“みんな大好き”エバラ食品の「SDGs」は4つの柱、その中身とは?

東京ウォーカー(全国版)

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「焼肉のたれ」「黄金の味」「浅漬けの素」といった商品でその名を知られるエバラ食品。1958(昭和33)年創業で、業務用のソースやケチャップの製造・販売からスタートし、上記のような、それまで市場に無かった商品を生み出し、日本の食卓に新たなおいしさと楽しさを広げてきたメーカーだ。

【写真】エバラ食品では、昭和の時代から今日まで多くの日本人に親しまれる商品りをリリースしてきた

「おいしいものを、さらにおいしくする調味料」「あったらいいなという調味料」を食卓にお届けしたいという創業の思いは、今日の経営理念 “『こころ、はずむ、おいしさ。』の提供”に受け継がれ、近年ではポーション容器を使用した鍋物調味料「プチッと鍋」を展開するなど、常に新しい美味しさ、ワクワクする美味しさを提供し続けている。

そんなエバラ食品もSDGsへの取り組みを行っており、その柱は主に4つあるという。ここでは、その中身にフォーカスしご紹介したい。

エバラ食品が掲げたSDGs推進の4つの柱とは?


エバラ食品では2019年に5カ年中期経営計画として「Unique 2023」を打ち出したが、SDGs推進を重要施策とし、以下の4つの柱を掲げたという。

「資源の有効活用と地球の持続可能性への対応」
「健康な心と体、おいしさがつなぐ絆づくりの提供」
「安全・安心な商品・サービスの提供と新たな価値の創造」
「組織と人材の活性化」

これら4つの柱について、2030年目標の設定、具体的な施策をロードマップに落とし込み、実行しているという。

賞味期限の延長による食品ロスの削減


2020年に「黄金の味」シリーズ20品、2021年に「おろしのたれ」や「プチッと鍋」などの家庭用商品32品の賞味期限を延長。納入・販売期限切れによる廃棄や家庭で発生する食品ロスの削減に取り組んだ。

数年にわたる保存試験で得られたデータをもとに、従来の品質を変えずとも、賞味期限を延長しても商品の安全性や品質を保証できると確認したため、実行したものである。

数年にわたる保存試験でのエビデンスのもと、賞味期限を延長させた


食品や日用品を寄贈するフードバンク/フードドライブ活動


エバラ食品では、安全に食べられるにもかかわらず、出荷ができない商品をフードバンク団体に寄贈することで、食べ物を必要とされる方々に提供してるという。また、2020年度からは本社を中心にフードドライブ活動を呼び掛け、従業員それぞれの家庭で余っている食品や日用品を持ち寄り定期的に支援団体へ寄贈する取り組みも実施している。


5社連携による共同輸送の取り組みでCO2排出量の削減、労働環境の改善


2019年12月より、エバラ食品および関連会社のエバラ物流、サッポロビール、サッポログループ物流、日本パレットレンタルの5社によって、岡山と大分・福岡エリア間の共同輸送を開始。

これによって地方間輸送ルートの安定確保、輸送の効率化によるCO2排出量の削減、ドライバーの労働環境改善、女性・高齢ドライバーの活躍機会拡大といった効果に期待しているという。ちなみに、日本物流団体連合会主催の第22回物流環境大賞では『特別賞』を共同受賞した取り組みでもある。

5社連携による共同輸送前と共同輸送後の図。合理的で環境にも優しい取り組みとなった


神奈川県の小中学校、そして海外でも食育教室を実施


30年以上にわたって、エバラ食品が全国各地で実施している親子バーベキュー大会(現在休止中)はもちろん、2008年からは神奈川県の小中学校を中心に「食の大切さ」や「共食」を楽しく学ぶ食育活動を実施し続けている。

2018年には同社の海外現地法人と連携し、海外の学校で食育教室も実施。さらに2021年には横浜市内の小学校で地産地消をテーマにしたオンライン食育教室を実施するとともに、地元の野菜と肉、そして「黄金の味」を使った特別給食の提供にも協力したという。

「食の大切さ」「共食」を楽しく学ぶ食育教室の様子


環境に優しい原料の新開発と、自治体との連携も


ここまでに紹介したエバラ食品によるSDGsにリンクする取り組みは一例に過ぎず、さらに環境に優しい原料の新開発や自治体への技術提供や共同開発にも及ぶ。

まず、紹介したいのが「プロテアーゼ力価の高い『液体麹』の開発・工業化」だ。エバラ食品が独自に開発した「液体麹」は、タンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)力価がみそ用米麹と比べて約 2.4 倍高く、肉や魚などタンパク質を主成分とする原料の発酵が可能。

「液体麹」とは、水に栄養成分を加えて作る液体培地の中で麹菌を培養したもの。雑菌が入らない環境で培養するため工業化に適しているが、一般的に固体麹と比べると酵素力価が低いこともあり、発酵食品の製造に用いられることはあまりなかった。エバラ食品ではプロテアーゼ力価の高い液体麹を開発し、工業化することに成功したという。

また、「秋田県への技術提供と共同開発」にも触れておきたい。エバラ食品では秋田県に液体麴の技術提供を行い、新機軸調味料「肉醤」の共同開発に成功。「肉醤」の原料には秋田県産牛肉の低利用部位(すね肉や内臓など)を使用し、肉の風味やうまみが生きた調味料を完成させた。

「秋田県への技術提供と共同開発」を締結した際の様子

さらに、2021年には「肉醤」と秋田の特産品「しょっつる(魚醤)」を使った焼肉のたれが秋田県内の企業から発売。食品ロスの削減や地域経済の活性化につながっているという。

こういったエバラ食品の取り組みが認められ、神奈川県の「かながわSDGsパートナー」に登録された。これをきっかけに、他の団体とも新たなSDGsの取り組みの推進を目指している。

「かながわSDGsパトーナー」にも登録され、さらなる他団体との取り組みを目指すエバラ食品工業


食品ロスの削減は、地球温暖化の進行を逆転させる!


食品メーカーとして、着実にSDGsに取り組むエバラ食品だが、実施に対してはそう容易いことではなかったようにも思う。メーカーとして相当な思い・団結力がなければできないことのように思うが、最後にエバラ食品・担当者に聞いてみた。

「当社では2021年に部門横断組織『SDGs 推進プロジェクト』を発足し、マテリアリティや2030年目標の見直しなどを進めてまいりました。そして今年度(2022年度)、取り組みをさらに加速させるため、サステナビリティを推進する委員会を新設しました。世界の専門家によると、食品ロスの削減は『地球温暖化の進行を逆転させる』施策の3位に位置づけされるほど、環境負荷軽減に寄与するそうです。

食品メーカーの責務としてより多くの皆さまに『自分らしいたのしさ、すこやかさ』をお届けしながら、生産された食品を無駄にせず、おいしく食べきることのできる商品・サービスを展開することで地球・社会・企業の持続的発展を目指してまいります」(エバラ食品・担当者)

2022年度中にもサステナブルな取り組みをさらに加速させるというエバラ食品

4つの柱に基づき、食品メーカーとしての社会性を打ち出し、サステナブルな活動を実施するエバラ食品。その思いに裏付けられた取り組み、今後も注目していきたいと思う。

文:松田義人(deco)

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