【神田沙也加】人気映画のミュージカル化舞台で初座長

関西ウォーカー

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2002年に日本で公開され、大ヒットした映画「キューティ・ブロンド」。いわゆるガールズムービーと思ったら、一味違い、現在も女子に根強い人気を持つ。この作品が、2007年にブロードウェイでミュージカル化され、今回初めて日本版が上演される。恋もオシャレも勉強も、すべてに全力投球、持ち前のポジティブさで周囲の偏見や困難を吹き飛ばしていく主人公・エル。適役とも言える神田沙也加が、全身をピンクの衣装で包み、本物のチワワを抱いて、歌って踊って大活躍する。

物語は、普通の女子大生・エルが、恋人に振られて一念発起するところから始まる。一瞬ヘコむも立ち直りはメチャ早い!思い立ったら一直線、気合満タンで勉強し、弁護士を目指す。ただ、地味なロースクールでもお堅い法廷でも、ピンクの服にピンヒールで行くものだから、目立つのなんの。でも、周囲の偏見をはねのけ、自分のスタイルを貫くのがエル流だ。そう、見た目の印象だけで決めちゃイケナイ。自分の得意分野を生かして事件を解決してしまう。そのカッコ良さ、気持ちよさ。元気と勇気をもらえるサクセスストーリーだ。舞台はそこに歌とダンスが加わって、より一層華やかに繰り広げられる。

主演の神田沙也加が稽古前に来阪。「やりたいことや興味のあることを、来世でやろうって思えないタイプで、全部やりたいんです(笑)」と語り、終始笑顔を忘れずしっかり回答。その姿は、エル役にピッタリのイメージだが、素顔は意外と違う点もあるそう。作品への想いや、自身初となる座長を務めることへの意気込みなど、合同会見の抜粋と個別取材をまとめて紹介しよう。

Q:今の気持ちは?

幼少期からずっと観てきた東宝ミュ-ジカルで初主演が決まり、非常に恐縮していたのと楽しみなのと両方あったのですが、数か月後には公演が始まるので、少しずつ座長として自覚を持たなければならないなと思っている今です。

Q:映画は見ましたか?

「キューティ・ブロンド」は、ピンクのパッケージでリボンやヒールの靴とか、女子が好きなものがたくさんあるので、最初それに惹かれて見たんですが、見終わるとストーリーにすごく引き込まれていました。エルという女の子は、見た目でいろいろ判断されがちという挫折体験から始まって、そこから弁護士を目指すんですね。思ったより硬い道に行くんだなって、最初はビックリしたんですが、実に進み方がエルらしくて。物事を解決する時も彼女が好きなものの力で解決していく。おしゃれ好きでピンク好きという自分の好きなものを最後まで貫いて進んでいく姿がすごく好きで、何度も見返していた作品でした。可愛らしいものが好きな女の子が絶対好きな作品だと思います。

Q:演じることになっていかが?

ブロードウェイで舞台版を観た時の印象がすごく強くて。とにかくエル役の人がずっと出ずっぱりで、歌って踊ってすごいエネルギーだったので。私、作品を観る時に、自分がやるとしたらこの役はって妄想して観るクセがあるんですが、すごすぎて、そんな妄想も浮かんでこなかったぐらいパワフルだったんですね(笑)。なので、うれしいんですが、これを自分がやれるのかなっていうのが第一印象でした。エルは、つねに太陽みたいな女の子。落ち込んだりする瞬間もあるんですが、それを引っ張らないんですよね。だから、私も明るい立ち居振る舞いをしようと思ってます。

Q:音楽的な魅力は?

音楽は非常にポップで可愛らしくて。クラシカルな歌い方というよりポップスのジャンルに近いものが多いので、表現力やしゃべるように歌うというところをいつもより強化していかないといけないかな。女の子のおしゃべりがそのまま曲になっているような忙しい曲が多いので、言葉が聞き取りにくくならないよう、ちゃんと自分自身に浸みこませていかなきゃなというのが課題。どの曲も、明るい結末に向けて進んでいくような曲ばっかり。

私は、1幕ラストの「ソウ マッチ ベター」という曲がすごく好きです。ブロードウェイで観た時に「すっごいな、これ」と思って、すぐ立ち上がれないみたいになったぐらい、エネルギッシュだった曲なんです。歌いこなせるようになりたいですね。

Q:衣裳はピンクですよね、私物もピンクに?

そういうタイプですね、けっこう役に引っ張られるので(笑)。多分持つものとか、極端なピンクとか持ち始めると思います。今は離れてきてしまっていたんですが、もともと好きで、原宿系の真ピンクのファッションをしていた時期もあったので。今また、進んでどこかにピンクのスカート入れたりして、戻してるっていう感じです。今日も、ピンクを久しぶりに着ました(笑)。

今回、お衣装はすごく楽しみにしています。変身願望がある方なので、舞台衣装だとどんなものを着るのも好きなんですけど、ここまでピンクづくしっていうのは、もう多分一生、後にも先にも着ることがないんじゃないかな(笑)。

Q:映画と同じようにブルーザーは本物の犬がやる?

それを私もかなり初期の段階で聞きました、大事だなと思って。そしたらビジュアル撮影の時に、ほんとにブルーザーというチワワちゃんがいて。製作の皆さんが生き物の管理は万全に準備されていて、実際のワンちゃんが登場します。私が一番慣れていないとダメだと思うので、ちょっと連れて帰って一緒に寝たりしようかなって思ってます(笑)全国公演も一緒に回るらしいので。

Q:ご自身とエルの性格は似ていますか?

パッとインスピレーションで、正しいと思ったら絶対にやるっていうところは似てると思いますね。結果は、エルの場合はそれが全部成功して行くんですが、私の場合は、やってみて、ちょっと失敗しちゃったなっていうこともあったりするんですけど(笑)。でも、とにかくやると決めたらやるっていうところは似ています。

でも、私はエルほどスピーディには立ち直れないです(笑)。ものすごい立ち直り方だと思いますね、エルは。彼に振られるけれど、彼の好みを知って、そうだ私こういうふうになればいいんだ、よし大学行こ!ってならない(笑)。ある意味それは、もともとポテンシャルの高い女性だからこそできることであって、私は全然そうじゃなくて。どちらかと言うとすごく深くまで落ち込んじゃって、ひどい時はほんとに何年とか引きずったりとかする時もあるくらいなので。エルがうらやましい、これぐらい切り替え早くなりたいです。

Q:どういう思いで主演に臨む?

作品が決まって取材を受けるうちに、カンパニーを引っ張る身としてはとか、座長としてはっていう質問を受けるうち、あ、そうか、座長なんだなって。東宝作品の座長って、カンパニーのみんなに慕われて、とてもまぶしく背中を見られてるっていうのを、いつも1歩後ろから見てることが多かったので。そういうふうに自分がなれるかというと、不安は当然今でもあるんですが、逆にそういうお手本みたいな存在を見て来たので、理想形として頭に描いて頑張ることはできるのかなと、自分をすごく奮い立たせるところです。

Q:目標とする座長は?

女性では、ミュージカル女優になりたいと思ったきっかけの大地真央さん。お客さんとして観てる時はもちろんですし、共演した時は、360度穴が開くほど見たんですけど、瞬きのタイミングとかまで計算されていて、ほんとに、あぁなりたいし、越えられない、みたいな存在で。あと、男性では堂本光一くんですね。光一君は「Endless SHOCK」という作品で共演して。4カ月間、殺陣もやってフライングもやって、それでも疲れた姿を見たことが一度もない。やっぱり、座長だなと思いますね。お2人を尊敬しています。

Q:この作品から、どんなメッセージを伝えたい?

エルは、バービー人形みたいな洋服を着てるのに、あんまり嫌味じゃない。多分ブリブリしてないからなんですよね、あくまでもサバサバしてる。約束もちゃんと守るし、義理堅いところがけっこうあって。だから同性から嫌われないのかなって思うんです。

周りに合わせて自分の個性を押しこめることはせず、好きなものは好きだし、自分らしさをあきらめない。だけど、勉強して自分が決めた目標からはブレない。それが両立出来ている女性なので、それはオフィスで働く女性でも、そうありたいって思う人はいるだろうし、私もそう思うので、同性の方には共感していただけるのではないかなと思います。

Q:意気込みを。

この作品が発表になった時に、「私、一番好きな映画なんです」って言われることがすごく多くて。だから、根強い人気がある、好きな人にものすごく深く刺さる作品だと思うんですよね。映画のイメージが強いと思うので、あの動きをヒントに、あ、エルらしいねっていう感じをある程度トレースしようと思っています。自分の中の積極性とか社交性とか、かき集めてカンパニーの皆さんと対峙して、何よりワンちゃんに慣れてもらって(笑)。明るい作品ですので、観る方にハッピーを伝えられるように、自分が一番ハッピーで頑張ろうって思っています。

ブロードウェイの舞台はライブみたいでした。だから日本でも、劇場だということを忘れて、ライブみたいに楽しんでもらえればなと願っています。

Q:神田沙也加さんのファンの方、作品のファンの方へのメッセージを。

私のファンの方には、今まで私を応援してくださったことの恩返しも含めて、立派にちゃんと主演してるぞっていう姿をみせたいなと思います。あと、作品のファンの方には、日本人がやってしっくりくるんだろうかって不安に思われてる方もいらっしゃると思うんですね、私もその一人なんですが(笑)。カリフォルニアをメルパルクホールに輸入するような気持ちで、日本の人が観ても、なんだこの大げさ感はっていうふうにならない、そのギリギリのラインを探って、女の子が観て素敵と思える女の子像をやりたいなって思っています。

Q:これからもミュージカル中心でやっていきたい?

私、ミュージカルで大きな役割を感じていることがあって。ミュージカルは日本では敷居が高いと思われているところがまだまだあるので、あ、神田沙也加ってほかで見たことある、名前聞いたことある、だったら行ってみようかなっていうような、まだ観たことがない方との懸け橋のような存在になりたくて。それを目標にテレビやほかの活動をやっているんです。それがすべて舞台に返ってくるというか。だから、1年の中でもそれを柱として組んでいきたいなと思っています。

Q:「アナと雪の女王」の吹き替えを務めたことは大きかった?

ターニングポイントと言えると思いますね。すべてのことが変わりましたし、実際に今こういう機会があったりするのも、そのおかげだなぁと思いますね。「アナ雪」はオーディションで決まったんです。もし、それまでミュージカルをやって来ていなかったら多分、受からなかっただろうなと思います。演じながら歌うということが、どういうことかわからなかったと思うので。ディズニーファンの方がいらっしゃるだろうし、話もおもしろかったんですけど、あんな社会現象になるほどヒットするとは思っていなくて。あれれ、すごく遠くに行ってしまったっていう感じさえしていました。

Q:関西に来られた時に行くところ、することってありますか?

関西ってほんとに来る機会が多くて、梅田界隈で絶対ショッピングしてますね(笑)。HEPファイブやエストとか、フラッと洋服を見に行ったりとかクレープ屋さんに入ったりしています。観覧車も乗ったことあります(笑)。あとは、心斎橋の商店街を1人で歩いてたり。けっこうひとりでブラブラしてるのが好きで裏道ちょっと入ったらどこにつながってるんだろうとか。食べるものは、タコ焼きとかはあまり食べなくて、舞台役者さんがよく行く、中華料理屋さんとか、焼肉屋さんを教えてもらって、みんなと食べに行ってます。

高橋晴代

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