【北アルプス国際芸術祭レポート】北アルプスは面白い。自然と文化が交差する絶景のアート
関西ウォーカー

7月30日(日)まで開催されるアートの祭典「北アルプス国際芸術祭~信濃大町 食とアートの回廊~」を、アートが大好きで多くのアートフェスに関わり実際に見てきたKADOKAWA2021年室エグゼクティブプロデューサー・玉置泰紀が会場からレポート!
開会式前日から「北アルプス国際芸術祭~信濃大町 食とアートの回廊~」を、総合ディレクターの北川フラムさんと共に回ってきました。近景の山は緑滴り、遠景の山は雪が残る絶景が、水田に張られた水に映る風景は美しい。気温も標高が高く(市街地でも約700m)、涼しい。水が豊富で、町中の地中の水路も勢いよく流れていて、耳を澄ませると様々な水の音が聴こえてきます。

5年前に、友人が始めた勉強会に北川氏やランドスケープデザイナーの山崎 亮氏、玉置など、入れ替わりでお話をさせてもらいましたが、そこに来られていた地元の人たちが大町の町おこしに取り組まれ、さらには、北川氏の越後妻有大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭などの取り組みを聴いて、大町市も動いて、この芸術祭開催に至ったことを思うと感慨深いです。

大町市はかつて、塩の道「千国街道」の宿場町として栄え、映画にもなった黒部ダムが作られた時もベースキャンプ的な役割を果たした。北川氏は、この地を、日本を東西に分断するフォッサマグナの西の縁に位置する事に着目し、東西の地質や植物が出会う特異点としてロケーションを定めました。


源流、仁科三湖、市街地、東山、ダムの5エリアに点在する40余りの作品は単にアートと言うだけでなく、地元の食材を地域のお母さんたちが昔話と共に伝える食の場であり(「おこひるの記憶」)、林の中を歩いて体験する世界であり(遠藤利克「Trieb-雨為る森-」)、平田五郎「水面の風景-水の中の光~山間のモノリス」のように、湧き出る水のろ過装置としての作品を作り、ホタルが飛べる環境につながるような試みまで、地方のキャラクターに寄り添った有機的につながった作品群になっています。


実際に町の中の各エリアを移動し、様々な環境(自然だけでなくユニークな公共建築や民家、神社まで)を歩くと歴史や人の思い、土地の豊かさ、今の課題までが見えてきて得難い体験となります。例えば、クリエイティブチーム、目の「信濃大町実景舎」は鷹狩山の山頂にあり、目前に広がる北アルプスを楽しめる建物だが、その内外に漆喰のような真っ白な土が盛り上がり、ただの展望ではない、狐か狸に化かされたような不思議な空間を惑わされることに。

中山高原の牧場に地元の絵本作家、青島左門が作り上げた「花咲く星に」は週末の夜開催(詳しくはHP参照)で、真っ暗闇の中、月や星の光の中会場に着くと、生きた花の中にLEDが仕掛けられたものが地上だけでなく空間にも無数に散りばめられ、静かにならされる音楽の中、瞬く光が名状しがたい感覚を味あわせてくれます。
地元のホテル、くろよんロイヤルホテルがアートルームを作るなど、地域の連動の動きもあり、地元の人、訪れる人たち、アーティストがともに作り上げていくのが地域アートのだいご味で、これから季節が移るにつれてさらに違う表情を見せてくれるでしょう。
【KADOKAWA 2021年室/エグゼクティブプロデューサー・玉置泰紀】
玉置泰紀
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