「力が欲しいか」悪魔のささやきにうなずいたのに何もなし!?意表突くドライなオチの4コマにニヤリ【作者に聞いた】
「力が欲しいか…?」どこからともなく、代償と引き換えに力をもたらす悪魔のささやき。思わず「欲しいかも」とささやいたけれど、悪魔は「ご協力ありがとう…」と言い残して去ってしまった!?お約束を見事にスルーする意外なオチが光る4コマ漫画を描く作家にTwitter上で注目が集まっている。

悪魔の目的は「聞いてみただけ」鉄板ネタのずらしが面白い
Twitter上でオリジナルの4コマ漫画を投稿している、あくまでクマ(
@akmd_kuma
)さん。冒頭で紹介したのは、10月に公開された「聞くだけの悪魔」という作品だ。想像通りの展開なら悪魔との契約で超常の力を手にする流れなのに、悪魔がやっていたのは市場調査。ほしい・ほしくないの回答サンプルを集めているだけだったという脱力必至のオチだ。


同様に悪魔が登場する4コマ「不老不死」では、不老不死の薬を飲んでしまった女性と悪魔の掛け合いが描かれる。「億万長者にしてやろうか」と持ちかけ契約を結ぶ女性だが、悪魔は卑劣にも「代償に貴様の寿命を半分いただく」と後出し。だが女性は不老不死になっていたため、悪魔の営業成績(!?)も振りきれてしまったという結末。8月にTwitterに投稿された際には5万6000件を超えるいいねとともに、「不労不死じゃん」「インフレ起きるわ」「必勝パターンが完成した」と数々の反響が寄せられていた。
「経験値ゼロ」からのスタートだった、社会人からの漫画制作
親しみやすさを感じる絵柄と、読者の意表を突くユニークな発想やドライなオチとの組み合わせが絶妙なあくまでクマさんの4コマ作品。紹介した漫画のほかにも、これまでにたびたびSNS上で注目を集めている。ウォーカープラスではあくまでクマさんに、4コマ漫画を描き始めたきっかけや制作の舞台裏をインタビューした。


――あくまでクマさんが4コマ漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
「会社員として働き始めてから時間があっという間に過ぎていくことに恐ろしさを感じて『やりたいことをしよう』と思い始めたときに、一番やりたかったことが漫画だったので、それがきっかけで漫画を描き始めています。漫画を描くことそのものにはすごく興味があったのですが、ほとんど絵を描いたこともない経験値ゼロの状態だったので、いろいろと苦労しながらも描きたいという気持ちだけで続けてきたみたいです」
――4コマ漫画を選んだ理由はあったのでしょうか?
「4コマ漫画にしたのは、短くてもいいので完結したものを作ることが大事かなというのが理由です。普段からよく使っていたSNSがTwitterだったので、漫画を読んでもらうための投稿先としてそのまま使っています」
――ちなみに、4コマ以外の漫画も描かれたことはありますか?
「最初は短編漫画を描きたいという気持ちで描き始めていたのですが、ほとんど完成させることができてないですね。今もたまに短編漫画にも挑戦しようとしているのですが、4コマに比べると考えることが多くて途中で断念してしまいます。ですが描きたい気持ちはあるので、いつかは完成させることを目指しています」
――作品はどれも、かわいらしい絵柄とドライなギャグというギャップが面白いです。
「普段はインターネットやリアルな場での大喜利を趣味でやっているのですが、私自身の大喜利の回答は淡々としたところはあるので、ギャグの部分はその影響が大きいかと思っています。絵柄のほう可愛らしいと描いていて楽しいという気づきもあって、こういった絵柄になったと思ってますね。なのでギャップになっているのはあまり意識はせずに今の作風になったように思います」