毛布は敷く派?掛ける派?「スリープマスター」に聞いた正しい毛布の使い方

東京ウォーカー(全国版)

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寒い季節には欠かせない、ふわふわで暖かく肌触りもよくて気持ちよい「毛布」。睡眠ガジェットがあふれるこの時代に、アナログな手法で快適な眠りを提供してくれる、世界中で愛されている寝具だ。筆者もご多分に漏れず大好きな快眠アイテムだが、そろそろ毛布を押入れから出そうかという季節を迎えた際に、こんな話を聞いた。

――毛布って敷いて使うのが最強に温かいんだよ!

まさに青天の霹靂。筆者は掛けふとんの下で使うものとばかり思っていた。そこで調べたところ、「掛けふとんの下で使う人」「掛けふとんの上で使う人」「敷きふとんの上で使う人」と主にこの3パターンの意見を聞くことができた。理由を聞くとどれも一理あるような言い分があり、正解を導き出せない難問だ。そこで今回、眠りのプロにこのあたりの事情を聞いてみた。

毛布の最強の使い方はいったい…?


寝具の老舗「西川株式会社」に聞いてみた!

この疑問に答えてくれたのは、450年以上の歴史を持つ寝具の老舗「西川株式会社」で販売推進・広報を担当しているスリープマスターの森優奈さん。「西川株式会社」は羽毛布団をはじめ、マットレスなど寝具を製造・販売する有名な会社だ。

余談だが、筆者も家で西川のふとんを使用しているが、妻子だけが羽毛ふとんを購入し、筆者はノーブランドの安物を使用しているという悲しい現実がある…。

――まずはじめに、御社がどのような会社なのか詳しく教えてください。
「1566年に初代・仁右衛門が近江八幡で蚊帳・生活用品販売業として創業しました。1887年よりふとんの販売を開始し、現在は寝具メーカーとして、1984年に日本睡眠科学研究所を設立、美容・アンチエイジング・脳科学など多様な専門家と共に、良質な睡眠がどのような影響を及ぼすか解明を進め、人それぞれ異なる“明日への期待”に応える商品やサービスを提供しています」

――長い歴史だけでなく、科学的なアプローチで製品を開発しているのですね。
「近年ではコンディショニング・ギア[エアー]、パーソナル・フィッティングブランド『&Free』、睡眠環境改善のアドバイスを行う『ねむりの相談所(R)』なども展開しています。2019年2月に西川産業(東京西川)、西川リビング、京都西川の3社が経営統合し、西川株式会社となりました。最新の技術を取り入れながら良質な睡眠をベースとして健康を支える『睡眠ソルーション』を提供するなど、創業455年という歴史にあぐらをかかず、常に革新を続けていこうと努力しています」

――一流企業であるためには努力を続けることが大事なのですね。本題に入る前に冬におすすめの製品があれば教えてもらえますか?
「西川の一押し製品は羽毛掛けふとんです。冬の上質な眠りには羽毛掛けふとんが理想的だと考えています。軽くて暖かく、吸湿性、放湿性に優れ、蒸れを感じにくく爽やかで快適で、毛布との相性もいいんです。さらにお手入れも簡単なんですよ。詳しくは弊社 HP を見ていただければわかりやすいかと思います」

【画像】西川の羽毛掛けふとん


――なるほど! それでは毛布の役割についても教えてもらえますか?
「ブランケット(毛布)は、お布団にプラスするだけでグンと温かくなり、秋口や春先まで長く使用でき、包み込まれるようなフィット感も特徴ですね。大切なのは、機能、肌触りの違いを知り、季節や気温に合わせて選ぶことです」

――季節や気温で毛布を変えるという発想はありませんでした…。季節ごとの毛布のおすすめはありますか?
「春におすすめなのは綿毛布やタオルケット、秋のおすすめはアクリル毛布、ポリエステル毛布、シルク毛布、綿毛布、冬におすすめなのはウール毛布、カシミヤ毛布、アクリル毛布、ポリエステル毛布などです」

秋口から春先まで長く使用できる毛布


――それではいよいよ今回の本題に入ります。毛布に正しい使い方はあるのでしょうか?
「敷き毛布として販売されているものはふとんの下に敷いていただけますが、基本的には毛布は掛けるものです。体の上にかけて使用することを当社としては推奨しています。下に敷いてしまうと寝ている間にずれてしまったりして寝返りが打ちづらくなる可能性などもあります。どうしても下に敷きたい場合は、あったかパッドシーツなどをご使用ください」

――よかった!私の使い方が正しかったようです。 掛ける順番も決まっているのでしょうか?
「基本的には体に触れる部分に一番近いところ(掛けふとんの内側)をおすすめしていますが、掛ける順番はご自身の落ち着く順番で使用していただければと思います。素材や機能によって使い分けてみるのがおすすめです」

――素材や機能と言いますと?
「綿やウールなどの吸湿性の高い素材や吸湿発熱素材など機能性がある毛布の場合は、羽毛掛けふとんの内側に。ポリエステルやアクリルなどの化学繊維の毛布の場合は、羽毛掛けふとんの外側という具合ですね。最近は化学繊維で機能性のあるものもあるので、肌ざわりや機能性で選ぶのも一つです」

――毛布の素材ごとの特徴を教えてください。
「代表的なもので説明すると、冬は暖かく、夏は涼しく過ごすことができるウール。この秘密はウールの構造にあり、ウール特有の縮れが何重にも絡まりあっている構造です。その隙間には約60%もの空気を含んでいるため、この空気の層が外部の暑さ、寒さを防ぐのです。しなやかで軽く、上品な光沢があり、保温性に優れているカシミヤは、繊維が細くて長いため、獣毛繊維独特のチクチク感がありません。また、軽いため羽毛ふとんとの組み合わせも最適です。手ごろな価格とデザイン性のある色柄が魅力のアクリルは、帯電防止などの付加価値がついた機能性商品のものもあります」

掛けふとんの上か下かは、素材や好みで選んで


――家に帰って素材を確認してみます!「特にコレがおすすめ」などはありますか?
「先述の通り、多彩な素材があるので、こちらもご自身の好みに合わせて使ってもらえれば。ちなみに弊社では肌触りにこだわって毛布を作っているので、やっぱり毛布は羽毛掛けふとんの内側に使っていただけるとうれしいです。ニット素材を使用し、とろけるような優しい肌ざわりを実現した『ウォームフィール』やインナーブランケット(R)、吸湿発熱素材のものなど機能性の高い毛布などもありますので、お好みの風合いだけでなく、機能性も合わせてお選びいただければと思います」

ガーゼやパイル生地のインナーブランケット(R)


――細やかなアドバイスをいただき、とても勉強になりました! 寝具メーカーならではのふとんに関する豆知識はありますか?
「少し過ぎてしまいましたが、実は11月20日は『毛布の日』なんですよ! 日本毛布工業組合によって2017年から制定された記念日です。1887(明治20)年に日本で初めて生産されて以来、あたたかな温もりで包み込む毛布は冬の眠りに欠かせません」

――毛布の正しい使い方だけでなく、素材の違いなども知れて大満足です。
「質の高い眠りは、明日への活力につながります。眠ることは、今日1日の疲れをとるためだと思っている方も多いかと思いますが、私たちは“明日をもっと元気に過ごすため”の睡眠だと考えています。今日よりもっといいパフォーマンスをするため、もっと元気に過ごすために睡眠は欠かせないもの。自分に合ったお気に入りの寝具を見つけて、ぜひ快適な睡眠をとってください!」

インターネット上でも話題になっている「正しい毛布の使い方」問題。「西川株式会社」さんのおかげでズバッと解決しました。毛布は敷かずに、「掛けふとんの上or下で使う」ことが正解!素材によって掛けふとんの上か下か変わってくるので、まずは普段使っている毛布や布団を調べてみてはどうでしょうか?

取材・文=日高ケータ(エフィール)

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