実は肉と同じレベルのこだわりが!牛丼の名脇役「タマネギ」のおいしさの秘密を吉野家に聞いてみた

2022年11月15日 08:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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牛肉のおいしさはもちろん、「タマネギがおいしい」といった声も多い吉野家の牛丼。そのタマネギは、一定時間煮込まれているはずなのに煮崩れしていることはなく、きちんとタマネギ本来の食感や甘味を残している。

普段何気なく食べている吉野家の牛丼だが、もしや牛肉同様かそれ以上に「タマネギ」への強いこだわりがあるのではないだろうか。そう考えた筆者は、株式会社吉野家 グループ商品本部 メニュー開発担当の千葉祐二さん、森田匠子さんに「吉野家のタマネギ」についてアレコレと聞いてみた。

吉野家の牛丼に不可欠のタマネギ。その厳しい選定基準とは?


牛肉と同じくらいこだわりアリ!厳選された吉野家のタマネギ

牛丼をベースに50種類以上のメニューを提供している吉野家だが、筆者の想像通り、やはり牛肉同様のこだわりがあるのがタマネギだという。

「タマネギは産地を決めていますが、産地が変わる端境期にはバイヤーと開発担当で現物を確認しており、『糖度が高く、甘味と旨味がしっかりしているもの』『適したサイズのもの』をバイヤーと確認し合いながら選んでいます。タマネギの選定をする際は、生での食味なども当然しますが、研究に研究を重ねたうえでのデータがあり、これを全てクリアするものを採用しています」

このようにして採用されたタマネギだが、データでクリアをしてもそのまま採用するわけではなく、さらに実際に調理テストをしてから決定するという。

「選定したタマネギを開発部のキッチンに入れ、実際に牛肉と一緒に煮て、その味や食感の精度に見合うものなのかをチェックし、ここでクリアしたタマネギがようやく本採用となります」

また、吉野家の牛丼のタマネギは、食感を保つためのカット幅や身の厚さも重要な選定ポイントだという。

「カット幅は決まったデータに見合うものとしていますが、『身厚かどうか』も重要な要素になります。タマネギの外側の薄いところを外し、なかの身厚な部位を取り出して牛丼に使うわけですが、タマネギによってはなかの部位も薄い場合があります。それでは牛丼を食べた際、口のなかに皮が残るような食感になるため、おいしく仕上がりません。やはりある程度身厚であり、タマネギの食感を確立させたものではないと採用には至らないんです」

吉野家が厳選するタマネギ


ここで補足しておきたいのが、牛丼の主役である牛肉についてだ。吉野家の牛丼にはトウモロコシなどの穀物を食べて育った北米産の牛の肉を採用しているというが、この牛肉の特徴は、煮て食べた際に肉の甘味がしっかり出てくるところ。

吉野家特有の牛丼の“独特の甘さ”はここに理由があるように思うが、この牛肉を引き立てるのもまたタマネギだという。

「牛肉の甘さに対して、タマネギの甘さが加わることで、吉野家ならではの味わいを引き出すことができます。その意味でも、やはりタマネギの選定はかなり繊細に行っていますね」

牛丼で培ったタマネギの調理技術で牛丼に合うカレーが誕生

こだわり抜かれた吉野家のタマネギだが、最近メニューに加わった「牛カレー」(569円)と「牛ハヤシライス」(569円)にもふんだんに使われている。

特に「牛カレー」のほうは、タマネギの量を従来のカレーよりも2.5倍増やし、生タマネギ、タマネギソテー、タマネギペーストなど、牛丼とはまた違う調理アプローチによって、独特の味を表現している。

従来のカレーよりもタマネギの量を2.5倍アップした「牛カレー」(569円)


また、「牛ハヤシライス」も牛丼で培われたタマネギの調理技術が反映されており、隠し味のトマト系ソースによる酸味とのバランスで、複雑ながらもまとまりのある味わいになっている。

タマネギの甘味とトマト系ソースの酸味が絶妙なバランスの「牛ハヤシライス」(569円)


「カレーやハヤシライスであっても、吉野家では『必ず牛丼と合うもの』という条件があります。それを追求していった結果、やはりタマネギは重要ポイントでした。『牛カレー』のほうは『カレーのなかにどれだけタマネギを入れられるか』を考えると同時に、スパイス感のあるカレーであっても吉野家ならではの甘味も表現しようと心掛けました。さまざまな調理をしたタマネギをふんだんにカレーに加えたことで、牛丼と合わせて食べても双方が引き立つ味を実現することができました」と、この商品の開発の中心にいた森田さんは話す。

タマネギが甘さを引き立て、濃厚な味わいを表現する「牛カレー」

牛丼ともマッチするよう作られた「牛ハヤシライス」


「まだ完璧な味ではない」吉野家の追求は続く

千葉さんと森田さんの姿勢は、あくまでもストイック。「これでも100%完璧な味ではない」と言い、吉野家のタマネギを使った味わいの追求は今後もさらに続けていくという。最後に、今後の展望を聞いた。

「ありがたいことに『牛カレー』『牛ハヤシライス』はご好評をいただいておりますが、今回の味が100%完璧な味だとは思っていません。まだまだ追求する余地はあります。特にカレーやハヤシライスに採用するタマネギに関しては、自然な甘味が出るようなものをさらに厳選していきたいと思っています。『吉野家に牛丼を食べに来たはずなのに、気づいたらカレーやハヤシライスが食べたくなって注文していた』というお客様が今後もっと増えるように、これからも味のブラッシュアップを念入りに行っていきたいと思っています」

肉ばかりに目が行きがちな吉野家の牛丼。これから食べる際は、ぜひ名脇役のタマネギにもご注目を!

タマネギはもちろん、味全体の追求はまだまだ終わらない!


取材・文=松田義人(deco)

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