さらに自転車やマラソンなど参拝の方法も多様化したこともあって、現在の状況となっている。
「このままでは、霊場に連綿と続く祈りを未来へつなぐことが難しくなっていくのでは?」霊場の次代を担う僧侶たちはそう考え、参拝者とより向き合っていけるよう自分たちが何をすべきか、自分たちに何ができるかを日夜考え続け、幾度となく話し合ってきたという。
今一度、霊場のことを知ってもらうしかない!
話し合った結果、導き出した答えは、「霊場のことをもっと知ってもらう以外にないのではないか」ということだった。
そこで、霊場の札所を守る寺院の若手僧侶たち、篠栗町観光協会、篠栗町地域興し協力隊などがタッグを組み、「ささぐりお遍路プロジェクト」を立ち上げた。霊場だけではなく、森林セラピー基地に認定されるほど自然豊かなことなど、篠栗町全体をもっともっとアピールしていくためのチームだ。

なぜ、僧侶と町の人が一緒に地域をアピールするのか?
そもそも霊場の未来のために、なぜ町の人たちが共に立ち上がったのか?それは決して観光のためだけではなく、篠栗四国八十八ヶ所霊場の成立にも関係している。
弘法大師空海が修行をしてから長い年月が経った江戸時代の天保年間、福岡県姪ノ浜出身の慈忍(じにん)という尼僧(にそう)が弘法大師の足跡を訪ね、四国八十八ヶ所霊場を巡拝したその足で篠栗を訪れた。そこで村人たちの困窮を目にした慈忍は篠栗にとどまり、祈願を続けたそう。
村に安らぎが訪れると慈忍は、篠栗に伝わる弘法大師の霊験とご利益を多くの人々に知ってもらうため、八十八ヶ所霊場を篠栗につくることを村人に提案。村の人々と共に霊場をつくりはじめた。慈忍の熱い思いはその後も村人たちによって受け継がれ、安政年間に篠栗四国八十八ヶ所霊場が誕生。つまり霊場の誕生から、町の人と僧侶が手を携えていたのだった。

今回だけの、特別な返礼品に注目!
CAMPFIREで始まったクラウドファンディングでは、篠栗四国八十八ヶ所霊場と篠栗町の魅力を発信するための資金を集める。詳細はクラウドファンディングページで確認していただきたいが、注目は、クラウドファンディングの支援者しか手にすることができない、今回だけの特別な返礼品2品だ。
ひとつ目は、加持修法の一つである土砂加持で清め、各札所を回り、さらに護摩加持で清めた貴重な砂。財布に入る程度の大きさで送られてくるため、御守りに最適だ。
もうひとつは、支援のお礼にと僧侶が筆を入れた、御朱印サイズの「御礼の印(しるし)」。これも今回だけの特別デザインとなっている。
どちらも霊場とのご縁の証となるありがたいものなので、ぜひクラウドファンディングサイトをチェックしてほしい。

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