豊かな環境・資源・文化を育む森林の実現を目指して!豊田市がすすめる木材の循環利用とは?
東海ウォーカー
市域面積約9万1800ヘクタールと、愛知県内で最も広く、その約7割が森林という豊田市。2007年に20年間で過密人工林の一掃を図ることを主に「豊田市森づくり条例」を制定し、同時に「豊田市100年の森づくり構想」を策定。10年が経過した2018年には第2ステージとなる「新・豊田市100年の森づくり構想」を立ち上げた。さらに同年に設立されたのが一般社団法人の「ウッディーラー豊田」だ。木材や流通、建築の専門家集団で、地域の林業・木材産業の活性化と市民の暮らしの質の向上を図るために活動しており、「地元の木で家を建てたい」といった個人的な相談も受け付けているというから興味が湧く。
そんな豊田市で、実際にどんな取り組みが行われているのか、詳しく見てみよう。
SDGsの観点から見る豊田市の木材活用

豊田市が目指すのはゼロカーボンシティだ。木は空気中の二酸化炭素を吸収し、光合成により成長。吸収された二酸化炭素は、炭素として、樹木に固定され、木が伐採されても木材として建物や家具などに利用されれば、二酸化炭素として空気中に戻ることはない。つまり、適切に森林を管理することは木材利用の促進となり、地球温暖化対策にもつながるというわけだ。
豊田市産材の活用が森林資源の循環利用につながる

豊田市の森づくりの理念の一つに「木材の循環利用を進める森づくり」がある。豊田市はこども園や小中学校、子育て支援施設、地域の交流施設といった公共施設に地元の木材を積極的に活用。さらに、「豊田市テナント店舗等木質化モデル創出事業補助金制度」を設け、市内の飲食店や宿泊施設などの店舗で地元の木材を使用する際に補助金が適用される点も先鋭的だ。実際に多くの店舗の建物、椅子やテーブルに活用され、市内に温かみのある空間が続々と生み出されており、現在のライフスタイルにもマッチしている印象。

ここがすごい!ウッディーラー豊田との連携

公共施設や民間施設への豊田市産材の活用を進める上で、ウッディーラー豊田との連携は欠かせない。ウッディーラー豊田は「ものづくりをしたい人」と「森づくりをしている人」をつなぐ。つまり、間接的に森と人の距離を近づけているということだ。ここで、ウッディーラー豊田の取り組みをいくつか見てみよう。

ベンチなどの什器、木製遊具、ウッドデッキ、ルーパー、空間そのものなど、さまざまなプロジェクトに関わっているのはもちろん、御朱印帳やバスソルト、キッチンツールといったオリジナル商品も多数開発。レーザーやプリントによる加工をはじめ、木材をデータ通りに削ることもできるので、ノベルティグッズなどの作成に対応しているのも魅力だ。


ウッディーラー豊田では、工務店や中大規模建築に対応する「MAKER WOOD」、100%豊田市産の木材を使用し、オリジナルグッズなどの制作に対応する「CRAFT WOOD」の2つの木材のブランドを掲げ、建築業者から行政、個人まで、さまざまなシーンで相談を受け付けている。

ウッディーラー豊田のポテンシャルにも期待!
ウッディーラー豊田では、取り組みに賛同する個人会員、団体会員も随時募集中だ。「豊田市産材や三河材を使いたい」「地元の木で家を建てたい」「木について勉強したい」「木製家具やグッズに関心がある」など、木材利用に興味のある人を広く募集しており、現在会員は100社を超える。さまざまな取り組みを会員と実施しているほか、木製品の開発事業にも積極的で、共同開発の相談、アイデアもどしどし受け付けているそうだ。
そんな会員との共同開発のトピックスとして注目なのが、2021年11月、ウッディーラー豊田と会員企業が共同開発したプロダクトのウッドデザイン賞2021での入賞。家具メーカーが手掛けた椅子、金属加工を得意とする会社が作ったボトルの2つのプロダクトが入賞作品で、ともにウッディーラー豊田で販売も行っている。
会員募集、商品購入などについては、ウッディーラー豊田のホームページをチェックしてみよう。


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