FP飯村久美さんに学ぶ『貯蓄1000万円の壁』を越えるコツ。「貯蓄1000万円」は誰にでもできる

東京ウォーカー(全国版)

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円安による生活コストの上昇や、老後資金問題など、お金に関する漠然とした不安を抱えている人も多いはず。一方で、これまでにも「お金を貯めたい」と考えてきたにもかかわらず、なかなかうまくいかないという人も少なくないだろう。ここでは、『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』の著者でもあるファイナンシャルプランナーの飯村久美さんが、お金を増やすコツを伝授。
今回は第42回。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】

お金を増やす力の考え方の基本は、 「手間をかけずに、時間をかける」 ことです。そして、 具体的な投資方法としては、「長期・積立・分散」 です。

この投資にピッタリなのが、国が投資をバックアップするふたつの制度、「iDeCo」と「つみたてNISA」です。いずれも少額からスタートできますし、最初の手続きさえ完了すれば、あとはほったらかしでOK。手間もかかりません。iDeCoであれば5000円から、つみたてNISAなら金融機関によっては100円から積み立てをすることができます。

貯める力、稼ぐ力を付けると、その金額は少しずつ大きくすることができるでしょう。そして、その 小さな積み重ねが、「貯蓄1000万円」を手繰り寄せることにつながっていきます。

少額からのスタートですから、最初の1年2年は驚くほどの成果とはいえないかもしれません。しかし、5年、10年、15年と時間をかけることで、貯蓄額も100万円、200万円、500万円と増えていくことになります。そこまで来たら、もうゴールは間近です。

「貯蓄1000万円」といわれると、とても届きそうにない目標に感じるかもしれませんが、そんなことはありません。誰にだって、達成できる目標なのです。

「貯蓄1000万円の壁」を越えると、「見栄」がなくなる

ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん【撮影=樋口涼】

「貯蓄が1000万円を超えたあたりから、なんだか物欲がなくなりました」これは、私のクライアントからもよく聞かれる話です。「お金持ち」と聞くと、ブランドの洋服で着飾り、お洒落な家に住んで、高級車を何台も所有し、とにかく贅沢三昧している、というようなイメージを持っている人も少なくないと思います。でも実は、 億万長者といわれている人ほど、意外と質素で控えめな生活をしているもの です。

以前、番組でご一緒させていただいたプロ棋士で投資家の桐谷広人さんもそのひとり。たくさんの株式をお持ちで、株主優待で心豊かに暮らしていらっしゃいますが、贅沢な生活に興味がないかうかがってみたところ、「まったくない」とおっしゃっていました。ご両親が倹しながら質素に暮らしていたので、自分だけ贅沢できないというお話でした。また、「優待投資家の仲間には贅沢している人はいない」ともおっしゃっていました。

それなりの 貯蓄がある人は、「本当に必要ならいつでも買えるよ」という余裕があるため、欲しいものに対して執着することもなければ、必要以上の贅沢もしません。 これはお金持ちの人がケチというわけではなく、お金を払う価値がないと思うものには無駄にお金を使わないということです。逆に、自分にとってお金をかける価値があると思うものには、惜しげもなくお金を払います。つまり、 お金の使い道がはっきりしている のです。

一方、お金があまりない人ほど高級志向にあるように思います。無理に長期ローンを組んでマンションを購入し、高級品やブランド品で全身を着飾って、高級車を乗りまわし、外食も多く、生活雑貨や日用品もブランドものを揃えたくなる……。洋服、バッグ、靴だけでなく、時計、宝飾品、アンティーク品など、なかにはほとんど使うことのないようなコレクションが家のなかを埋め尽くしているという人を見たこともあります。

お金に余裕のない人が、クレジットカードやローンで思いつくままに高額なものを買い集めていたら、いつまで経ってもお金は貯まらないし、生活がラクになることはありません。高級なものに憧れるのは、「まわりに自慢したい」「他人からすごいといわれたい」という心理の表れにほかなりません。つまり、「自分はそれなりに金持ちですよ」と見栄を張っているのです。しかし、 本当のお金持ちであれば、わざわざ主張する必要はない わけです。

貯蓄が1000万円に近づいていくにしたがって、そうした見栄はなくなっていく人が多いようです。そして、心の余裕が様々な相乗効果を生みます。

些細なことを気にしなくなり、人の失敗や嫌なことにも寛容になれるでしょう。自分と他人を比べてマイナス思考になったり、妬んだりすることもなくなり、周囲の人とのコミュニケーションが上手にとれるようになります。

また、 不要なものと必要なものの見分けがしっかりできるようになり、お金の使い方が上手になります。 お金がないときは「今日はいつもよりお得だから買おう」などとついつい無駄遣いをしがちですが、貯蓄1000万円という“安心”があれば、たいていのものは買えるので、本当に必要なものかどうか冷静に判断するゆとりも生まれます。

お金がないころはのどから手が出るほど欲しいと思っていた高級車を見ても、実際に貯蓄が1000万円を超えてくると、「なんであんな見栄っ張りなクルマが欲しかったのだろう?」と案外思うものです。

そうしているうちに、 無駄遣いをしなくても心が満たされるようになり、ますますお金が貯まっていく好循環に 入っていきます。

この記事のひときわ #やくにたつ
・小さな積み重ねが、「貯蓄1000万円」を手繰り寄せる<br />・お金の使い道をはっきりさせる

編集協力=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、洗川俊一、横山美和、撮影=樋口涼

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