「この絵日記、すてき」との声が続々!スケジュール帳の1日分、約3センチ四方のスペースに緻密な絵を描く

東京ウォーカー(全国版)

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子育てをしながら日常で見つけたものや感じた事柄を描き留め、絵日記をTwitterにアップしている、ペン画家のジンボアユミさん( @ayumi_jimbo )。スケジュール帳(ロルバーンのノートダイアリー)1日分の1コマわずか約3センチ角のスペースに、その日あったことなどをシンプルに描いた絵日記が注目を集めている。1日ずつ単独で見ても、1カ月すべてがそろった状態で見ても、1つの作品として楽しめるので見ごたえ十分だ。

スケジュール帳の小さなコマに絵日記を描く写真提供=ジンボアユミさん


友達からの勧めで、スケジュール帳の絵日記を始めた

絵日記を始めたのは、友達からの勧めだったという。「友人がマンスリー手帳に描いた絵日記をSNSに上げているのを見て、『絵日記に憧れるものの、毎日描く自信がまったくない!』という話をしました。その時、その友人が『空白があっても、その時忙しかったのがわかっておもしろいよ』と背中を押してくれて。それならできるかも、と思えたのがきっかけです。やってみたいという気持ちは前々からあったので、ハードルを下げてもらった感じでした」

スタートしたのは2021年10月から。動物や植物を組み合わせた絵も多く、その不思議な構成もジンボさんの魅力だ。「その日の出来事をそのまま描いているコマも多いですし、描きたい内容から連想した動植物を描くこともあります。例えば停電した日などは、電線の上を歩くハクビシンの映像を思い出して描きました。子供が立ったり歩いたりした時の記録などは、手を上げてバランスを取っている様子をアリクイの威嚇ポーズに見立てています。描きたい出来事が特に浮かばない日は、その時描きたいものを描くことにしています」

2022年9月の左ページ。始めたころと比べると緻密さが増した写真提供=ジンボアユミさん

2022年9月の右ページ。アリクイの威嚇ポーズは9月4日写真提供=ジンボアユミさん


さまざまな動物であふれる絵日記を見ていると、動物を描くことが得意だろうと思うが、「動物は好きなのですが、実は描くことに対しては長く苦手意識を持っていました」という。「動物を描けるようになりたいという気持ちはあったので、6月ごろから練習を始めたんです。そこから少し苦手意識が薄れて、絵日記にもたくさん描くようになりました。なので、絵日記の中にも6月の終わりから急に動物が登場するようになっていて、そんな変化が見られるのもおもしろいなと思っています」

絵日記を続けられる理由は、1コマが小さいから

今までは「日記や記録をつけてみても続かなかった」というジンボさん。このスタイルの絵日記を続けられる理由は「1日分のコマが小さいところ」だという。「広いスペースに絵や文を詰め込むのは大変ですが、3センチ角くらいの小さいスペースを埋めるのは時間も短く済み、取り組みやすいです。また1カ月分が見開きで見られるので、1コマ1コマだけを見るとだいぶあっさりしていても、1カ月まとめて見るとギュッと詰まった感じがあって楽しいです。積み重ねる楽しさを感じられるところが魅力のひとつなのかもしれません」

1カ月分まとめてみるとこんなふうになる写真提供=ジンボアユミさん


しかし、小さい枠内に描くのは難しいのでは?「私の場合、大きい絵を描くより小さい枠内に絵を収める方が、気が楽なんです。小さいコマの中に描こうとすると、入らない部分はバッサリ切るし、細部まで描き込めず“ざっくり”になるのも仕方ない、といい意味であきらめられると言いますか…。その分描いたことがないものにも気楽に挑戦できるという利点を感じています。小さいから難しい!と感じたことはほとんどないですね」

それでも、使用する色には小さい枠ならではのこだわりもある。「線には黒を、彩色には緑と灰色を使用しています。いろいろなモチーフを詰め込んでもごちゃごちゃしないように、使う色を絞りました。私は色を選ぶのが苦手なのですが、あらかじめ色を固定することで、迷うことなくサクサク塗ることができています。私は植物を描くことが多いので、アクセントとなる色には緑が使いやすいと感じています」と、小さい枠内に描くコツは多い。

見返すことを意識して、ネガティブな出来事はコミカルに描く

ジンボさんのTwitterやInstagram( @ayumi_jimbo )などを見て、やってみたい!という方も多いのではないだろうか。ジンボさんは「先述のとおり私には絵日記を続ける自信がなかったので、描くことに対するハードルを極力下げることを意識」して、描き始めたという。ジンボさん流、絵日記を続けるための心得は以下のとおり。

・忙しくて描けなかった日があったとしても、後日まとめて描けばよい
・すぐに描けなかった日の分は、描きたい内容を忘れないようにメモをする
・描きたいと思ったものがあったら難しそうでも描いてみる

初期のころの絵日記写真提供=ジンボアユミさん

日常のほんの些細なことが綴られている写真提供=ジンボアユミさん


描く内容については「描いていて楽しいと思えるものが一番」とのこと。また「後から見返すことや、1カ月同じページを使うことを考えて、ネガティブな感情をそのままぶつけることは避けています。嫌な出来事だけど記録として描いておきたい場合もあるので、そのような時は動物を描いたりキャラクターを動かしたりして、コミカルな表現にしています」と、絵日記ならではの気を付けるポイントも教えてくれた。

ちなみに、ジンボさんの使用しているペンもご紹介。「小さいコマに絵を描くので、ペンは滑らかに細い線が引けることを重視しており、私はユニボール シグノ(三菱鉛筆)の0.28ミリを愛用しています。2021年の絵日記では絵の輪郭線を太く描いていたコマもあるのですが、そちらの輪郭線には同じくシグノの0.38ミリを使っていました。彩色にはマイルドライナー(ZEBRA)のマイルドグレーと水性サインペン(無印良品)のうぐいすいろを使用しています。下描きにはステッドラーの芯ホルダーに2Bの芯を入れて使っています。私の筆圧に合っているようで、凹みも残らず快適です」。描いてみたい!と思った読者の方は、ぜひ参考にしてみて。

絵日記を始めたら前向きな気持ちがキープできるように

絵日記を続けることで、ジンボさん自身によい変化も現れてきたよう。「絵日記を付け始める前は、忙しくて趣味の絵をなかなか描けない期間があった際に、何も描けていないことに対して落ち込むことがあったのですが、今は忙しくてもとりあえず絵日記は描けているからいいか、と前向きな気持ちをキープできています」

さらに「1年分の絵日記をまとめて冊子を作りたいです。SNSに上げる写真だけではなく、私の手帳と近い雰囲気で、手元で楽しんでいただけるものを作ってみたいと思っています。そして、今後は旅行をして旅の記録も描きたいです」と、広がる今後の活動にも注目したい。

取材・文=澤田佳代

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