圧巻!20万輪のスイセンと太陽光イルミで春の訪れを感じる、花と光のムーブメント「葛西臨海公園×スイセン」の見どころを聞いた
東京ウォーカー(全国版)

都立公園では、2022年春より、新たな魅力ある大規模花壇を創出し、LEDイルミネーションを設置、四季を通じた花と光の演出を行う
「花と光のムーブメント」
をスタートさせた。第1弾「浮間公園×チューリップ」、第2弾「府中の森公園×サンパチェンス」、第3弾「駒沢オリンピック公園×フォーチュンベゴニア」と続き、そして2023年2月3日からは第4弾
「葛西臨海公園×スイセン」
がスタート。そこで今回、イベント担当者に同イベントを実施する意義や、見どころ・楽しみ方を聞いた。
――「花と光のムーブメント」とは、どういった取り組みなのでしょうか?
都立公園に大規模花壇とLEDイルミネーションを設置し、四季を通して花と光の演出を行うことで、華やかであり、皆様にくつろいでいただける空間を創りだそうという東京都としての取り組みです。季節ごとに、公園とメインになる花を変えながらプロジェクトを実施しています。
――葛西臨海公園で実施される第4弾はスイセンがメインになるそうですが、毎回、このようにメインとなる花を設定しているのでしょうか。
実施公園とメインとなる花は同時に決定しており、プロモーションのキャッチコピーとして、毎回「公園名×花の種類」を掲げています。浮間公園ではチューリップ、府中の森公園ではサンパチェンス、駒沢オリンピック公園はフォーチュンベゴニア、今回はスイセンをメインに据えています。今後もこの展開は続けていく予定です。



――第1~3弾では、どのような「花と光の演出」が行われたのでしょうか。
第1弾の「浮間公園×チューリップ」は地域の皆さんにも協力していただいて、チューリップの球根を一緒に植える形で花壇を制作しました。そちらをLEDでライトアップしたのですが、風車の下に咲き誇るチューリップだけでなく、池を挟んだ対岸には桜並木があるのも特徴的なポイントで、どちらから見ても“春ならではの美しい景観”を楽しんでいただけたかと思います。

第2弾の「府中の森公園×サンパチェンス」は、もともとは第1弾以上にライトアップに工夫を凝らす予定で準備を進めていたのですが、電力のひっ迫状況を鑑み、演出を考え直すことになりました。最終的に太陽光発電に切り換えて、「ソネングラス」(瓶の中にライトを入れて照らすランプ)を用いた“やさしい光の演出”でサンパチェンスを照らし出す形となりました。噴水の中に花壇を置いて、夏にぴったりの涼しげな雰囲気を演出した点も、特徴的なポイントかと思います。

第3弾の「駒沢オリンピック公園×フォーチュンベゴニア」は11~12月にかけての実施となるため、寒さに強いフォーチュンベゴニアをメインに据えました。しかし、クリスマスシーズンまではもたないので、花壇には「よく咲くスミレ」という種類のパンジーも植えて、彩りを豊かにしました。大階段に設置した階段花壇は、フォトスポットとしても人気でした。また、照明に関してはオリンピック記念塔を特別なカラーにライトアップしたほか、太陽光発電を用い、花をモチーフにしたライトで花壇を飾ったり、競技場の壁に光を当てるなど、趣向を凝らした照らし方をしています。
それと12月中旬からはクリスマスイルミネーションも追加しました。実施期間中の前半と後半で、異なる演出が楽しめるようになっていた点も、第3弾の大きな特徴になります。

――毎回、季節ならではの演出をされているのがおもしろいですね。参加者をはじめSNSで「花と光のムーブメント」を知った人たちからの反応はいかがでしたか?
正確な数字を出すのは難しいのですが、回を重ねるごとに公園まで直接、足を運んでくださる方の人数は増えてきています。写真を撮って、SNSに投稿してくださる方も徐々に増えていて、「花と光のムーブメント」の認知度も確実に上がってきているという実感を持っています。
――そうしたなか、間もなく実施される「葛西臨海公園×スイセン」ですが、今回はどのような内容になるのでしょうか?
葛西臨海公園のスイセン花壇は、都立公園にあるスイセンの花壇のなかでは最大規模となります。約5万7000球を植えているので、およそ20万輪のスイセンが咲き誇る予定です。ちなみに球根は、全国の“スイセンの名所”から集めたものです。真冬の長い時期、順番に咲くこともあって、全部がいっせいに咲くのは難しいですが、時期をずらしてちょっとずつ咲いていき、ピークを迎えるころには花壇が真っ白に染まるので、そうした過程も楽しんでいただけますと幸いです。
――今回、メインにスイセンを選ばれた理由やスイセンという花の魅力、見どころを教えてください。
冬は花の少ない季節ですが、そうした時期に咲いて、「もうすぐ春なんだな」と気づかせてくれるスイセンは、多くの方から親しまれている、人気のある花だと捉えています。匂いもいいし、一斉に咲くと見た目も華やかで、なんとも幸せな気持ちになります。春の訪れを感じさせてくれる花としてメインにぴったりだと思い、第4弾ではスイセンを選ばせていただきました。
――今回は園路や案内板もリニューアルした…とのことですが、具体的にどのような点が改善されたのでしょうか?
園路に関しては、ベビーカーや車イスを利用される方にも安心してお越しいただけるよう、舗装を行いました。案内板に関しては、回を重ねるごとに協力してくださる地域が増え、それに合わせて案内板も増やしていたのですが、見た目の異なるものが乱立している状態だったのでデザインを統一して、よりすっきりと、わかりやすい形で設置しました。それともう1点、すべての案内板を蓄光パネルにして、夜でも書かれている内容が読みやすくなった…というところも、リニューアルのポイントになります。


――ライトアップの面でこだわった点を教えてください。
目玉となるスイセンの花壇は、公園の入り口から離れたところにあるため、ふつうに実施するだけでは気づいてもらえない可能性があります。そのため今回は、付近を通りかかった方たちに興味を持っていただいて、花壇まで来ていただけるように“動線の演出”にもこだわっています。どのような内容になるかは、ぜひ葛西臨海公園までお越しいただいて、ご確認いただけますと幸いです。

――2月11日と12日に「水仙まつり」を実施されましたが、どのようなイベントだったのでしょうか。


「葛西臨海公園×スイセン」の実施に際し、球根を提供してくださった全国の”スイセンの名所”と協力し、スイセンを楽しむ賑やかなイベントを実施。共同で花壇を作るだけでなく、それぞれの名所をより深く知ってもらうための施策も併せて実施いたしました。イベント自体は3月5日まで実施しているので、まだまだご来場いただけると幸いです。
ちなみに、今回の会場である葛西臨海公園は、広大な公園エリアだけでなく、「葛西臨海水族園」を有する水族園ゾーンや、森の中に「上の池」(淡水池)と「下の池」(汽水池)がある鳥類園ゾーン、さらには「ダイヤと花の大観覧車」や隣接する「カヌー・スラロームセンター」があり、また売店やレストランなどの各種施設も充実している。「葛西臨海公園×スイセン」を満喫したあとは、これらのエリアにも立ち寄ってみてほしい。
取材・文=ソムタム田井
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。最新の公園利用ルールについては、以下葛西臨海公園HPにて。

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