沖縄伝統工芸「紅型」の染色を体験!500年の歴史を誇る染め物で琉球王朝の息吹を味わう

東京ウォーカー(全国版)

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【写真】こいのぼりやクリスマスツリーなど、季節性のあるかわいい壁掛けも

沖縄生まれの伝統工芸「紅型(びんがた)」は、日本を代表する染め物の1つで、独特の鮮やかな色彩や配色、図形などが特徴だ。歴史は古く、約500年前の琉球王朝時代の王族や士族の着物にさかのぼる。普段めったに触れることができない格式高い染め物のイメージがあるが、沖縄に旅行に行くのなら、沖縄らしいものに少しでも触れてみたいー。ということで、素人でも紅型の染色体験ができるという情報を見つけ、ウォーカープラスの編集部員3人が初の染色体験にチャレンジしてみた。

「城紅型染工房」で紅型体験!

やってきたのは、沖縄県の浦添市にある「城(ぐすく)紅型染工房」。那覇空港から直結の都市モノレール「ゆいレール」に乗り、経塚駅で降りて徒歩約10分。沖縄は車社会だが、モノレールで行けるのはとてもうれしいポイント。

店内には、美しい紅型染めの雑貨や壁掛けなどがズラリと並ぶ

創業51年というこちらの工房では、各コンテストでゴールド賞を獲得してきた紅型デザイナーによる紅型の染色体験を実施しているほか、紅型のベビー服や日常品などの制作・販売も行っている(※紅型染め体験は3日前までの事前予約制。3日を過ぎた場合でも予約の空きがあれば対応可)。染色の体験コースはいくつかあるが、今回は沖縄らしい首里城やシーサーのデザインが入ったトートバッグとタペストリーの体験コースをチョイス。

1階のギャラリーで申し込み後、2階の工房へ移動し、さっそく説明を受ける

体験の前に、スタッフで紅型デザイナーの吉濱愛さんによる紅型の簡単な説明と、染め方の注意点などを教わる。今回体験する染色の技法は「型染め(かたぞめ)」。4歳の子供でも体験できる紅型の技法とのこと。

まっさらな下地に、自分で色を乗せていく

体験では、あらかじめもち米と米ぬかを蒸して溶かした防染糊が載った布を、ぬり絵のように染めていく。スタッフは、この型紙を作るのに1カ月かかるのだとか。

「大胆さも大事ですね…でもつい慎重になっちゃう」と、不安そうに色をのせていく

染めたい範囲によって、筆の太さや大きさを変えていくのもポイント

編集部員Mは、首里城のデザインにチャレンジ。今回は全8色を使用し、明るい色から濃い色の順番で太い筆と細い筆を使い分けて色をのせていく。

だんだんと完成に近づいてきた模様!

最初は全員「結構難しいですね…」と言いながらも和気あいあいと作業をしていたが、30分経過すると誰も一言も喋らない状況に。3人ともハマってきた様子。「どんどん難しくなるので、無言&無心になると思います」とスタッフの吉濱さん。

こちらが染めた後の状態。体験当日はこのまま持ち帰り、後日、自宅での乾燥や糊を落とす工程を経て完成する

首里城の細かい色付けに苦戦しながらも、ようやく完成!「最初は不安でしたが、色の付き方やにじみ方がだんだん分かってきて、なんとか完成しました!糊を落とすまでどんな仕上がりになるか分からないので、ドキドキですね」と、ひとまずホッと安心する編集部員M。吉濱さんは「首里城よく頑張りましたね」とコメント。このあと、自宅での乾燥方法や糊を落とす作業について説明を受け、終了。

こちらが完成品。糊を落とすと、首里城の形がくっきり!


「城紅型染工房」店長の山城信吾さん

「紅型の染色体験、楽しいですよね。体験するお客様は3、4歳から上は90代までと幅広く、3世代で旅行がてらに来る方もいれば、香港、アメリカ、南米、ハワイなど、いろいろな国籍の方まで来店します。これからも、お客様とのご縁を大切に、紅型の長い伝統と新しい流れを組み合わせたものをミックスしながら、紅型を通して沖縄の文化を広げていくきっかけを作ることができたらと思っています」(店長:山城信吾さん)

優しい印象の紅型染めは、ベビーグッズとの相性も抜群

城紅型染工房では、通販で自宅でも染色を体験できるキットなどを販売しているほか、ギャラリー(店舗)では紅型を使ったベビー服やキッズ服、名刺入れ、蝶ネクタイ、キーケース、スマホケース、壁掛けできるタペストリー、シール、ヘアゴムなど100種類もの商品が並ぶ。

すっかり紅型の魅力にハマってしまった3人。続いて向かったのは、沖縄本島南部の海沿いのまち・南城市。沖縄の海や自然の息吹あふれるローカルなエリアだが、沖縄の古民家で紅型染めの体験ができる「虹亀商店」があると聞いてやってきた。

「虹亀商店」で販売されている「あんどん」

お店の中に入ると、さっそく目に入ったのは「琉球あんどん」。紅型を和紙に染めて、一つひとつ丁寧に手作りしている作品だ。この優しい明かりを覗くと、サンゴやキジムナー、かじゅまる、花などが彩られており、心が温かくなる。

今回はコースターの紅型染めを体験!

細かいグラデーションや色のぼかし方を教わる編集部員

こちらでも、さっそく紅型を体験!編集部員Mは、シーサー柄のコースターをチョイス。先ほどのトートバックやタペストリーより小さい分、より繊細に色をのせていく必要がある。「ポイントは、筆をまっすぐ持って、くるくる回しながら塗ることです」とスタッフからアドバイスをもらいつつ、慎重に色をのせていく。

面積が小さい分、繊細な作業に

スタッフから「とっても丁寧ですね」と褒められる編集部員Mだが、「色が重なっても大丈夫かな?」などと心配が拭えない。編集部員一同、どんどん無口になりながら無心に作業していく。

「完成しました~!出来上がりが楽しみです」(編集部員M)

無事に完成!!「いや~、目玉が細かくて難しかったです!グラデーションになっている部分も見本通りになるよう頑張りましたが、うまくいっているといいな」と編集部員M。「虹亀商店」店長で紅型染め作家の亀谷明日香さんは、「塗り残しがなくキレイですよ。洗って乾かしたら、もう見本なのか自分の作品なのか見分けがつかないと思いますよ」と笑顔で声をかけてくれた。

店内には、亀谷さんによる素敵な作品がいっぱい!沖縄旅行の記念にもぴったり

沖縄の自然の中で集中するゆるりとした時間が、これまた日常と違った気持ちよさで、気持ちいい。沖縄初心者も沖縄通も、自らの手で沖縄の伝統工芸をじっくり味わう“紅型旅行”をしてみてはいかがだろうか。

取材協力:沖縄県/OCVB


※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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