【西田二郎インタビュー vol.1】テレビマンとして仕事しながら精力的に音楽活動も展開「やりたいときにやる。僕は永遠の素人」
関西ウォーカー
「ダウンタウンDX」など、読売テレビのプロデューサーとして数々のヒット番組を生み出してきた西田二郎さん。テレビマンとして華々しく活躍してきた西田さんですが、ここ数年、「Nj」名義で音楽活動も展開。昨年は東京や大阪でライブを開催するなど、精力的な活動を行っています。そして、7月1日(土)、大阪で再びライブを開催されます。今回は、西田さんにテレビマンとして仕事をしながら、なぜ精力的に音楽活動もするのか、話を伺ってみました。
──音楽活動をするきっかけを教えて下さい。
「50歳になる前のカラオケでたまたま歌ってるときに『あれ?』って急に高い声が出てきて。その前後から劇団に音楽を作ること機会があったり、母親が倒れて、母親が書き残していた歌詞に曲をつけて歌うと、しばらく元気になったりして。そこから『歌う使命があるのでは?』と思い、音楽も作るようになったんですよ」
──音楽はどのように作られているのですか?
「作ろうと思って作ってるのではなく、出てきた音をレコーダーにとって、アレンジャーの方にアレンジしてもらう。作る場所というのもなくて、階段を上ったりしているときによく出てくる。『あかん、音出てきた!』って(笑)」
──歌詞は?
「鼻歌を歌いながら、歌詞が勝手に出てくる感じ。なんでその歌詞を歌ってるのか自分でもわからない。あとになって『おまえそんなん出してたんや』と自分に突っ込んでみたり(笑)」
──先日、藤やんこと、北海道テレビ番組「水曜どうでしょう」のチーフディレクター・藤村忠寿さんとパインアメの音楽を作ると発表されたそうですが。
「(僕が曲を作って)、藤やんが作詞家になると言い始めて。彼は歌詞を世界観を構築して作ってる。そういう構成的な作業がたまらなく楽しいみたい。しんどかったけど、充実してて楽しかったと。だから、こういう世界観できっと曲が出てきたんやと(僕の作曲の仕方を)類推したいみたいで、答え合わせをしてくる。でも僕の場合、何かをイメージしたとか、そういうのないんです」
──藤村さんとはパインアメの楽曲作りしかり、テレビ埼玉のバラエティ番組『たまたま』やイベントでの共演しかりと、とても仲が良いですよね。物事のアプローチの仕方などから、正反対のように思える二人ですが。。
「アプローチはまったく違うんですが、見てるところが一緒なんですよ。入口と出口が僕で、真ん中が藤やん。僕は思ったアイデアはすぐ形にしたい、遊具を置きたいタイプ。で、あとは好きにして!と。それを藤やんが『こう使うと面白いよ』ってそんな感じ。すると僕もそこで楽しんでいて」
──お話を伺っていると、そのバイタリティーは以前西田さんからお聞きした、大学生のころの話に通じていると感じました。“ライター”に憧れて、自分でミニコミ誌を立ち上げようと奮闘した話でしたが。
「“ライター”っていう響きがすごく良くて、『ライターなんです』って言ってみたかった(笑)。で、ライターをしていた先輩に某雑誌社に連れていってもらった。でも、そこでいろいろと質問を受けるんですが、自分は料理とかカルチャーの知識がゼロで。『あかん負けたな』と」
「大きな仕組みの中でライターにはなれなかったけれど、ミニコミ誌を自分で作ればなれるやん!自分の範疇で、編集長も俺やし。それはええと思って友達をかき集めた」
──そして予定通り資金を集め、1号は発行できたんですよね。
「友達は広告は取ってきてくれたけど、記事を書いたりデザインするのはしたくなかったみたいで、全部自分でしたんです。でも時間がかかって疲れ切ってしまった。2号へと続かなかったけど、こういう積み重をしているといつかブレイクするのだと思う。重要なのって、プロじゃないとできないってことじゃなく、やりたいときにやる。この感覚がすごく重要やと思う。だから僕は永遠の素人でいてる」
「でも学生の頃はその"素人さ"に対して悩んだこともあった。先輩と比較して『俺はあかん』の連続やった。でも一方で自分のことも大好きで。だから毎日自分をほめてた。『お前はすごい、天才や!』って(笑)。先輩に太刀打ちできなくても、そこが問題じゃなくて、そうじゃないところに自分の何かがあると信じてた。そんなことを思ってると、いざってときに脳みそがいいアイデアを連れてきてくれる。そういうことが多々あったので、自分を信じるって重要なんやなと。みんなは脳みそを自分のことやと思ってるけど、他人やねん。だから他人を愛してあげないと、理解者になってあげないと!」
──この自分を信じる、脳みそをほめるということは、今の音楽活動につながっている?
「今までほめてきたから、脳みそがいい音楽を拾ってきてくれる。上からテキストデータとか、ひらめきとかそういうのが放送されていて。だって、ひらめきとか、僕から出てる感覚がなくて。今までのテレビの仕事は、みんなのために作っている、みんなが困るから何とかしないといけない、そこに脳みそを使って解決してきた。でも今回の音楽活動は、この脳みそという装置を使って、音を拾いにいってる感覚。こうやって拾えるように今まで(脳みそをほめて)訓練してきたのかな。でも、SEKAI NO OWARIとかそんな売れ線の感じを拾いたいと思ってるんですが、ひらめくのはそうじゃない(笑)」
次回vol.2(https://news.walkerplus.com/article/113292/)では、これからの音楽活動、謎めいたライブタイトル『やっぱり そんなこと あるねんなぁ』の意味、またライブでも発表されるという重大発表について話を伺いました。どうぞご期待下さい!
【関西ウォーカー編集部/小笠智子】
小笠智子
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