くちびる、瞳、ほくろ。フェティッシュな女の子を描くミステリアスな「tamimoon」とは?

東京ウォーカー(全国版)

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SNSを中心に女性のイラストを描いている「tamimoon」に注目が集まっている。顔もプロフィールも公開せず、活動期間はまだ2年。それなのに、1年目でSNSのフォロワーは35万人を突破、CDジャケットやストリートファッション誌の表紙を描いたりと、活躍の場は広がる一方だ。2022年2月12日には著書「IDENTITY」も発売となる。そんなtamimoonに、創作に込めた想いを聞いてみた。かわいらしくてはかなくて、時に強い存在感を感じさせる女の子の世界観を、どんな思いで描いてる?

最初は体温の低い女の子を描いていた

幼いころから絵を描くのが大好きだったtamimoon。「小学生のころアニメや漫画を好きになって以来、人物を描くようになった」そうだ。

「エモい」「かわいい」「いつまでも眺めていられる」と言うコメントがSNSにも多く寄せられるtamimoonの作品だが、「2年前は人間味のない、体温の低いような女の子を描いていました。でも、こんな女の子がいたらいいな、という理想の世界観を求めていくうちに、生っぽさのある体温高めな女の子に変化してきたんです。『エモい』と言うコメントをよく目にしますが、そういった空気感を表現したいので、想いが伝わっていると考えるとうれしいですね」と話す。

くちびるや目元。パーツに宿る想いと偏愛。生っぽい女の子に込めたものは?

tamimoonの描く作品はほとんどが女の子だ。くちびるや瞳、涙袋にまつ毛など、顔のパーツがより際立って見え、女の子に対するフェティッシュな世界観を感じさせる。tamimoonが偏愛パーツに力を入れて描く理由は何だろう?

「女の子独特のメイクやファッションが好きで、彼女達が持つ色気にフェティシズムを感じています。それを自分の作品で表現できたらいいなと思ったんです」

瞳が印象的な女の子。いちごあめの赤も鮮やか!髪をなでているのは誰?(C)tamimoon


ハイライトの位置や色味。まさにメイクするように描く

作品に登場するのは、独自の空気感を持った女の子たち。日常の一瞬を描いているのに、どこか遠くを見ているような独特の浮遊感が魅力だ。

描くときの大前提として「描きたい女の子の世界観にマッチするファッションやメイクを選ぶことを大切にしている」という。特にこだわりが強いのは「くちびるや目元などの顔のパーツです。色味やハイライトは、濃さや位置によって雰囲気が変わるので、一番かわいくなるように何度もチェックしています」。それはまるでメイクをするようなもの。登場人物史上最高にかわいくなるように、色目やハイライトで濃淡を作りながら、生っぽい表情になるように何度も調整しているのだ。

生っぽい唇とハイライトの効いたまぶたがまぶしい!(C)tamimoon


また、注目したいのは、ほくろのある女の子が多いこと。そこにも思いがあるのだろうか?

「ほくろも、フェチを感じる部分のひとつです。ほくろを加えることで、色っぽさや生っぽさが出るので、作品に使うことが多いですね。どの位置に描くかでイメージが変わりやすいので、それぞれの女の子に合うほくろの場所を毎回探って描いています」

目元のほくろがクール!(C)tamimoon


ファッションもギャップを意識して、甘く辛く!

ファッションにも注目してみよう。スポーティーだったりドレッシーだったり、時にはストリート系などいろいろなテイストの服を着ている。やはり、洋服にもこだわりが?

「ギャップのあるファッションが好きなので、ストリート系の中に甘い要素を入れたり、ドレッシーな中にカジュアルを入れたりとギャップを意識しています。アクセサリーも好きなので、描くことが多いですね」

5人いれば5通りのスタイリング!ゴールドのアクセサリーも存在感たっぷり(C)tamimoon


シスターフッドのような強い絆もある!?

これまでの作品には、1人の女の子を主役にしたイラストのほか、女の子同士の関係性が垣間見えるものも。女の子の絆の強さをテーマにすることもあるの?

「関係性を特に明記しているわけではないのですが、女の子同士の距離感や、その子たちだけの空間を感じられるように意識して描いています」

大人になりきれない不安と、それに負けないで生きようとする心の強さ。若さの中で生まれるアンバランスな表情が「エモさ」を生むtamimoonの作品。しかし、中にはちょっとミステリアスな場面をとらえたものもある。それは、2人の女の子が同じ白い服を着て、壁に同じ絵を描いているものだ。

「一番意味を込めた」という作品。見る人の想像や心を刺激して…(C)tamimoon


1人は赤い絵の具で服を染めたまま隣の女の子を見つめ、もう1人は白い服のまま真っすぐ絵に向かっている。2人は同じ絵を描いているにもかかわらず、どこか何かが違う風にも見えてくる作品だ。ファンは想像力を刺激され、いろいろな意見をSNS上で交わしたそう。

「これまでで一番意味を込めて描いた作品です。これには、たくさんの方が考えを巡らせてくれました。自分の考えとは違う見方をしてくださる方もいて、みなさんのおかげで、さらに意味のある作品になりました」と話してくれた。

これからのtamimoonはどこへ向かう?

2年間でたくさんの飛躍を遂げてきたtamimoon。今後はどうなっていきたいのだろう?

「いつも作品を見ていただき、ありがとうございます。自分の好きなものをこうして『好きだ』と言えているのは、みなさんのおかげです。自分の描く女の子たちが、これからどんどん活躍できるように、ジャンルを問わずいろいろなものにチャレンジしていきたいと思っています」と答えてくれた。

創作活動で一番大切にしていることは「まず、自分の好きなものが何かを理解すること」というtamimoon。描かれる女の子たちがどんな世界へ飛び出していくのか、今後の活躍が見逃せない!これまでの作品はSNSにアップされているので、ぜひチェックしておこう。

取材・文=田村のりこ

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