人気コーヒー芸人・コマンダンテ石井が語る「人生をより豊かにしてくれるコーヒーの魅力」

芸能界屈指のコーヒー好きとしても知られる、人気お笑いコンビ・コマンダンテの石井輝明さん。自宅には数多くのコーヒー器具をそろえ、プロ顔負けのハンドドリップの腕前を持つ。これまで訪れたカフェは1300店以上にのぼり、Instagramでは日々カフェの情報を発信。今ではフォロワー数が6万人以上という人気っぷりだ。そんな石井さんが 2022年12月14日(水)に初著書『全人類に提唱したい世界一手軽な贅沢 おいしいコーヒーライフ入門』を出版した。

書籍では、365日コーヒーを飲む石井さんが導き出した、こだわりのハンドドリップ術やコーヒーライフを格上げしてくれる“推し豆”の見つけ方などを紹介。今回は石井さんのライフワークでもある“カフェ活”を中心にコーヒーの魅力について詳しく話を聞いた。

大人の趣味としてコーヒーを楽しむ

――今回の書籍は趣味としてコーヒーを楽しむために、さまざまな切り口でコーヒーの魅力を伝えていますね。石井さんがコーヒーにハマったきっかけを教えてください。

石井：芸人を始めたころは、それほどコーヒーが好きなわけではありませんでした。7年ほど前に後輩がプレゼントしてくれたコーヒーミル(コーヒー豆を挽く道具)をきっかけに、自分でコーヒーを淹れることを始めたのです。それがすごく面白くて、みるみるうちにコーヒー沼にハマっていきましたね。

コーヒーはただ飲むだけではなくて、淹れる楽しみや豆を選ぶ楽しみ、カフェで新しいコーヒーと出合う楽しみなど、さまざまな楽しみ方があります。読者の皆さんは、どれか一つ気になったものから始めてもらうのも良いと思います。もしかすると、コーヒーを自分で淹れると聞くと、敷居が高いと感じる方がいるかもしれません。でも実際はそんなことはなく、最低限の道具と基本となる知識があれば、誰でも簡単に始められるのです。

僕自身は、コーヒーの専門家ではなく、あくまで趣味としてコーヒーを楽しんでいる人間の一人です。しかし、コーヒーによって人生が格段に豊かになったことは間違いありません。だからこそ、身近にコーヒーを感じてもらえるように、コーヒーがある生活の魅力を伝えたいと思い、この本を作りました。

――石井さんが考える、コーヒーの魅力を教えてください。

石井：僕にとってコーヒーは人と人をつないでくれるもの。コーヒーを趣味として楽しむようになってから、芸人仲間とカフェに行くことが増えました。そこで、落ち着いて話をしながらコミュニケーションをとる時間がすごく好きですね。人と話す時に間にいてくれて、会話の潤滑油になってくれる。そういうところが魅力かなと思います。もちろん、その時に飲むコーヒーはおいしいほうがいいですよね。知識が増えることで、コミュニケーションの場がより快適になっていくと思うと、もっとコーヒーのことを知りたいなとも思います。

自分にとっての“おいしいコーヒー”を見つける

――石井さんは、国内外のカフェを1300店以上巡るなど、カフェについても非常に詳しいことで知られていますよね。最近はどんなふうに“カフェ活”を楽しんでいますか？

石井：Instagramで最新のカフェ情報をチェックして、気になるお店に訪れていますね。おすすめのチェック方法は、まず自分のお気に入りのカフェをフォローすること。そうすると、そのカフェの店主さんが通うお店や、独立したスタッフさんの新店など、信頼できる情報が得られるはずです。

また、自分好みのコーヒーに出合うことができたら、コーヒー豆の種類や焙煎方法に着目してみてください。そのコーヒーにはどんな産地の豆が、どのような焙煎の度合いで使われているのかを知ると、自分好みの味の理由を紐解くことができるかもしれません。本の中でも、コーヒーの味の決め手となる要素について詳しく紹介をしているので、ぜひ参考にしてくださいね。

お店の方とのコミュニケーションも、僕にとってはカフェでの楽しみのひとつでもあります。タイミングが合えば、思い切って店主さんに豆の種類や焙煎方法を聞いてみるのもおすすめです。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

石井：僕はもともと、何かを主張することは得意ではないのですが、コーヒーに関してだけは例外なんです。コーヒーのある生活がとても充実していること、コーヒーのおかげで幸せが増えたことを皆さんに伝えたい、そんな気持ちで今回書籍を作りました。この本をきっかけに、僕が大好きなコーヒーを皆さんにも好きになってもらえたら何よりです。

取材・文＝水野史恵(エディマート)
写真＝藤井大介