全国に先駆けてLCCM住宅建築に取り組み、低炭素社会の実現に貢献

2022年1月12日 10:30更新

東京ウォーカー(全国版)

Twitterで
シェア
Facebookで
シェア

2030年の達成に向けて全世界でSDGs(エス・ディー・ジーズ/持続可能な開発目標)に向けての取り組みが活発化。日本でも各企業でさまざまな展開が行われている。今回は、愛知県西三河地区を中心に1100棟の建築実績を誇る株式会社吉川住建が取り組むサステナブルな住まい「LCCM住宅」について、話を聞いた。

岡崎市に本社を構える株式会社吉川住建。名古屋、豊田にも展示場を開設している


「想いをカタチに」がコンセプトの住まいづくり

1979年(昭和54年)、岡崎に創業した株式会社吉川住建。「想いをカタチに」をコンセプトに、自由設計・自由発想の住まいづくりを行っている。特徴は、1棟ごとに専任の営業・設計・インテリアコーディネーター・現場監督がつき、4人が1チームとなって家づくりを行うスタイルだ。「責任の所在はすべて弊社にあるので、お客様との信頼関係も強くなり、満足度も高くなります。お客様にとっては一生に一度の大切な家、ということを常に念頭に置いて、家づくりに取り組んでいます」と代表取締役の吉川祐一さんは話す。

自社施工が吉川住建の持ち味のひとつ。熟練の工務スタッフが丁寧に一つひとつ作り上げる

屋根の形状などに工夫を凝らし、平屋でも大きく見せたいという施主の希望を実現したエコな家。デザインも機能性も大切にした家づくりを行う


スクラップ&ビルド型ではなく、長く快適に住める家を提案

きめ細やかな対応でオンリーワンの家づくりを手がける吉川住建は、耐震・断熱・気密性という、快適な住まいにとって重要な条件を満たした高性能な家づくりにこだわっている。

そのひとつが、木と鉄を組み合わせたハイブリッド工法「パナソニック・テクノストラクチャー工法」だ。たわみやすい梁に鉄を組み込んだ独自の梁と緻密な構造計算で、災害に対する強度を確保し、長きに渡って住むことができる家を手がける。「日本の家は、経年劣化で建て替えるスクラップ&ビルドの考え方で今まで成り立ってきました。しかし2009年に長期優良住宅の普及促進、2017年には省エネ住宅のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の促進も始まり、日本も環境を考えた住まいづくりに取り組むようになりました」と吉川さん。

「弊社はそれ以前から、当たり前のように長期優良住宅づくりに取り組んできました。強いだけではなく、長く快適に住み続けられる家づくりを考えると、やはり環境問題を考えなくてはいけません」

ZEHの断面イメージ。太陽光発電システムや高断熱の建材を取り入れることで室内環境を守りながら、省エネルギーを実現する


CO2収支をマイナスにする、LCCM住宅

耐震、省エネの長く快適に住み続けられる家づくりを行ってきた吉川住建が、他に先駆けて「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)に取り組むようになったのも、自然の流れだ。「私たちが作る家の標準仕様がLCCM住宅の基準にとても近く、これならもう少しでクリアできるのではないかと考えたのが始まりです」と吉川さん。

LCCMとは、再生可能エネルギーなどの使用で、その家に住んでいる間のエネルギー収支をゼロにするZEHに、さらに住宅の建設時や廃棄時において可能な限りCO2削減を実現することを組み込んだ家のこと。ライフサイクル全体を通してCO2排出量をマイナスにすることを目的としている。

地球温暖化対策として、政府は2050年までに新築住宅の平均でLCCMをめざしている

太陽光パネルを取り付けることにより、再生可能エネルギーを利用し、家の一生を通じてCO2の収支をマイナスにするエコな家だ。また蓄電池を設置すれば、夜や災害時への備えになる


LCCM×施主の理想を実現する

吉川住建では、令和2年度は3棟のLCCM住宅を建設し、国内でまだ38社しか認定されていない「国土交通省LCCM補助事業」に採択された。CO2削減のための高い基準をクリアすることに加え、施主の想いをカタチにしていくことはなかなか大変だと吉川さんは話す。

「例えば、太陽光パネルを設置するとなると屋根形状も変わってきます。お客様が理想とする外観デザインを考慮しながら、どこで折り合いをつけるか、いかに満足していただけるように仕上げるかを苦心しています。また照明はLEDに、キッチンの水栓設備も省エネ仕様のものを選択しなくてはならないので、内装についても常にお客様と一緒に考えながら進めることを大切にしています」

大きな窓は気密性も抜群。明るい日差しもたっぷりと入り、冬でも暖かい空間を実現

再生可能エネルギーの発電量と消費量をモニターで管理するので一目瞭然。スマートフォンからも確認できる。またLEDの使用や省エネタイプの水回り設備などを使用するのもLCCM住宅ならではだ

広々としたリビングも、高断熱、高気密の家ならエアコン一台で快適に過ごせる。電気の消費量も少なく、省エネだ


環境問題に関心が高いエリア特性もプラスに

LCCM住宅は、高性能な断熱や太陽光発電システムなどを取り入れるスペックが高い住まいのため、予算が上がってしまうのも悩みどころだ。しかし、吉川住建が営業を展開するエリアは環境モデル都市を提唱する豊田市が含まれており、最近では環境問題に関心のある施主が徐々に増えている。

「自動車メーカー関連に勤務されている方も多く、環境問題への意識が高い方が多い傾向にあるようです。そういう方に、LCCMにかかる費用や設備について提案をすると、スムーズに納得をしてくださいます。国土交通省が支援補助金事業を行ってくれているのも後押しになっています」と吉川さんは笑顔で話す。

名古屋展示場にも、環境問題に関心を持つお客さんが相談に訪れるという

展示場には完全独立型二世帯住宅とパナソニックテクノストラクチャーの家があり、ゆっくりと見学しながら家づくりを相談できる


社員の意識改革も、環境貢献につながる

さらにこれらのサステナブルな家づくりを行うことで、社員の意識も年々変化し、SDGsについてより勉強し、理解と知識を深める人が増えてきたという。「お客様の中には、まだまだデザインや価格を重視をされる方が多いのが実情。環境問題についてどれだけお客様の共感を得られるように説明するには、SDGsについてしっかりとした知識を持っていることが重要です」と吉川さん。

「私自身もSDGsについては以前から意識していましたが、やればやるほど奥が深いことがわかりました。社員の意識が向上すればお客様の意識も変わり、環境改善への貢献につながる。こうした積み重ねが、日本全体の環境改善につながる一歩になればと考えています」

吉川住建の社内ではSDGsの17の目標に対して、特に意識している項目を共通認識として掲げている。まずは「1.貧困をなくそう」だ。これは自然災害に耐え、安心して家族を守れる家づくりを通して実現する。次に「3. すべての人に健康と福祉を」については、ZEH住宅やLCCM住宅によって病気をしづらい健康な住まいを提供する。「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、太陽光発電や燃料電池などを備えたZEH住宅を推進。「13.気候変動に具体的な対策を」では、やはりZEH住宅やLCCM住宅を推進することで災害に対して強靭性のある住まいをづくりを行っていく。こうした具体的な目標に向かって、さらにサステナブルな事業展開を行っている。

「100%LCCM住宅」が将来の目標

吉川さんの展望は、将来的に吉川住建が手がける住宅のすべてをLCCMにすることだ。「日本の建築会社の約9割が、私どものような中小の工務店です。大手ハウスメーカーではなく、地方の工務店でも国の補助事業に採択され、コストパフォーマンスがよく高品質な家造りを行っていることをもっとアピールして、同業者を勇気づけたい。また地域の環境にも貢献したいと思っています」さらに、長期優良住宅を作ることで、世代を超えて家を受け継いでほしいとも。「本当にいい家は、必要なメンテナンスを行って丁寧に住めば長く快適に暮らせる。何代にも渡って安定した暮らしができる、そんな家づくりをしていけたら嬉しいですね」

「2030年目標のZEH基準や、2050年目標のLCCM住宅を当たり前としてお客様に提供していきたい」と話す吉川さん

この記事の画像一覧(全12枚)

キーワード

カテゴリ:
タグ:
地域名:

ページ上部へ戻る